渋谷駅から事務所まで、少し遠回りするだけで、いくつもの神社があることに気が付きました。今回はその中の一つ、渋谷区松濤の大山稲荷神社を参拝します。
目次
- 御際神は、宇迦之御魂命。
- 鎮座するのは渋谷区の松濤。
- Bunkamura(東急文化村) から離れていない落ち着いた場所。
- 緑のパワーが集中してる?
- お狐さまは、格好よく、そして可愛い。
- 鳥居に記されている言葉を調べてみた。
- そのほか石碑など。
- 人の生活に寄り添う神社。
- 千代田稲荷神社へは5分ちょっとで着きます。
- 大山稲荷神社へのアクセス
- お辞儀をしているように撮影できるSONY RX100Ⅲ。
御際神は、宇迦之御魂命。
御際神は、稲荷神社なので宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)ですね。
五穀豊穣の神さまで、商売繁盛のご利益があるとも言われています。
鎮座するのは渋谷区の松濤。
渋谷区の松濤は、田園調布、白金などと同様に都心の高級住宅街になります。
歩いてみると、かなり静か。
渋谷の繁華街からそれほど離れていないのに、別世界のような雰囲気です。
この辺りは、第一種低層住宅専用地域なので、高い建物はなく空が広く感じます。
また、松濤1丁目、2丁目、神山町には200㎡ルールがあり、基本的には大きな区画で建てられた邸宅しかありません。
大山稲荷神社はそんな、超高級住宅街の中に佇んでいます。
Bunkamura(東急文化村) から離れていない落ち着いた場所。
あれほど騒がしいエリアに近いのに、このあたりは人通りも少なく、宅配の車などが目立つくらい。
喧騒から離れ、落ち着いて参拝できます。
隣は以前、東京都知事公館でしたが、塀の内側は何もないようでした。
これからどうなるのでしょう。
緑のパワーが集中してる?
境内には緑が多いです。
なんかモリっとしています。
コンクリートや石の高い壁が目立つ街ですが、ここはそれらに負けない植物のパワーを感じます。
お狐さまは、格好よく、そして可愛い。
「阿」側のお狐さま。
宝珠(ほうしゅ)を咥えているようです。
宝珠は御神徳(霊徳)を象徴しています。
「吽」側のお狐さま。
こちらが咥えているのは、巻物だと思われます。
巻物は知恵を表しています。
大山稲荷神社の神使(眷属)のお狐さまは、それぞれ可愛らしい印象ですが、アップにすると力強い感じもします。
カッコいいですね。
鳥居に記されている言葉を調べてみた。
正面の石の鳥居には「九皋之鶴十明之龜」「寛政六甲寅年五月吉祥日」と掘られています。写真右側の部分です。(左側にも文字は彫られていました)。
何やら気になってきましたので調べてみましたが、ここからは僕が個人的に調べてみたことです。
専門知識はないので確証はありません。個人的考察になります。
しかも長文になってしまいました。
「九皋之鶴十明之龜」
「九皐(きゅうこう)」は詩経、漢文から、山の奥深い場所にある沼沢。深い沢。深遠なところのたとえ。といった意味があります。
そのあとに「之鶴(のつる、のかく)」とあるので単純に考えると、山深い沢に鶴がいる。となるのでしょうか。
深読みすると、詩経には、鶴鳴九皐(かくめいきゅうこう)という言葉があり、「世間から離れていて暮らしていても、良い名声は自然と知られる」という意味があるので、こちらに類する意味も汲むことができるのではないでしょうか。
「十朋之龜(じっぽうのき)」は、占いで用いられる高貴な霊亀(十朋の亀)のこと。占ったとしても間違うことのない、「確証のある益」「幸運が舞い込むのは当然のこと」である。とういう意味があります。
その二つを合わせると、「世間から離れて暮らしていても、すばらしい才能は人に知られ、その人には、占うまでもなく幸運が訪れるのは間違いのないこと」になるのではないでしょうか。
いずれにせよ、縁起の良い語句が掘られています。
「寛政六甲寅年五月吉祥日」
鳥居が奉納されたときを記していると思います。
「寛政(かんせい)」は、日本の元号で1789年〜1801年の期間。江戸時代の後期あたりでしょうか。
「甲寅(きのえとら)」寛政六年だとすると、1794年で、この年の干支は(十干十二支で)甲寅になります。
2021年の現在からは227年も前になりますね。
5月とありますが、江戸時代の旧暦を使用していたと思われるので、現代からは、1ヶ月くらい遅いはずです。
吉祥日(きちじょうにち)は陰陽道で、何事を行うのにも吉とされる日。
今でいう「吉日」のように、縁起を担ぐ意味合いで使われたのかもしれません。
改めて考えると、江戸時代からのものが、今ここにあるのが不思議な気分になります。
神社を巡っていると、江戸時代くらいのものはよく見ますが。。。
正解かどうかは分かりません。こうして調べて考えるのは、散歩のあとの楽しい時間でもあります。
そのほか石碑など。
少なくとも石碑に書かれた人たち、実際にはたくさんの人達によって、大事に信仰されているのでしょう。
手前のプランターには花が植えてありますので、定期的に手入れをされている方がいると思われます。
人の生活に寄り添う神社。
前回の道玄坂の千代田稲荷神社は繁華街、ファッションホテル街の中という場所に鎮座されていましたが、対象的に大山稲荷神社は松濤という高級住宅街に鎮座されています。
いずれも徒歩で気軽に移動できる距離にありながら、周囲の環境はまるで違いました。
そこには人の営みの中に寄り添う神社への信仰が垣間見れます。
千代田稲荷神社へは5分ちょっとで着きます。
千代田稲荷神社へは徒歩で5分ちょっと。
せっかくなので、一緒に参拝されることをお勧めします。
大山稲荷神社へのアクセス
〒150-0046 東京都渋谷区松濤1-7-26
どちらからでも徒歩で10分くらいです。
お辞儀をしているように撮影できるSONY RX100Ⅲ。
今回は、いつも持ち歩いているコンデジのSONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)で撮影しました。
チルト式モニターを、ボディ付近で上向きにしてよく使っています。
昔のウエストレベルファインダーのようですね。ハッセルやローライの中判カメラ的な構えかたです。
フィルム時代のような、このスタイルで撮影していますが、お辞儀をしているように撮影できるので周囲の人に与える影響は少ないと思います。
撮る側としても、モニターに集中できて好都合。
また、アングルを低くしやすいので建物を撮るときなどは便利です。