静かな風景

うつろいゆく日々の記録。

渋谷の宮益御嶽神社はニホンオオカミの狛犬がいる珍しい神社です。

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宮益御嶽神社(みやますみたけじんじゃ)は、渋谷駅に近い、宮益坂にある渋谷郵便局の近くに鎮座しています。

宮益坂は青山方面に続く道で人通りも多く、平日でも混雑するところ。周囲は高いビルに囲まれています。

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一ノ鳥居から見えるのは階段で、拝殿などは見えません。

※写真は撮影日時がバラバラで、使っているカメラやレンズのメーカーが違います。そのため、色合いなどに統一感がありません。

 

<目次>

  

宮益御嶽神社の読み方。

宮益御嶽神社の読み方は、「みやますみたけじんじゃ」。

以前、大田区の嶺御嶽神社を参拝しましたが、こちらは読み方が「おんたけ」。嶺御嶽神社木曽の御嶽信仰(おんたけしんこう)に由来します。

同じ漢字ではありますが、宮益御嶽神社は「みたけ」と読み、古くは蔵王権現を祀った神社にお多い神社名だそうです。

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夕暮れ時の雰囲気も都会にマッチしていてマル。

社号標に続いて、鳥居とそこから伸びる階段が気を引きます。

 

御際神は?

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入り口にある御祭神の案内板。

御際神は案内板にある四柱になります。

  • 日本武尊ヤマトタケルノミコト

    宮益御嶽神社狛犬は日本狼なので、日本武尊が御際神なのも納得です。関東のとくに秩父地方には日本武尊と狼の伝説が残されていて、それについて調べながら神社を巡るのも有意義なものと言えるでしょう。その苦難に満ちた逸話などから、災難、災厄除けやその他たくさんのご利益がある神さまです。

  • 秋葉之神
    こちらは、火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)のことだと思われます。火の神、火伏せの神。家内安全のご利益があるとか。
  • 大国主神オオクニヌシノカミ)
    国造りの神さまで出雲大社が有名ですね。縁結びの神様。夫婦和合、子授け、医療や農耕など。
  • 管原之神
    菅原道真(すがわらのみちざね)。太宰府天満宮総本宮で天神さまとして祀られております。学問の神さまとして有名で、至誠、厄除けの神さまでもあります。

 

宮益御嶽神社のご利益は?

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階段を上がったところの二の鳥居。

宮益御嶽神社のご利益は御際神の四柱から、商売繁盛、厄除け、魔除け、火防、家内安全、商売繁盛などなど。

宮益不動尊では、炙り不動でお札を炙ると、お金が倍になって返ってくるというご利益があります。燃やしてしまいそうで心配になますが、純粋にやってみたいですね。

 

かつての宮益町。ビルに囲まれた境内。

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まだ小雨が残る時の参拝。二の鳥居。

宮益坂の由来は、宮益御嶽神社と、同地(隣)にあった千代田稲荷神社(現在は道玄坂遷座)からのご利益にあやかり「宮」+「益」で宮益坂になったということです。

以前、このあたりは「宮益町」という地名でした。

 

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夕暮れ時。二の鳥居を拝殿側から見たところ。

周囲をビルに囲まれてはいるものの、変な圧迫感は感じません。

手入れの行き届いた清潔感のある境内のおかげだと思われます。

 

創建と歴史。

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室町時代初期(1400年頃)の創建と伝えられているそうです。

大和国奈良県)吉野郡の金峯神社(きんぷじんじゃ)の分祭社として創建したとのこと。

金峯神社は、金山毘古命(かなやまひこのみこと)を祀っています。金山毘古命は野山の地主神、金鉱の守護神として信仰されています。中世以降は修験道の修行場とされてきた神社とのことで、蔵王権現との繋がりもあったようです。

 

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昭和20年(1945年)の東京大空襲によりそれまでの社殿、その他、神楽殿社務所獅子頭などを焼失しています。

その後、信仰の篤い人たちや氏子さん達の尽力により現在の社殿が昭和55年(1980年)に再建されました。

 

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拝殿にかかる扁額。

 

珍しい日本狼の狛犬

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口を閉じているので吽側。

日本で狼はオオカミ(大神)ともいわれ、古代から神さまの使い(神使・眷属)として崇拝されてきました。

狼を神の眷属として祀る代表的な神社は、秩父三峯神社がありますね。 

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参拝に訪れる人々を、見守っているようです。

 

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現在あるブロンズ製の日本狼像の狛犬

原型をモデルにして多田瑞穂さんにより復刻されました。

原型である日本狼の狛犬は、円宝年間(江戸時代、1673〜1681年)のものであるといわれています。現在は損傷が甚しいため、社務所内に大切に安置されているそうです。

 

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口を開けているので阿吽の「阿」側。

よくお見かけするオオカミ型の狛犬は、あばらが浮き出ていたり、お顔立ちが幻想世界感のある(例えが下手ですみません)ものであったりしますね。

現実感のあるリアルなオオカミ形の「日本狼」の狛犬は珍しいと思います。

 

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関東の秩父地方に広がるオオカミ神話。

狼の狛犬は他にもたくさんの神社にあると言います。

そうした、オオカミの狛犬を巡る参拝も興味を深いものでしょう。

筆者の熱量を感じられる本があります。

続編も出ています。

狼の狛犬を求めて地元の方と藪に入るなど、冒険に近いことも。

本の中で十分、旅に行けました。

 

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「三つ巴紋」が彫られた台座

台座の部分に、「三つ巴紋」が彫られています。拝殿前のお賽銭箱にもありました。

「三つ巴紋」は左右があり、多くの神社で使われている社紋になります。

「右旋回、時計回り」の「三つ巴紋」ですね。

巴紋は水が渦を巻くさまを図案化したともいわれており、また巴の形が勾玉に似ていることもあり、神霊が宿るとされているそうです。


拝殿の横の石碑など。 

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目線を感じ、そちらを見ると石の砲弾などが、、、。

こちらを見ているレリーフのお顔は、宮益町の町会長と、宮益御嶽神社の崇敬会長を務め、神社の運営に尽力した小林總一郎さんというかたの石碑。

奥に目立つのは戦没祈念の砲弾の石像です。

 

明治天皇小休止阯の石碑。

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明治3年(1870年)4月17日、明治天皇が練兵天覧御幸のために皇城(皇居)から駒場の練兵所に乗馬にて向かわれたそうです。その途中、ここ宮益御嶽神社の拝殿で小休止されたことで、「明治天皇聖蹟」に指定されました。

 

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これは、何でしょうか。。。

 

宮益不動尊は、札炙りがご利益。

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宮益不動尊の扁額。

甲府武田家の陪臣(ばいしん)だった石田勘解由茂昌という武士が持ってきた尊像を神社に合祀したそうです。その後、子孫によって、不動尊石像・庚申石像、勢至菩薩石像を建立されたと言われています。

 

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夕方ぐらいに参拝すると雰囲気があります。

お堂の中には不動尊像以外に、勢至菩薩像と庚申像があります。

(その他、小さい石像もありました。)

このお堂内に安置されている像は全て石像です。

 

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親しみの湧くお顔をされていました。

宮益不動尊(1681年3月6日建立)。

苦しみや疫病を、お線香の煙で炙り出してくれるので「炙り不動」と呼ばれているそうです。また、札炙り(さつあぶり)ともいわれ、お札を炙ると富を倍々に増やしてくれるそうです。

 

宮益御嶽神社へのアクセス。

宮益御嶽神社(みやますみたけじんじゃ)

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目12−16

御朱印は書き置きでの授与となります。 

 

参拝後に、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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渋谷の老舗喫茶です。

「茶亭 羽富」(さてい はとう)。

お客に合わせてアンティークのカップを選び、ペーパードリップの珈琲をだしていただけます。

酸味系の珈琲ですが、最近流行りの単なる浅煎りとは違い、奥の深さもあわせ持つ味わい。

個人的には、大坊珈琲(現在は閉店。お弟子さんが恵比寿にて営業されてます。)さんのような深煎りが好きですが、こちらも大変に美味でよく伺います。

参拝のあとにいかがでしょうか。