野鳥を撮るようになって、どうしようもないけど、なんとかならないかと思うのがデカくて重い望遠レンズ。特にスズメサイズ程度の小鳥類を撮りたいので、焦点距離は長ければ長いほどいいと思っています。
現在使っているのはAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR。
このレンズは本当にデカくて重い。
と言うことで、なんとかならなかと考えて思いついたのがレフレックスレンズです。
レフレックスレンズと言うのはニコンの呼び方で、ミラーレンズとも呼ばれるレンズ。つまりは反射望遠鏡なので、乱暴な言い方をすれば、光をレンズ内にあるミラーで反射させて焦点距離を稼いでいるというもの。
そこで、中古市場でも多く見かけ、値段もリーズナブルなタムロンの反射望遠レンズ、TAMRON SP 500mm F/8を購入してみました。
<目次>
- TAMRON SP 500mm F/8をSONY α7RⅢにつけてみる。
- レフレックスレンズは固定絞り。
- 500mm F/8のボケとディテール。
- アングル探しがラク。手ブレ補正は設定を忘れずに。
- 花も撮影してみました。
- 最短撮影距離での撮影。
- レフレックスレンズの威力。
- TAMRON SP 500mm F/8(55B)でのお気に入りのカット。
TAMRON SP 500mm F/8をSONY α7RⅢにつけてみる。
TAMRON SP 500mm F/8(55B)をSONY α7RⅢに装着。このレンズはFマウント仕様なので、RAYQUAL(レイクォール)のNFG-SαEというマウントアダプターを使って取り付けています。
TAMRON SP 500mm F/8(55B)はカタログでは575g。いつも野鳥撮影で使っているニコンのAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRは2300g(2kg超え!)と比べれば、いかに軽いかがわかります。
レフレックスレンズは固定絞り。
TAMRON SP 500mm F/8(55B)や同様のレンズ構成をもつレフレックスレンズは、構造上絞りがありません。500mmの場合はF8が多く、F5.6になるとレンズが大きくなってしまい、かなり重くなります。
F5.6のレフレックスレンズではロシア製のMC Rubinar 500mm f5.6というレンズを見かけます。
500mm F/8のボケとディテール。
ボケは独特な雰囲気で好みが分かれます。
メジロのアイリングと背景のリングボケを意識しました。
たぶん、誰も気が付かないことでしょう。。。
背景になんとなくリング状にボケが出ているのがわかるでしょうか。このくらいなら嫌味がなくて、あとは好みの問題ですね。
1979年頃の発売のレンズですが、コントラストは低いものの、ピントがあったところはそれなりに解像します。
写真は曇りの日だったのでもやっとした感じになっています。
ネットなどに使うなら現像次第でなんとかなりそうですが、そこはオールドレンズということで考えた方が良さそうです。
アングル探しがラク。手ブレ補正は設定を忘れずに。
枝葉を避けながらカワセミが見える場所に移動して撮影。
コンパクトで軽いのでカメラアングルを探すのがラクです。
もちろん、撮影地へ行くのも普通のカメラバックに収まります。
個人的に野鳥撮影では三脚、一脚は使わないので全て手持ちで撮影しています。
500mm F/8はコンパクトで軽いので、うっかり普通のレンズのつもりで構えてしまいますが、実際は500mmと望遠なので撮影では手ぶれ補正が必須と言えるでしょう。
カメラの設定は手動で手ブレ補正をON、焦点距離を500mmにすることを忘れないように気をつけています。
リングボケってこんな感じ。
リングボケがわかりやすいように、水面の反射を撮影してみました。
さすがにこれは、使いづらいですね。
すぐ飽きちゃうし。
花も撮影してみました。
コントラストが低いのは、こうした暗めの写真ではディテールが潰れないので逆に好都合。
コントラストを上げるのは簡単ですが、柔らかくするのは難しいと思います。
またこの写真は、カメラの設定でAPS-Cサイズで撮影しています。
SONY α7RⅢでは、
- フルサイズ 7952×5304で約4217万画素。
- APS-Cサイズ 5168×3448で約1781万画素。
になります。
解像度的には十分ですね。APS-Cサイズで撮影すれば750mm相当になります。
最短撮影距離での撮影。
ほぼ最短撮影距離で撮影しています。最短撮影距離は1.7m。
この写真も、APS-Cサイズ撮影しています。これだけ寄れれば花の撮影でも困ることはほとんどないでしょう。
そうそう、もちろんオートフォーカスではありません。MFです。これだけ拡大された状態をファインダーを見ながらピント合わせするのですが、手ブレ補正が効いた状態でも像が凄い揺れるので大変です。
オートフォーカスが使えるレフレックスレンズもあります。
MINOLTA AF REFLEX 500mm F8
AFのレフレックスレンズ。ソニーブランドでも発売されていました。トランスルーセント式マウントアダプターを使用すれば、EマウントでAFを使うことができるそうです。
レフレックスレンズの威力。
ゴイサギを茂みの中で見つけました。
小鳥ではありませんが、ゴイサギをアップで撮影できました。とはいえ、これが限界の近さだと思います。
たぶん、レフレックスレンズを知らない人が見たら、そんなに寄れるの?って思うでしょう。
TAMRON SP 500mm F/8(55B)でのお気に入りのカット。
それでは、SP500mm F/8を購入してからのお気に入りのカットをご覧ください。
東京港野鳥公園でアオジを撮影しました。秋の枯れ枝の中でアオジが出てくるのを待って撮影。
正面にまん丸姿で登場してくれました。
背景にリングボケが出ていますが、こういう感じがお気に入り。普通のレンズではないボケですし、くどいリングでもありません。
ピントはやや怪しいですが、オールドレンズということで良しとしています。
しゃがんで待っていたので、アオジのこちらへの警戒心が薄めです。
落ち着いて拡大機能を使ってピントを合わせます(それでも合うかどうかは運しだい、自分次第)。
シャッター速度を落としてISOを稼ごうと思いましたが、手ブレなのか微ブレもあります。
手ブレ補正を信用しすぎてもいけませんね。
ということで、お気に入りになったTAMRON SP 500mm F/8(55B)。気分転換やサブカメラとして使っていこうと思います。
こちらではニコンのレフレックスレンズについて書かれています。
書籍化もされています。