いくつかのレンズを下取りに出してGR3を購入しました。
長いこと使っているコンデジSONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)。不満があったわけでも、壊れたわけでもありません、むしろ気に入っているカメラですが、ポケットサイズのコンデジがもう一台くらいあった方が写真にも変化がついていいのかも、と思っての購入です。
そこで今回は、GR3とRX100M3を同じ立ち位置から撮影して比較してみました。
またいつものように、個人的な感想をツラツラ書いてます。
<目次>
- 逆光でドラマチックに絵作りしてみた。
- 28mm、24mmの画角の違いについて。
- 標識をGR3とRX100M3で撮る。
- お互いのカメラで撮る。
- GR3、RX100M3で撮る、河川敷の風景。
- 夜のハチ公を開放絞りで撮影。
- どっちのカメラもカッコいい。
- 白黒画像にしてみた。
- GR3とRX100M3の比較、まとめ
逆光でドラマチックに絵作りしてみた。
GR3は家でてきとうに触っただけで、外に持ち出してみました。
まだ全然慣れていません。
中途半端に光源(太陽)が画面に入りそうで、ゴーストが出そうなところです。もうちょっと明るくてもよかったかな。なんかもの足りない。
ぎこちない感じでモタモタして撮って、こんな感じ。
RX100M3は慣れています。「この花、撮りたいな。」と思った時に、「逆光入れて、ドラマチックにしよう」と考えたらもうその立ち位置にきて、カメラをスッと持ってこれます。
フルサイズ換算24mmです。この画角が好きで単焦点を何本か使ってきたほど。
「慣れ」って凄いですね。
GR3のレンズ、淡々とした描写するのかなぁ。
逆光でゴースト、フレア、あんまりでない。
レンズとして優秀なので良いことですが、光の見方を変えないとGR3を使いきれないと思いました。
あと、やっぱり28mmと24mmの画角の違いも。それほど差はないかと思いましたが、「24mmの全部入るからね」と「28mmの広く写るけど主体になるもの考えて」と、なんとなく両者には大きな隔たりがあるような気がしてます。50mmと35mmの違いにも似たような差なのかなぁ。
SONY RX100Ⅲで撮るとフレア、ゴーストを入れることを考えてフレーミングしていたことがわかります。
あー、ここで撮ると逆光の光感(フレア、ゴースト)が入ってきて、葉っぱのない木が演出されるな。っと、思っていたことが我ながら納得できました。
僕の場合、同じ立ち位置で撮るのはRX100M3の方が有利ですね。
28mm、24mmの画角の違いについて。
どっちもjpeg撮って出しのブログ用にリサイズのみ。
このブログでは写真のファイルサイズは200KB以下。だいたい150KBぐらいになるように縮小リサイズしています。
GR3はAPS-C、RX100M3は1インチのセンサーを使っていますが、ブログ用にリサイズすると違いはほとんど分かりませんね。画角の違いもよくわかない。もっとパースをつけたような構図にすれば違いは出ると思います。
GR3の28mmに慣れてきたのか、フレームいっぱいに花を入れてます。
28mmなのでそれなりに広角の歪みはでているようですが、このような花なら気にならないでしょう。
明るさが好みではなかったので、RAW現像してみました。
プログラムAEでそのまま撮っていますが、絞りを開放にして花を引き立たせればよかったかも。
GR3は、前ダイヤルを回せば、Pのままでも絞りを変えることができます。プログラムシフトと言って、同時にシャッタースピード、ISOをカメラが調整して適正露出にしてくれます。
でも、このままでもいい気もする。。。
同じ位置から撮影したRX100M3の写真。
こちらもRAWからの現像です。
28mmと同じくらいの位置から撮ると周囲が画面に入ってきますね。
でも、これ以上寄ると歪みが少し強調されてしまうかも。
RX100M3の1インチセンサーでも、このくらい寄って撮影すると背景がボケています。こちらもプログラムシフトすれば開放の1.8で撮影できてもっとボカすこともできたでしょう。使いはじめた頃はやっていたのですが、だんだん面倒になってきてPモードでそのまま撮影しています。
28mmってどうなのかなと思っていましたが、慣れてくると普通です。
う〜ん。GR3の描写はAPS-Cサイズだからか、階調が豊富で思ったよりも柔らかいなという感じ。よく写るし、もっとクセのあるカメラかと思いましたが、使いやすいなぁ。
28mmという画角も、硬派な単焦点って感じが潔くて好きですね。
でも、24mmでないと撮れなかったというのは思い出すと結構あって、建物の全景を写したいとか、部屋で引きがないとか。広さを強調したいとか。RX100M3は広角側が24mmはじまりなので、特別な場合をのぞけばだいたい撮れちゃいます。サブカメラとしていつも持っていて頼りがいのあるカメラです。
テレ側は70mm。こっちはもう少しって思うことがあるにはありますが、そんなに困ったことはありません。あまり使いませんし。
どうしてもというときは、RX100M7を選べば24-200のズームになる(明るさは少し暗くなります)ので、問題ありません。RX100シリーズって隙がないですね。
標識をGR3とRX100M3で撮る。
「標識」って撮りたくなるときがあります。いい被写体です。
とくにGR3ってそういう目線を意識させるカメラなのかもしれません。
右下の隅に遠くのマンションが写ってしまったのは良くないですね。
GRシリーズは究極のスナップシューターと言われたりもしますが、僕はそこまで早撮りしたいわけではありません。外付けのファインダーでも買ってゆっくりフレーミングして撮るのもいいかもしれません。
GR3を購入して参考にと買った本は「RICOH GR IIIパーフェクトガイド」。森山大道さん、管原一剛さん、上田義彦さん他、有名なカメラマンの作例が多数掲載されています。GRの歴史から、GR3の開発過程など写真、やイラストも沢山使われていて楽しめました。また、撮影の肝となる、設定の解説もあり。写真家の設定を参考にあれこれ試してみるのもいいですね。ちなみに、老眼のひどい僕はキンドル版を購入。小さい文字は拡大して読んでいます。掲載写真もじっくり見れます。
RX100M3では「標識」を撮りたいとか、あまりそういうことはありません。
不思議です。ズームがついて、EVFもついているのでじっくり撮影するにも向いている。
撮影する理由がはっきりある方が使いやすいカメラなのかもしれません。
しかし、いざというときには、これ一台あれば大概のものは撮影できてしまうので頼りになるカメラです。
RX100M3で撮影しても、右下のマンショは写っていましたね。
お互いのカメラで撮る。
GR3でRX100M3を撮影。カメラポートレートです。両方ともですが逆光に強いカメラですね。そして現像時の補正についても。GR3はさすがにAPS-Cのカメラなので、ダイナミックレンジも広く、アンダーに潰れてしまったカメラや白とびしそうな空のディテールをキャプチャーワン(C1)を使って簡単に修正できました。
RX100M3でGR3を撮影。
しかしRX100M3も凄い。2014年発売と、そこそこ登場から年数も経っているのに、GR3に勝るとも劣らないセンサーの実力があるように思います。
2010万画素と十分な画素数もあり、ブログやSNS等で使っても不満がでるようなことはありません。(GR3は2424万画素。)1インチセンサーの実力を知りました。
GR3、RX100M3で撮る、河川敷の風景。
こちゃこちゃした周波数の高そうな写真です。でも、なんか綺麗に感じます。GR3のレンズってもっと硬質な描写だと思っていました。ディテールもですが色のりも柔らかに感じます。それと関係があるかどうかはわかりませんが、「画像処理による収差補正を前提としない設計」であること、「対称型で6枚構成のシンプルなレンズ」は、詳細はわからなくても個人的に好ましい方向性であると思っています。
反面、性能向上のために使用した1枚目と6枚目の非球面レンズがボケにどう影響するかはこれから使い込んで判断したいと思っています。非球面レンズで現れる玉ねぎボケはあり好きではありませんので。
僕のRX100M3は中古で購入、その後5年は使っています。ボディ全体の角の塗装は剥げてアルミのシルバー地が見えてきています。ちょっとくたびれてきているので、逆光時に出るゴーストやフレアは老朽化が原因かもしれませんね。
しかし、サイド光、順光での撮影ではメリハリの効いたコントラストの高い描写は健在です。いつ見てもスカッとした強い画像です。特に広角側24mmでの描写が好きで、24mm固定でもいいのになと思っているほどです。
GR3は28mmという画角、描写ともに落ち着いた感じがしました。
RX100M3は24mmのダイナミックな描写、雰囲気のある色味が特徴だと思います。
現像に使ったアプリはキャプチャーワン(C1)です。RAWデータからの現像であっても、それぞれの特徴は現れるものです。GR3とRX100M3とどちらが好みか、というところになりますが、今のところ両方使っていきたいのが本音です。他人にはわからない自分だけの拘りみたいなものですね。
夜のハチ公を開放絞りで撮影。
GR3のプログラムAE(Pモード)で撮影。開放絞りf2.8になるものの、シャッタースピードは1/30。手振れ補正の効果を知るには、まだまだ余裕なスピードです。何だろうこの余裕のある写りは。背景のボケの自然だし、木の電飾も普通で綺麗。誇張もなく淡々とした描写です。これはこれで好き。
こちらはRX100M3。広角24mmらしく、主要被写体のハチ公と渋谷であることを説明するように背景を広く写し込んでいます。ただし、周囲にいた人も画角に入りそうになるので、フレーミングに注意する要素が多くなります。光源にフレアっぽさがあるのは光ってる感じがでるので好きです。
こういう場所では、ゆっくりと落ち着いて撮影する方がいいと思います。周囲には人がたくさんいましたが、「僕はハチ公を撮影しています」と無言で説明するように、堂々とハチ公を見上げカメラを向けていました。
最近では肖像権の問題もありますし、場所柄怖い人もいるので、撮り逃げするような振る舞いは在らぬ疑いを持たれる原因になりやすく危険を伴います。僕は人物をスナップ撮影はしませんが、GR3やRX100M3のようにコンパクトで目立たないカメラは、こういう場所でも使いやすいと思います。
ストリートスナップに興味があるなら、こちらの本はとても参考になります。
どっちのカメラもカッコいい。
RX100M3で撮ったGR3。GR3は程度のいい中古です。キズなどなく綺麗。
マットな質感で文字も少なめ。しかも文字の色は、グレーで渋くてカッコいい。こういうの硬派で好きです。ソリッドな風貌。機能美があります。
起動が早くて、繰り出すレンズの長さも短くて良い。所有欲も満たされますね。
GR3で撮ったRX100M3。角が擦れて、アルミ地が見えてます。悪くない。レンズの繰り出し量は多めですがトラブルや故障はありません。むかし「ソニーは3年で壊れる」なんて聞きましたが、そんなことはなく、ハードな使用に耐えてくれて信頼度は高いです。
このボディサイズに、ズームレンズ、EVFのファインダー、ポップアップのフラッシュ、チルトモニターと全部込みなのも、ある種の凄みを感じます。
白黒画像にしてみた。
GR3はカメラ内生成の白黒を試すべきだと思うのですが、とりあえずキャプチャーワン(C1)で。もう「GRは白黒がカッコいい」と洗脳されているのかもしれません。GRはイメージコントロールで白黒画像の設定も豊富。粒子感もプラスできます。写真学校で白黒フィルムで写真を勉強していた身としては、これはいずれ使いこなしたいですね。
RX100M3でももちろん白黒にできます。似たようなことを何度も書いていますが、APS-Cセンサーよりも小型な1インチセンサーなのに、階調が豊富でダイナミックレンジも広い。キャプチャーワンを使って現像すれば十分なクオリティを引き出せます。白黒についていえば、カメラ内のクリエイティブスタイルの白黒をもう少し設定できるようにしてほしい。白黒、セピアを選べますが、それぞれコントラストとシャープネスの調整のみ。コントラストは-3〜+3まで1刻みです。このあたりは設定項目が多いと、撮影者側の気分も上がるものなんですけどね。とはいえ、RX100M3でこだわりの白黒写真を撮ろうとする人は少ないと思うので、これはこれでいいと思います。
GR3とRX100M3の比較、まとめ
GR3とRX100M3。真逆な設計思想にあるようなカメラなので、比較してもあまり意味はないような気分になってきました。
ただ、どちらも素晴らしいカメラ。
使う人がどう思うかですが、そもそも写真は、カメラを持っていなくては撮れないもの。そういう点で言えば、GR3もRX100M3は携帯性の抜群に優れたカメラです。
小さなバックに放り込んで、散歩に持って出るのも気軽です。
GR3、RX100M3は、持っておいて損のないカメラだと思いました。