いつも大砲のような望遠レンズを持って散歩するのは大変です。なので、身軽に散歩したいときなどはコンパクトで軽量な(野鳥用の望遠レンズに比べてですが。)レフレックスレンズ、TAMRON SP 500mm F/8(55B)をSONY α7RⅢにつけて持ち出します。
<目次>
TAMRON SP 500mm F/8(55B)について。
今回はタムロンのレフレックスレンズ「SP500mmF/8」を宮本製作所のマウントアダプター、RAYQUAL 「NFG-SαE」でソニー「α7R3」に装着。この組み合わせで撮影した野鳥の写真をまとめてみました。
宮本製作所のRAYQUAL(レイクォール)NFG-SαEはニコンのFマウントレンズをソニーEマウントに装着するためのマウントアダプターです。Gタイプのレンズにも対応しており、絞り環が装備されています。
所有しているSP500mmF/8はアダプトール2というマウント形式で、これはタムロン独自の35mm一眼レフ用の交換マウント。購入したときからFマウント用の交換マウントが装着されていました。
アダプトール2マウントは2006年に販売が終了しています。
SP500mmF/8で撮影した野鳥の作例です。
散歩でよく訪れる洗足小池です。洗足池の近くにあり歩いて5分から10分で着きます。
ここは湧き水でできた池で水がとても綺麗。水中に泳ぐ魚も見ることができます。
洗足池とは違い、小さな池で一周するのに3分もかからないでしょう。
SP500mmF/8で撮ると対岸が写ります。光を受けた葉の部分に小さくリングボケが出ています。この程度なら自然な感じもすると思うのですがどうでしょう。
APS-Cサイズではなくフルサイズで撮影していますが、シジュウカラが小さくなりすぎなのでトリミングしています。
こうしたスッキリとした背景なら、レフレックスレンズでも普通のレンズとの違いはわからないと思います。
1980年頃から発売されていたレンズです。レフレックスレンズという括りですが、同時にオールドレンズといってもいいでしょう。逆光はもちろん、遮光でも状況によってはコントラストが低下します。でも、夕日の水面に浮かぶキンクロハジの雰囲気をよく捉えてくれたと思います。コントラストの低下が気になるときは、アプリで少し調整する程度でなんとかなるのでそれほど気になりません。
葦の中にいるウグイスを撮ってみました。ピントは合っていません。ちょっとブレもあり。
とはいえ、それなりに撮影できていると思うのですが、雰囲気重視の写真で否定的な方もいると思います。
マニュアルフォーカスでピントを合わせるので、拡大しっぱなしでピント合わせをしながら撮影です。その際、フレーミングは「感」というか、「なんとなく」というか、フルサイズで撮影しているので後でトリミングすればいいだろうとの考えです。
開放絞りで固定のf8ですが、焦点距離500mmでピントは激薄です。
カワセミの撮影スポットとして有名な洗足池です。背景が葦になっていました。
リングボケが光を受けていない状態だと二線ボケよりも線が太く描写されます。個人的には個性的なボケでこれはこれで好きなんですが、一般的には汚いボケと思われているようです。
画面の上下、オオバンの奥と手前の水面のボケ方が、レフレックスレンズの特有のボケ方です。好意的な言い方をするなら、油絵のこってりとした強く滲んだ感じとでも言いたいところ。
どなたかに、もっとカッコいい表現で説明して欲しいです。
オオバンを撮影するときの個人的な流行りは正面から。額の小判状の白い模様がチャームポイントだと思います。
オオバンは他にも発達した水かきの弁足(べんそく)が特徴ですが、水中なのでなかなか写真に収めるのは難しいですね。
強い日差しの中、コガモを撮影しました。
jpegでは顔の部分の影が濃すぎていたので、雰囲気を壊さない程度に明るくしています。でも、ちょっと胸の部分が白とび気味ですね。
オナガガモのペアが泳いでいました。
ISOを稼ぎたかったのでシャッタースピードを遅くしていますが、ちょっとブレてます。
α7R3のボディ内手ブレ補正を効かせていますが、やはり遅すぎたようです。個人的には1/500sより遅いシャッタースピードはかなりの確率でブレるように思います。
これはレフレックスレンズだけのことではなく、望遠レンズなら同様にシャッタースピードを早めにしておきたいですね。
カルガモです。カモ類の中では大型でマガモと同じくらいの大きさ。オスメスに変化が少なく、素人目に区別するのは難しいと思います。
雛を連れて歩くときだけやたらと注目されますが、普段からも観察しておくと何かしらの発見があるのではないでしょうか。
僕的にも何かしらの「気づき」があるかもと思ってよく観察しているのですが、特にこれといったものはなく、「こんな所にもいた」とかカルガモの生活環境の順応具合に驚くことばかりです。
少しでもカモ類に興味があれば、こちらの本で深掘りして見るのはいかがでしょうか。
スズメ、可愛いですね。
いざ撮影しようと思うとなかなか近寄れず、すぐに逃げてしまいます。
こちらのスズメはトリミングなしの500mmフルサイズで撮影。木のようにジッと動かずにスズメの警戒心が解けるまで粘ってから撮影しています。
シャッターチャンスに余裕ができたので、じっくりピントを追い込んで撮影できました。
同じ木に留まっていた別のスズメ。
もふもふで可愛いです。
シャッター音に警戒しているようでした。
洗足小池にいたカワセミ。
小池は葦などの植物を定期的に剪定しているようで、冬になる前に周囲の植物が切られてしまいました。環境維持のために仕方のないことですが、その後カワセミは姿を見せていません。隠れる所がなくなってしまったからでしょうか。
春になって、また来てくれるといいですね。
上のカワセミの写真の別カットをトリミングしています。
APS-Cサイズ、高感度で撮影したものをさらに拡大しているので、ちょっとザラついていますね。SP500mmF/8もオールドレンズといっていい年代のレンズなので解像度もそれなりです。
現像でもう少しコントラストを上げるなどして、写真をよく見せることもできますが、この程度でやめておきました。
ヒヨドリが飛び出しました。
SP500mmF/8ではさすがに飛翔シーンなどの撮影は厳しいと思います。
でも、このコマを見て、「もしかしてできるかも」と考えてみたり。
これからも、レフレックスレンズのTAMRON SP 500mm F/8(55B)で野鳥撮影をしていきたいです。
撮影情報について。
ソニーα7R3はフルサイズで、7952×5304の約4,240万画素。
野鳥の撮影では焦点距離を稼ぐために、APS-Cクロップで撮影することもよくあります。カメラの設定では「APS-C/Super 35mm」。撮影情報にはAPS-Cと入れています。
APS-Cサイズの撮影ではα7R3の場合、5168×3448の約1,800万画素となります。
とくに記載のない場合はフルサイズで撮影。
また、撮影後にトリミングしている場合は「Tあり」と入れています。
その他、「jpeg」は撮って出しのjpegでこの場合はブログ用にリサイズのみしております。
RAWデータの現像ではキャプチャーワンを使っており「C1現像」と入れています。
現在新品で買えるレフレックスレンズ。
ケンコートキナーから「ミラーレンズ400mm F8 NⅡS」が販売されています。
野鳥撮影に使うのであれば400mmでは焦点距離が足りないと思います。APS-Cサイズでの撮影では600mm。価格が比較的安いのが魅力ですが、中古のSP500mmF/8や他のレフレックスレンズの出物を探すのもいいかともいます。
ミラーレンズ400mm F8 NⅡSは各社のカメラマウントに対応。ご自身のカメラマウントを確認してください。
ここではニコンFマウントとソニーEマウントを貼っておきます。