猫ノ目わたるブログ

風景、野鳥、花・山野草。日々、撮影した写真をもとに書いてます。

RICOH GR III(GR3)とSONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)を同じ場所から撮影(vol.2)。作例を比較してみた。

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以前にRICOH GR III(GR3)とSONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)を同じ立ち位置から撮影して比較することをしましたが、個人的にとても楽しかったので、もう一度やってみることにしました。

前回の記事はこちら。

snowvalley.hatenablog.jp

 

<目次>

 

GR3とRX100M3の写真を気楽にみてください。

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この写真はNikon Z6II + Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50で撮っています。

GR3とRX100M3の比較記事は2回目です。

撮り方のルールは、なんとなくですが決めてあります。

まず、撮りたいと思った被写体に対峙する。このときの立った位置(足の位置)は変えない。

でも、腕を伸ばしてカメラを前に出したり、アングルの上下左右など腕の動く範囲なら変えていい。

カラー、モノトーンはそれぞれのカメラで自由に変えていい。またRX100M3はズームしてもOK。露出なども揃えなくてOK。

撮る順番は決めていません。手に持っているカメラで撮って、もう一つのカメラに変えている、というパターンが多いです。

投稿している写真は、先にGR3の写真、後にRX100M3の写真の順番です。

比較と言っても、割と自由に撮った写真をゆるい感じで比較していきます。

なので、気楽に見ていただければ幸いです。

 

ズームとモノクロ、RAWデータ。GR3もRX100M3も使い方次第。

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RICOH GR III
ISO200 , 1/125s , f/2.8 , 18.3mm(28mm), jpeg 

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO250 , 1/80s , f/2.8 , 25.7mm (70mm), jpeg

これ、何が写っているかわかりますか?

いきなりですが中央の枝にゴイサギが留まっています。

露出はどちらも明るすぎてしまいましたが、GR3はフルサイズ換算28mmの単焦点レンズなので、どうしても被写体が小さくなります。

RX100M3はズームレンズの望遠側70mmで撮影でき、ゴイサギをなんとか見られる大きさで撮れています。

野鳥の場合は近寄るのにも限界があるので、標準域のズームでもあれば便利です。RX100シリーズには望遠側200mmの機種もラインナップされているので、機種選定には慎重になりたいですね。

 

GR3はRAWデータで拡大すると、ゴイサギはしっかり解像しておりトリミングすることも可能です。

GR3のセンサーは2424万画素、ローパスフィルターレス構造(ローパスなし)です。

焦点距離換算(フルサイズ)は、GR3がAPS-Cサイズなので、×1.5。RX100M3は1インチセンサーなので、×2.73(小数点以下四捨五入)。としています。

jpeg」は撮って出しのjpegデータをブログ用にリサイズのみしています。



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RICOH GR III
ISO100 , 1/200s , f3.5 , 18,3mm(28mm), jpeg

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO125 , 1/160s , f/4 , 8.4mm (24mm), jpeg

GR3の強みは「モノトーン」。ハードモノトーンに代表されるモノトーンの4種類。

それに、粒状感を3段階で加えることができます。

これ、モノクロフィルムをやったことがある世代にはぶっ刺さるイメージコントロールです。僕はまさにこの世代。好きか嫌いか、やるかやらないかは別としてこの世代にとっては、放ってはおけない設定です。

合わせて、RX100M3もクリエイティブスタイルを白黒[B/W]で撮ってみました。意外とRX100M3の白黒もいい感じです。ただ何故かRX100M3の白黒って撮る気にならないというか、、、。これは思い込みなのかもしれませんね。

 

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RICOH GR III
ISO200 , 1/400s , f/5 18.3(28mm), jpeg

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO125 , 1/320s , f/4 , 8.8mm(24mm), jpeg

個人的な設定では、GR3はハードモノトーン、粒状感3が最高です。もちろん、フィルムと比べると全然違うのに、惹きつけられて使ってしまう設定です。

人によっては「ポジフィルム調」がどハマりして、こればっかりで撮っているとか。

ポジフィルムと言ってもフジのベルビア、アスティア、コダックのEPRと使ってきた身としては、コントラストと彩度が強すぎて「ちょっと違うなぁー」と思ってあまり手をだしていません。(でも、やっぱり興味はある。)

僕はこちらの本を参考にしました。ムック本はプレミアが付きはじめているのでKindle版にしました。

 

RX100M3の設定は「スタンダード」です。長く使ってきてたどり着いたのはスタンダード。物足りない場合はRAWから現像します。1インチセンサーとはいえ、このセンサーはかなり優秀で、ダイナミックレンジがそれなりに広く、SNSやブログなどネット使用では問題のないレベル。大きくプリントしなければ綺麗なプリントも作れてしまいます。

現像アプリはキャプチャーワン(C1)を使っています。

 

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RICOH GR III
ISO200 , 1/1250s , f/5.6 , 18.3mm(28mm), jpeg

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO125 , 1/500s , f/4 , 8.8mm(24mm), jpeg

どちらもアンダー気味に露出を設定して撮影しています。どちらもカッコいい。

もともとRX100M3を使っていて広角側はフルサイズ換算24mmに慣れています。GR3は28mm。単焦点レンズは好きだけれど、写せる範囲が狭くて結局、RX100M3ばかり使うことになってしまうのではないかと心配していました。

しばらく使ってきて、28mmが狭いとか、パースが弱いとかは思いません。24mmでないと引きが足りない、ということはあるかもしれませんが、焦点距離を気にしてGR3を置いていくことはなさそうです。

とはいえ、24-70のズームは便利なんですよね。

 

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RICOH GR III
ISO100 , 1/500s , f/5.6 , 18.3mm(28mm), jpeg

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO125 , 1/160s , f/4 , 8.8mm(24mm), jpeg

もうこれは、どちらでもいいかと思います。28mmと24mmってそんなに違わない。

…でも、やっぱり違います。

24mmでは、パースによる演出がちょっと過多。28mmとの比較ではあまり気になりませんが35mmレンズと比べると24mmに違和感を感じるときがあります。反面35mmでは物足りないことも。でもそれは、同じ被写体を撮ったときのこと。また僕は、広角でモデルなど人物を撮ることがないので、対象は風景や建築です。花も撮影しますが花の場合もそれほど気になったことはありません。

あえて言うなら、28mmにはある種のリアリティがある気がするんですよね。。。

 

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RICOH GR III
ISO200 , 1/2000s , f/2.8 , 18.3mm(28mm), jpeg

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO125 , 1/1600s , f/2.5 , 8.8mm(24mm), jpeg

GR3でも、カラーを撮るときはスタンダード。周辺光量補正はオフを選択しています。他の設定も興味はありますが、あまりいじってはいません。

GR3の場合、露出補正レバーが使いやすく、積極的に露出をコントロールしたくなります。0から-0.3、-0.7あたりに補正をよくします。

RX100M3の露出補正がやりづらいわけではないのですが、GR3と比べてしまうと面倒に感じます。一度露出補正を設定するとそのままで撮り続けてしまうことの方が多いです。

 

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RICOH GR III
ISO200 , 1/400s , f/5 , 18.3mm(28mm), jpeg

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO125 , 1/250s , f/5.6 , 8.8mm(24mm), jpeg

神社の拝殿に向かい、全景を入れたかったので、「ここかな」と思ってカメラを構えた立ち位置で撮影。

GR3ではちょっと引きが足りなかったですね。もちろん後ろに下がることはできるので問題ないのですが、慣れの問題です。28mmが身に付いてないですね。

RX100M3の広角側は、フルサイズ換算24mm。24mmは標準ズームレンズの広角側に多く使われている焦点距離で、個人的には単焦点レンズでも愛用している画角になります。

なので、建物の全体が余裕を持って画面に収まる距離を、「考えなくても」、その場所に立てるんです。

こういう感覚って時間のない撮影では必要だったりしますし、慣れない焦点距離のレンズを敬遠してしまう原因だと思います。

 

都市部へ向かう。

GR3のハードモノトーンは森山大道をリスペクトしているのではないかと思っています。

実際の森山大道の写真のトーンとは全く違ったものですが、強いモノクロ写真のイメージでは森山大道はどうしても考えてしまう存在だからです。

本来は写真集を紹介したいですが、対話集もあるのでこちらで写真について考えてみるのはどうでしょう。

 

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RICOH GR III
ISO200 , 1/500s , f/5.6 , 18.3mm(28mm), jpeg

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO125 , 1/160s , f/5.6 , 8.8mm(24mm), jpeg

歩きながらスナップ撮影するのが楽しくなって、所構わず写真に撮りだしました。

GR3でモノトーンを撮って、RX100M3でスタンダードのカラーを撮る。

突き詰めると、白黒でもカラーでも、28mmでも24mmでもどっちでもよくなってくる。

写真って楽しいですね。

って、思うようになってきます。

 

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RICOH GR III
ISO200 , 1/1000s , f/5.6 , 18.3mm(28mm), jpeg

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SONY RX100Ⅲ
ISO125 , 1/160s , f/4 , 8.8mm(24mm), RAW , C1現像

GR3のハードモノトーンがあまりにも強すぎて、単なるカラー写真との比較になってきたのでRX100M3の画像をRAWで思いっきり加工してみました。

AkineCocoさんの写真集「アニメのワンシーンのように。」をイメージしてみましたが、もちろん簡単ではありません。設定もよく知りません。全然違います。

ということで、ハイダイナミックレンジとコントラスト、彩度などをフルに使ってHDRの要素も入れこみ、お手軽に調整、ポップな感じにしてみました。

 

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キャプチャーワンで画像調整中のスクリーンショット

AdobeLightroomでもいろいろできますが、キャプチャーワンも使いやすく調整範囲が広いです。僕はもともと、キャプチャーワンを使っていたので、ライトルームには馴染めず、あまり使っていません。

 

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RICOH GR III
ISO200 , 1/500s , f/5.6 , 18.3mm(28mm), jpeg

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO125 , 1/200s , f/4 , 8.8mm(24mm), RAW , C1現像

人が多く混沌とした渋谷。コロナ禍で人が減ったのは間違いない事実ですが、それでも人出は多め。スクランブル交差点では人が行き交います。

こうした風景では、GR3のハードモノトーンで撮ることがあたりまえに思えてしまいます(個人的に)。空が黒く落ちるのが、なんともカッコ良すぎです。

RX100M3では、クールなイメージで色温度の数値を低く(青い方へ)、また彩度を下げてコントラストをアップ。明るさを上げてみました。地味な色ですが、自分の思う記憶色というか心情色を再現しようと調整しました。

 

最後は、花で比較してみた。

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RICOH GR III
ISO200 , 1/500s , f/5.6 , 18.3mm , RAW , C1現像

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SONY RX100Ⅲ(DSC-RX100M3)
ISO125 , 1/125s , f/4.5 , 25.7mm(70mm), RAW , C1現像

春が近づいています。

GR3はマクロ機能が優れていて、花ぐらいならかなり寄って撮影できます。しかし、あまりにも距離を詰めすぎると不自然なパースがついた歪んだ花になってしまうので、ほどほどの距離で周囲の環境を入れつつ撮影するのがいいのではないでしょうか。

RX100M3では70mmの望遠側を使ってパースによる歪みを無くしました。換算24mmではGR3の28mmよりもパースが強く出てしまうので。ズームを使った望遠側での撮影では接写はあまりできなくなりますが、画面に写る花の大きさを考えると十分だと思います。

 

同じ場所で撮りながら見た、2台のカメラ。

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この写真はNikon Z6II + Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50で撮っています。

GR3とRX100M3、どちらもコンパクトでポケットサイズのカメラです。

いつでも持ち歩くなら一眼レフではなく、ミラーレスでもなく、こうしたポケットに入るようなカメラだと思います。

同じ場所から撮影することによって、それぞれに性格の違いがあり、得意、不得意があるように思えましたが、撮影できないということはなく、それぞれのカメラが持つ個性で写真撮影を楽しめました。

何よりも身軽に被写体と向き合えるカメラであることが、コンパクトカメラの強みなので、大きな差というものはありません。

手に持ったとき、相性の良さそうなカメラで撮影に出かけるのが一番いいように思えました。

 

でも、ちょっとだけ贔屓しているGR3。

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高級本革のソフトケース。GC-11。

ポケットにそのまま突っ込んで持ち歩くのがGR3のスタイルだと思いますが、そこはやっぱり綺麗に使っていきたいもの。ソフトケースのGC-11を購入しました。

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作りはとても良く、高級感もある。

GR3とGR3xの両方に対応したケース。上蓋は外し易さを重視したバンドタイプ。マグネットで留めるタイプです。裏側にはベルト通し、リングも着いています。

嵩張らず、カメラバックの中で他のカメラやレンズから傷などを防いでくれます。

いつも持ち歩くからこそ、ケースに入れておきたいです。