仕事で高画素機が必要になりニコンZ7を購入。買ったからには野鳥の撮影で使わなくはもったいないといことで、マイフィールドである洗足池で野鳥撮影に持ち出してみました。
撮影は、数日おきに3日間、1日2〜4時間程度。その間で撮れた野鳥などの写真をまとめてみました。
<目次>
- 洗足池のジョウビタキ雄。
- ヒヨドリの話。
- スマートな鴨、オナガガモ。
- キンクロハジロと一羽だけのホシハジロ。
- ウグイスが出てきました。
- ゴイサギの飛翔と洗足池のゴイサギ達。
- 近すぎるジョウビタキの雌。
洗足池のジョウビタキ雄。
この冬になってよく見るジョウビタキ雄。
だいたい出てきてくれる場所は決まっていますが、必ずいるわけではありません。
ちょっとしたことで不在になるので、静かに、人側の方で距離をとるような気遣いが必要です。
また、鳥に興味のない散歩の人も普通に通る場所です。ジョウビタキがどこかへ行ってしまった場合は、次に現れるのを待つことになります。
個人的には、カメラマンを含めた見学や出待ちをしている人が多い場合は、別の場所に移動します。
蝋梅に留まったところで撮影できたジョウビタキ。
寒い中、蝋梅が咲き始めていました。メジロやヒヨドリもやってきます。
ジョウビタキは木の実なども食べるようですが、虫など動物質のものを主に食べるそうです。メジロやヒヨドリは花の蜜を吸いにくるようですが、ジョウビタキは香りを楽しんでいるのでしょうか。
ジョウビタキの顔は色が黒なので、どうしてもディテールがつぶれがち。
RAW現像で、顔の部分を明るくします。レイヤーを使って顔の部分をハイダイナミックレンジでシャドウ部分を持ち上げてあります。
ヒヨドリの話。
思いのほか近くにいたヒヨドリ。驚かさないようにレンズを向け、ズームを調整してフレーミングしました。
チャームポイントのボサボサ頭が綺麗に撮れました。
都内では、どこにでもいるヒヨドリ。天敵などいないような鳥と思っていました。
愛読書の熊谷勝著「クマさんの野鳥日誌」青菁社にはヒヨドリの海を渡るときの様子が語られています。そこでは、飛び立ったヒヨドリはハヤブサに狙われるため海上スレスレを飛び、上空からの襲撃が難しいと判断したハヤブサは真横から何度も狙っていくというもの。こういう話を読むとヒヨドリを見る目も変わります。機材の話もありつつ、野鳥の生態が語られるこの本はとても勉強になります。
スマートな鴨、オナガガモ。
他のカモ類、オオバンやカイツブリなどと違いスマートな体型が「スカしてるな」と思っていたオナガガモ。長く伸びた尾羽もカッコつけると思っていました。
しかし、それは僕が勝手に思う印象でオナガガモにとっては迷惑な話です。洗足池や他の生息地でオナガガモを観察しているうち、そういう勝手印象はよくないと思うようになり反省、そのスマートな姿を素敵に撮ろうと思ってファインダーを覗いています。
つがいになったのでしょうか。一緒に休憩をしているオナガガモ。日本には越冬のためにやってきています。繁殖期は5〜7月。その頃には繁殖地へ旅立ってしまうため、幼鳥などを見ることはできなさそうです。
キンクロハジロと一羽だけのホシハジロ。
洗足池にはキンクロハジロも沢山います。
羽繕いの合間にやる羽ばたきを撮ろうと狙っていました。羽ばたきそうなキンクロハジロを見つけフレーミング。1/1000sのシャッタースピードでは遅く、微妙にブレていました。野鳥撮影ではシャッタースピードの調整は本当に大事。速ければいいというわけではありませんが、表現をコントロールするためにシャッタースピードには常に気を配っておく必要がありますね。
キンクロハジロの群れに1羽だけいたホシハジロ。以前は洗足池に何羽もいたはずですが、今はこの個体だけのようです。どうかしたのでしょう。
ウグイスが出てきました。
ウグイスの声が聞こえていたので、ちょっと影になる場所でじーっと待っていたら出てきました。ちょっと暗かったのですが、Z7のAFはしっかりと合焦。ちゃんと写せました。
評判の悪いZ7(Z6もかな?)のAFですが、「そこまで悪いのかな〜。」と思います。確かに「ここでピント迷うのかよ!」「なぜ外す!」とかありますけどね。僕はマニュアルフォーカスのレンズもよく使うので、「いやいや、、、自分じゃもっと合わせられないでしょ」と思ってしまうので世間の判断とは違うのかもしれませんね。
ゴイサギの飛翔と洗足池のゴイサギ達。
昼間は休んでいることが多いゴイサギ。突然、鋭い鳴き声とともに数羽が飛び立ちました。思ったよりも数が多かったことに驚いたのですが、それよりもせっかくの飛翔姿に撮らないわけにはいきません。
どうせなら複数羽が絡んで飛んでいるところを、、、と思ったのですが、それほど接近して飛んだりはしないようです。
そんなゴイサギをファインダーで追いながらシャッターを切りまくりますが、バッファが溜まってシャッターが滞るという事態。Z7の弱点が露呈しました。
調べてみると、ロスレス圧縮RAW/14ビットでは連続撮影可能枚数が19コマでバッファが詰まるということです。
実際にはそれまで、一定のリズムで切れていたシャッターが、2コマごとに一呼吸おくような連写になってしまいます。このあたりは検証の必要がありますが、飛び物や動く鉄道などをメインの被写体にしている方にとっては、歯痒くなるところだと思います。
飛翔中のゴイサギのカットはDX(APS-C)サイズで撮影していましたが、被写体が小さく空抜けでもあったためにトリミングしました。(その他、トリミングした写真は撮影情報に「Tあり」と書いてあります。)
2羽で飛んでいるところはさらに角度も直しています。
この写真の中にはセンターにゴイサギが1羽。右下周辺に3羽。ゴイサギの幼鳥であるホシゴイが左に1羽写っています。成鳥のゴイサギは写真外にもいて、ホシゴイは僕が知っているところでは計2羽いるはずです。洗足池にゴイサギがこんなにいるとは思いませんでした。
近すぎるジョウビタキの雌。
不意にジョウビタキが目の前にいてびっくりです。
ジョウビタキの雌の出現ポイントもある程度わかっていたのですが、「まさかこんなところで」ということもあります。人が沢山いる時間帯で、子供が走りながらジョウビタキとカメラマンの間を走っていきます。そのときジョウビタキはちょっとだけ奥に行きますが、またすぐ元の場所に。他に数名のカメラマンのモデルになってくれていましたが、急に気分が変わったのか植栽の中に隠れてどこかへ行ってしまいました。
撮影していると隣にきた方が「なんて鳥なんですか?」と聞いてきます。
「ジョウビタキという鳥で、冬になると見られる鳥です」などと会話していました。
初対面の人と話すのはかなり苦手なのですが、こうして会話できるのも野鳥撮影をはじめてからのことです。
ジョウビタキについて参考にしているのはこの本です。ジョウビタキのほか、冬で人気のルリビタキ。尾をあげた姿が愛らしいオジロビタキについて、観察や撮影の仕方、識別方法など一歩踏み込んだことが書かれています。
2/2へ続きます。