明治神宮御苑での野鳥撮影のあと、すぐ近くにある代々木公園内にあるバードサンクチュアリに行ってみることにしました。
<目次>
- 今回のカメラ機材。
- 代々木公園のバードサンクチュアリにはカワセミがいた。
- 代々木公園内のバードサンクチュアリについて。
- 池の方に移動してみる。
- 代々木公園での野鳥観察・撮影に期待。
- 追記(再訪しました)。
今回のカメラ機材。
この日は探鳥のあと仕事があったので、コンパクトな機材を持ってきていました。
カメラはSONY α7RⅢ。レンズはTAMRON SP 500mm F/8(55B)。このレンズはレフレックスレンズなのでとてもコンパクト。マニュアルフォーカスで、F値は8固定。好みの分かれる描写ではありますが、焦点距離がフルサイズで500mmとなれば、持っていても損はないと思います。マウントアダプターはRAYQUAL(宮本製作所)のNFG-SαEを使っています。
サブカメラはRICOH GR IIIです。GR3は最近のお気に入り。換算28mmの広角とAPS-Cサイズのセンサーで濃密な写真が撮影できます。
代々木公園のバードサンクチュアリにはカワセミがいた。
バードサンクチュアリにやってきました。
写真に人は写っていませんが、それなりに人はいます。ベンチで休んでいたり、ジョギングをする人、散歩の人たちなど。よくある都市公園の風景です。
しかしちょっと見回すと、望遠レンズを構える明らかに鳥撮りのカメラマンが数人います。
もしかしてと思い、レンズの向く方を見てみると、、、。
カワセミがいる。こんな都心に。しかもダイブしてるし。
写真だけ見せたら、ここが渋谷、原宿とは思えないでしょう。
いや、知ってる人ならなんでもないことなのかもしれません。。。
嘴は黒く、雄のカワセミのようです。
上の写真とは別カットのカワセミを現像中です。
1枚目のカワセミはjpeg撮って出しのトリミングなし。フルサイズで500mmのカットでこのくらいの大きさ、距離で撮影できました。この場所でカワセミを撮るなら、それほど焦点距離が長くなくても撮影できそうです。
トリミングをしたカットには「Tあり」と撮影情報に記載しています。
カワセミを撮ったのはこのあたり。
手前には鉄製の柵があり、位置によっては植栽があります。
人は通りますが、カワセミは人馴れしているようで、こちらを気にしている様子はありませんでした。
よくみると下には細い小川が流れています。ここに食べ物なんかあるのか?と思いますがカワセミはダイブしていました。
このカットはトリミングしてみました。
今回のレンズ、タムロンSP 500mm F/8(55B)はレフレックスレンズなので、背景にリングボケが出ています。
飛び出しを狙っていたのでシャッターが1/2000sと早めです。なのでISOも高め。もう少しシャッタースピードを遅くしてISOを稼いで画質を良くしたかったですね。
このくらいのトリミングでも、よくみるとノイズ感があります。
ヤマガラもいました。
人馴れしています。あまり良いこととは思えませんが、手から餌をもらうとのことです。
野鳥に対しての悪影響も問題です。しかし手乗りのヤマガラの写真などをSNS等でみると衛生面で心配です。
鳥インフルや感染症など、野生の生物なので保有している可能性があります。そういう心配を、コロナの時代になってもっと警戒した方がいいと思うのですがどうでしょうか。。。
可愛い鳥たちをみると、ついこちらに招きたくなる気持ちはわかりますが、お互いに良いことではないと思います。
こちらの様子を伺っていたヤマガラですが、食べ物をくれないとわかると距離をとられてしまいました。
でも、これが自然なことだと思います。
スズメももちろん登場。
この他、ヒヨドリ、カラスはもちろん、シジュウカラなども見ることができました。
早朝来ることができれば、アトリ、シメ、カワラヒワなどを観察できるということです。
代々木公園内のバードサンクチュアリについて。
代々木公園の大きさからすると、すごく小さく思えるバードサンクチュアリ。しかし、お隣は明治神宮です。場所的には明治神宮御苑の近く、明治神宮内の参道を挟んでいますが南池からもそれほど離れていません。南池にはカワセミがいるので、バードサンクチュアリにカワセミが来ていてもおかしくはないですね。
原宿駅からすぐの場所で、カワセミが見られるというのも凄いことですね。
案内板が出ていたので読んでみました。
日本の都市公園としてはじめてのバードサンクチュアリ(野鳥誘致園)とのこと。
「昭和46年に、山階芳麿、古賀忠道、中西悟堂各氏のご指導により設けられた、わが国の都市公園では初めてのバードサンクチュアリです。」
という説明書きがあり、こちらの人たちを調べてみました。
山階芳麿(ヤマシナ ヨシマロ)さん
1900年7月5日〜1989年1月28日。
日本の元皇族です。旧名、芳麿王。鳥類学者。山階鳥類研究所の創設者。数々の賞を受賞していて、鳥類に貢献してきた人物です。
山階鳥類研究所は足環による鳥類の生態調査をしていることで知っていました。足環を使った調査では、渡鳥の繁殖地、越冬地や鳥の寿命、その他鳥たちの生息地の変化から、環境変化などを知ることができるそうです。
古賀忠道(コガタ タダミチ)さん
1903年12月4日〜1986年4月25日。
佐賀県出身。東京帝国大学農学部獣医学科卒。東京市公園局・上野恩賜公園動物園(現在の上野動物園)に勤務。
1937年に園長制度設立にともない「初代園長」に就任。1962年の動物園創立80年記念行事後に園長を引退しました。 法人東京動物園協会理事長、世界自然保護基金(WWF)日本委員会設立などに関わり、動物保護に全力を尽くしたそうです。
激動の時代に動物園に関わってきた人物。大戦中の動物園での悲劇など、ちょっと考えただけでも大変な時代。全ての動物のために尽力した人物だと思います。
魅力的な動物園を作ろうとしてきた。「動物園は平和なり」の言葉は、その後にさまざまな人に影響を与えています。
中西悟堂(ナカニシ ゴドウ)さん
1895年11月16日〜1984年12月11日。
野鳥研究家で歌人・詩人。僧侶でもありました。日本における野鳥の研究・保護の礎を築きました。昭和9年に設立した「日本野鳥の会」の創立者です。
昭和30年、当時の石川県知事の依頼で白山の動植物、地層などを調査。中西悟堂らの努力で白山は国定公園から国立公園に昇格しました。
幼名は富嗣(トミツグ)、悟堂は法名でした。当時は僧侶の法名が本名となります。
「野の鳥は野に」を標語に自然環境の中で鳥を愛で、保護する運動をおこしました。
「野鳥」や「探鳥」は悟堂が広めた造語だそうです。
池の方に移動してみる。
写真はカワセミがいた方向を撮影。
カワセミのいた小川の流れをあとにして、柵に沿って移動してみます。
池の前は観察しやすいように開けています。タイルが敷いてあり、ベンチも設置してあります。ぱっと見では何もいませんでしたが、タイミングによっては野鳥を見ることができそう。
こちら側にもヤマガラがいました。
近くに隠れていて、人が来ると様子を伺いにやってくるようです。
ヤマガラは大好きな鳥です。愛嬌のある顔や仕草は見ていて飽きません。身近で素敵な鳥をもっとたくさん撮っていきたいですね。
池の中央の陸地の木の枝まではそれなりに距離がありそうです。仮に鳥がやってきても、長めの望遠レンズが必要でしょう。
ツグミが池の手前の石の上にやってきました。
越冬するために日本にやってくるツグミ。過去、日本では冬場の貴重なタンパク源で食用になるツグミはカスミ網による狩猟の対象となっていました。しかし現在では乱獲につながるカスミ網の使用は全面禁止。ツグミは非狩猟鳥獣で、狩猟することは禁止されています。
こうした野鳥を守るための法規制の整備には、中西悟堂が創設した日本野鳥の会による徹底した調査など、さまざまな活動がいかされているそうです。
代々木公園での野鳥観察・撮影に期待。
休日の代々木公園は人が多く騒がしいので、個人的にはあまり行きたくなかった場所です。
しかし、バードサンクチュアリに行ってみると、カワセミやヤマガラ、ツグミなどを撮影できたほか、多くの野鳥、そして冬鳥が生息していそうだと思えました。
あらためて調べてみると早朝が野鳥観察には良いようです。
ちなみに代々木公園は24時間出入りができます。しかし、門などの横には午前5時〜午後5時までと書かれた看板があります。おそらくは広い園内では暗く、人目につかない場所もあり危険な場合もあるからだと思います。
深夜など特に用がない場合の入園は控えたほうがいいでしょう。
野鳥観察に訪れるなら、夜明けのあと、朝5時くらいを目安にしておくのがいいようです。
追記(再訪しました)。
梅雨も終わりそうな、夏日になった6月25日にカワセミはいるかなと思い、再び行ってみました。
残念ながら、新緑の勢いの良さで視界が遮られています。そのため、バードサンクチュアリの中はほとんど見ることができません。カワセミの鳴き声も聞こえたような気もしますが、断定はできず。他にはたくさんの野鳥の声は聞こえていました。
剪定作業などは定期的に行われているようなので、また時期をみて再訪したいと思います。