Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50。ニコンFマウント用のZF.2です。
マクロプラナーは最大撮影倍率が0.5倍のハーフマクロ。普通の50mmレンズでありがちな、あと少し寄れればいいのに、ということがありません。
引きの風景をスナップしたら、そのまま小さな花にも寄っていける。自由な50mmレンズだと思います。
Nikon Z6IIにCarl Zeiss Makro-Planar T* 2/50をつけてスナップした写真を並べます。
不思議の国にでもありそうな滑り台の塔。公園の遊具ですが、たまにこういった面白いものを見つけることがあるので、知らない公園へ探検に行きたくなります。
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開放絞りで撮影。
開放絞りのf/2から安定した描写です。
外からの光で窓枠が滲んでいるようで美しく思います。
光量が少ないところでも、開放絞り値のf/2は明るくて安心です。さらにZ6Ⅱとの組み合わせでは、手ぶれ補正もあるので室内の撮影でも問題ありません。
Zeissのリアルな描写は、被写体によっては生々しさが強くて、少し怖く感じる時もあるほどです。
Zeissのレンズは、コントラストと解像力のバランスが絶妙であると聞いたことがあるのですが、使い込むほどにそれが分かるようになってきます。
ハイライトからシャドー部までを滑らかなグラデーションで描くので、狙う被写体もそうした光を含んだ光景を選ぶようになっていきます。
花と光と雰囲気を。
一部を照らす光を狙えば、印象的に風景を捉えることができます。記録的というより記憶的。自分の目で感じとった情緒あるリアルな風景を写真として再現してくれます。
シュウカイドウは江戸時代に中国から渡来した帰化植物。戸外で冬越しできるので鉢植えが実家の庭にもありました。時折り野生化しているようなものを見かけます。
日陰の柔らかい光がある場所で見つけました。絞りをf/5.6にして撮影。繊細な花を写し取ることができました。
「空気感」なんて曖昧な表現が写真用語にはありますが、Zeissのレンズを説明するときはそんな言葉がついつい並んでしまいます。文章を読むときに使われる、「行間を読む」なども同じようなものなのかもしれません。Zeissのレンズで撮ると、写真の中にある空間(=行間)に、その意味を汲み取ろうとする心情が揺り動かされるように思います。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50はマクロでも遠景でも気にせずに撮影できて、その描写はシャープでありながらボケは柔らかく滑らか。淡々と仕事をこなしてくれる、そんなレンズです。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF.2のスペック。
- 開放f値 : f/2-f/22
- 絞り羽枚数 : 9枚
- フィルター径 : 67㎜
- 最短撮影距離: 0,24m
- 撮影倍率: 1/2倍
- 最大径×長さ : 72mm×64mm
- 重さ : 510g
現行モデルはMilvusの2/50Mというモデルになります。