コシナ フォクトレンダーのCOLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIs 。ニコンFマウント用の広角単焦点、マニュアルフォーカスのレンズです。CPU内蔵のニコンAi-S マウントで、FTZを使ってZマウントボディでも使うことができます。
昭和40年代のニコンレンズのデザインをオマージュしているとのことですが、懐かしくも新しいものに感じます。それは、ピントリングに施されたローレットや色付けされた絞り値、フィートとメートルの距離指標が、今では新鮮なものに思えるから。個人的にはこのくらいの大きさの持つ、凝縮された機能美が所有欲を駆り立てられます。
<目次>
- COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIs
- D810に装着。
- D500に装着。
- 最短撮影距離は大事だと思います。
- フィルターと専用フード。
- Z7に装着してみた。
- まとめ。
COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIs
コシナ フォクトレンダーのニコンFマウント用単焦点レンズです。
フルサイズで28mmの広角、DX(APS-C)では換算42mmの標準レンズの画角になる、使い勝手のよい焦点距離のレンズになります。
絞りは開放でF2.8ですが、最短撮影距離が15cmとかなりの接写性能。全長32.8mm、重量205gと軽量コンパクトで持ち出しやすいサイズとなっています。
スナップ撮影にはとても使いやすい焦点距離で便利なレンズです。カフェなどでのテーブルフォトでは席を立たずに撮影でき、小さくコンパクトなレンズなので、不必要に目立ちません。
CPU内蔵のニコンAi-Sマウントなので、所有するFマウントボディ、D810、D500、ではフォーカスエイドを利用してのピント合わせができ、EXIF情報も記録できます。またFTZを使えばZマウントボディでもFマウント同様に使えますし、ボディ内手ぶれ補正も使用できるのでより様々なシチュエーションの撮影にも対応できます。
とくにEXIFによる撮影時の絞り値を記録してくれるのはありがたいですね。撮った写真を見返したときに、そのレンズの好みの絞り値がわかるようになります。
COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsは専用のフードも用意されているので同時に手に入れました。レンズのフィルター径は52mmですが、フード装着時用にキャップが付属していて、こちらは58mm径です。
D810に装着。
長年使用しているD810に取り付けてみました。
塊感があって良いスタイルだと思います。レンズを付けっぱなしでもカメラバックにしまいやすく常用レンズにしたいですね。
懐かしい感じもしますが古さは感じないと思います。フィルムカメラに取り付けた時とは違う一体感。こういう感じも好き。
なで肩のD810は可愛げもあって愛着のあるボディデザイン。COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsの主張し過ぎないルックスとの相性もよく、手に取りたくなるスタイルです。
D500に装着。
ニコンDX(APS-C)サイズのフラッグシップ機D500にCOLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsを装着。
D500の場合、軍艦部の盛り上がりがD810ほどではなく、液晶のある肩部分も水平でフラットなデザイン。フルサイズカメラと比べると小柄な(DXサイズのカメラとしては大きい)ので、COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsの存在感が増して見えます。
D810との組み合わせよりも小さく、軍艦部もフラットな形状になるので収納性は良くなります。
レンズよりもボディの厚さが気になりますね。
COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsの全長は32.8mm。フードをつけているのでもう少し長くなります。
個人的には背面のモニターは固定式でいいので、少しでも薄くしてほしいところです。
一眼レフはファインダーを使って撮影するので、そこまでモニターに利便性を求めなくてもいいのではないかと思います。
D500との組み合わせでは、換算42mmの標準レンズといえる焦点距離になります。
最近では、このD500にCOLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsを装着した標準の画角に、リコーGR3の広角という組み合わせで撮影に出かけることが多くなりました。
この2台ならカメラバックに余裕で収まり、リュックへ無造作に入れて持ち歩くこともできます(クッションを敷いたりタオルなどで包むくらいはします)。
COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsと迷ったのは、ニコン純正のAi Nikkor 28mm F2Sです。新宿の中古店で見つけて悩みました。最短撮影距離は25cmで十分に寄れます。絞り開放値がF2とCOLOR-SKOPAR 28mmよりも1段明るい。暗いところでも使いやすいですし、より大きくボケることになります。店頭で試し撮りさせていただき、数分間悩みました。外見も綺麗だし、光学系もスカッと綺麗。しかし、ヘリコイドがスカスカ。グリスが切れているようです。
中古レンズとしては十分に良品だと思いましたが、マニュアルフォーカスのレンズなので、ここはどうしても気になってしまいました。
違う店舗でCOLOR-SKOPAR 28mmを試してみると、開放F値が2.8なのに、ピントが合わせやすい。ファインダーに映る像の輪郭がつかみやすいのです。店内の照明の違いもあると思いますが、老眼のすすんだ目には大きな問題で、これには驚かされました。それにEXIF情報が残せること、レンズの質感がCOLOR-SKOPAR 28mmの方が好みであること、新品で安心できるとのことから結局、Ai Nikkor 28mm F2Sはやめておきました(今でも気になっていますが)。
COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsにはとても満足しています。サードパーティ製とは思えないレンズで、復刻リニューアル版といった感じもします。所有欲も満たされ、使い勝手も良好、描写にも満足。2021年10月20日発売で、情報が少なく心配しましたが、コシナ フォクトレンダーのブランド銘は伊達ではなかったですね。散歩や通勤、スナップ撮影などに持ち出しています。
最短撮影距離は大事だと思います。
最短撮影距離が15cmです。寄れなくて困ったことはありません。
フルサイズの使用でもDX(APS-C)の使用でも、また被写体別では草花の撮影でも、カフェやレストランのテーブルフォトでも、寄れなくて困ったことはありません。
D3s、Df(以前所有)でAi Nikkor 35mm F1.4Sを常用していたときは、接写リングをいつもバックに入れてセットで持ち歩いていました。登山のときのことです。山に咲く花などを撮影するときに、よく接写リングを使っていました。最短撮影距離が30cmだと、高山に咲く山野草は小さなものが多く寄りきれません。周囲の状況を入れて撮影したりもしますが、やっぱり物足りない。個人の好みではありますが、最短撮影距離が短いことは大事なんだと思えたんですね。
登山もそうですが、散歩やスナップに出かけるときはレンズ1本で付けっぱなしがいい。なので50mm〜28mmくらいのレンズを選ぶことが多く、その中でも寄れるというのは、けっこう重要視することの一つだったりするわけです。
ニコンのマニュアルレンズといえば「カニ爪」。AI方式のレンズに装着されている「露出計連動爪」です。
CPU内蔵のレンズなので、絞りを最小絞りにセットしないと「F EE」というエラー表示になり、シャッターが切れなくなります。最小絞りでロックする機能がないので不意に動いてしまい、シャッターが切れなくて焦ることがありました。
最小絞りでのカニ爪の位置はカメラに向かって左回転で10時くらいの位置。ボディ側から絞り値を操作します。
またボディにもよりますが、絞り環の操作で撮影する場合は、カスタムメニュー内の「コマンドダイヤルの設定」から(f操作)「絞り値の設定方法」で「絞りリング」を選ぶと、レンズの絞りリングを使って撮影できるようになります。(D500、D810で確認済み。Z6Ⅱ、Z7ではできないようです。)
フィルターと専用フード。
レンズ保護用にニコン純正のL37cフィルターを装着しました。しばらく使っていない手持ちのフィルターから、雰囲気重視で選びました。
L37cは無色で「c」はマルチコートの意味だったハズ。紫外線をカットするUVフィルターと呼ばれるもので、以前は保護フィルターとして一般によく利用されていました。紫外線カットの効果は、現在のレンズではレンズのコーティングの進化から不必要だと思われます。
フィルターの上から、コシナ純正のフードLH-28ⅡSを装着しました。フルサイズ使用でもケラレはありません。
保護フィルターはない方がカッコいいのかもしれませんが、僕の場合は昔から保護フィルター装着派だったので、違和感ありません。むしろこのスタイルがスタンダード。レンズ性能を語る上では、保護フィルターは無い方がいいのですが、いろいろ経験したきたので必要だと思ってしまいます。
フィルターとフードを装着して上から見たところ。首から下げたときに見えるカメラとレンズの印象って大事ですよね。
Z7に装着してみた。
手持ちのZボディはZ7とZ6Ⅱ。試しにZ7にCOLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsを装着してみました。
Zマウントボディに取り付ける場合はマウントアダプターを間に挟む必要があります。三脚座のない新型が出ましたが、手持ちは旧FTZ。やはり三脚座があるせいでレンズ側が持ち上がってしまいます。バランスが悪いですね。
FTZがあるせいで、間延びした印象です。なんかカッコ悪い。。。
レンズ部分が飛び出してしまうせいで収納性も悪くなります。実際にはZマウントに装着したときの方がカメラバック内に余裕ができるのですが、ところどころ引っかかる。カニ爪もその部分だけが飛び出しているので、周りにキズをつけてしまわないか心配です。
Zマウントボディに装着した時のメリットはやはり手ブレ補正が使えること。28mmの広角とはいえ、高画素機による描写はわずかな手ブレでも写真に影響を与えます。手持ち撮影で使用できるシャッタースピードが広がるのは、一眼レフではできなかったことなので、受ける恩恵は大きく感じます。
COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsは、開放絞り値がF2.8ではありますが、キレがいいのでファインダーで見ても十分にピント合わせがしやすいです。
それでも、Zマウントの使用で嬉しいのは、フォーカスポイントを拡大表示できること。安心感が違います。老眼っておそろしいものです。
三脚を使った撮影はもちろんですが、手持ちのスナップ撮影でもピント位置を確認できるには嬉しいです。
まとめ。
撮影する行為自体を楽しむことができるマニュアルフォーカスのレンズ。
コシナ フォクトレンダーのCOLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIsのようなレンズこそ、楽しんで使っていきたいものです。
コシナのHPはこちら。