リコーGR3ではモノクロ写真をよく撮ります。GR3のモノクロが秀逸だということも理由のひとつです。撮って出しでも十分に気に入ったモノクロ写真になる。自然に手が伸びるカメラです。
<目次>
色をなくす。
墨がかったように見えた枯れ枝に惹きつけられたので、モノクロで撮影しました。
もともとの風景も、ちょっと寂れた雰囲気。それが、どうも色があると何かを突きつけてくるような感じがして、・・・ちょっと強すぎたんですね。
色を無くした方が被写体との距離感がでて、何かを想像させるような、落ち着いて見られるようになった気がします。
多摩川の土手。
買い物の前にちょっと足を伸ばして散歩する多摩川の土手。
土手に座ってのんびりするような時間はないけれど、それでも川沿いを歩くとちょっと気持ちの整理がつきます。
リアルな色がある世界から、色のない整理された世界。
写真は引き算と教わりましたので、色も引き算しています。
明治神宮の森を歩く。
ここもよく散歩します。・・・散歩というよりも寄り道してしまいますね。
メインの参道をはずれて歩くと人も少なくて、差し込んでくる光に照らされた木々がとても素敵に輝くのを見ることができます。
若いスタジオスタッフと話をしました。
今では写真学校での動画撮影は必須の科目だそうですが、フィルム現像やプリントなどの暗室作業はやったことがないというのです。
彼によれば、暗室作業などは選択科目になっているとのこと。しかし、それを専攻するのは正直なところ、少数の生徒のみとのことでした。
動画も十分にクリエイティブだと思いますが、「写真」ならモノクロームの魅力も伝えてほしいと思うのは老婆心なんでしょうね。
想像するモノクローム。
僕はモノクロームで撮影するという行為は、撮影者の精神性をあらわす表現手段だと思っています。
目で見たものとは違う世界を想像するモノクロームという表現。
モノクロには自分の内面を整理する、デッサンのような力があると思っています。