コシナ、フォクトレンダーのカラスコ28mm f2.8(COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIs)をニコンのDX(APS-C)機であるD500で使ってみました。この組み合わせで撮影した写真を作例としてレビューしています。
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<目次>
渋谷でスナップ写真をちょっと撮る。
渋谷駅、山手線のホーム端から原宿方向を撮影しています。
f/8なので、描写の一番良い絞り値だと思います(f/11も同様)。ほぼパンフォーカスになっています。
渋谷のスクランブル交差点を、109方向にむいて撮影。
渋谷といえばここ。
フルサイズと比較すると、コンパクトな一眼レフのD500。カラスコ28mm f2.8も小さめのレンズなので、周囲の目を気にしないで撮れました。手持ち撮影です。
人混みを避けて、路地に入ります。
BMXの自転車が渋谷っぽい?
渋谷は個性の強い若者が多く、さまざまな自転車を見かけます。
最近では電動キックボードなどもよく目にしますね。
NX-Studioで調整する。
NX-Studioでは明るさとコントラストを調整しています。
ほとんど最短撮影距離で撮影。
最短撮影距離は0.15m。寄れるのはいいのですが、この「小ささ」「近さ」になるとピントを合わせるのが一苦労。手持ち撮影では、何枚も撮影した中からピントがあっているカットを選ぶようになります。
NX-Studioで調整した花の写真。
撮って出しのjpegはスタンダードでしたが、なんかイメージと違う。
そう思ってNX-Studioで調整してみました。
下に元のスタンダードの画像も貼っておきます。
NX-Studioでは、ピクチャーコントロールを撮影したボディに関係なく、最新のものが使えます。
その中からクリエイティブピクチャーコントロールの「ピュア」を選択。
明るさを-20。コントラストを5に調整して書き出し、ブログ用にリサイズしました。
NX-Studioのピクチャーコントロールの選択項目では、それぞれの適用度などのパラメータも用意され、元の画像に対しての効き具合なども調整できます。これらの設定はカメラ内でも可能ですが、D500などの古い機種では設定できないものもあり、NX-Studioを使うことによりそれらが可能になります。
ナチャラルな感じで、ボケが続いていきます。
この画像のもともとの設定はモノクローム。ピクチャーコントロールをニュートラルに変更。明るさなどを少し調整してみました。
ニュートラルはニコンのHPによると、「被写体の色味を忠実に再現する、素材性を重視した自然な画像」とのこと。記憶色のような思い込みが影響するものとは違い、「忠実に再現」を基本としているモードです。
こちらも同様にもとの設定はモノクローム。NX-Studioでスタンダードに変更しています。
下に元のモノクロームの画像を貼ってみます。
モノクロームで撮影することが多いのは、写真学校時代の名残です。写真を勉強したのはだいぶ前のことですが、モノクロフィルムに50mmの標準レンズというのが基本だと教え込まれました。
レンズについては土門拳の影響で35mmを使うようになりましが、フィルムはモノクロを長く使っていました。その後、周囲の仲間はカラーネガで撮影、CP-31という自動現像機を使って作品を作るものもいましたが、しばらくはモノクロのまま撮影を続けていました。
夕日の中で撮影。
f/2.8の開放絞りでも、無限遠付近になれば十分にシャープな画像になります。
夕日の色を強く出したかったので、ピクチャーコントロールを風景に変更、色温度を5500Kから6800Kに変更しました。そのほかコントラストなども少し調整。
しばらくの間、カラスコ28mm f2.8を集中的に使ってきましたが、とてもいいレンズだなと思います。じんわりくるタイプのレンズです。
このカットも、f/2.8の開放絞り。大口径のレンズに比べればそれほどシビアになる必要はありませんが、やっぱりピントが合っていないとモヤモヤしてしまいますね。
僕は、老眼が酷くピント合わせに自信が持てないので、D500のフォーカスエイドを利用してピント合わせしています。
D500はDXサイズのセンサーにD5と同等のAFセンサーを搭載。そのおかげで、画面の左右いっぱいまでAFエリアが広がっています。ピントを合わせたい場所が画面の端にあってもフォーカスエイド機能を使うことができるはとても便利です。
この写真では中央右の花にピントを合わせていますが、もっとギリギリまで端に寄せてもフォーカスエイド機能を使うことができます。
所有欲も満たすコシナのレンズ。
カラスコ28mm f2.8(COLOR-SKOPAR 28mm F2.8 Aspherical SL IIs)はカラーバリエーションとして「ブラックリム」と「シルバーリム」の2タイプが用意されています。
それぞれ「先黒」「先白」などと言われているようですが、個人的に好みのブラックリムを選びました。シルバーリムはちょっとクラシックすぎる印象があります。
使っていると、懐かしいスタイルのレンズに写真をはじめたころを思い出してしまいます。
そう、コシナの戦略にまんまとハマりました。
2015年発売の本ですが、なかなか濃い内容の本です。
日本のモノづくりを象徴する会社、コシナ。
レンズづくりの哲学がわかります。