デジタル一眼レフカメラPENTAX K-1 MarkⅡを購入しました。レンズは単焦点のHD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limited。まずは使いやすい焦点距離で、評判の良いLimitedレンズを選んでいます。PENTAXのデジカメははじめてですが、マニュアルもたいして読まずに撮影してみました。
<目次>
- PENTAX K-1 Mark IIというカメラについて。
- PENTAX K-1 MarkⅡの仕様。
- HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedを同時購入。
- PENTAXのデジタル一眼レフを今、購入した理由。
- ファーストインプレンションと作例的なもの。
- PENTAX K-1 MarkⅡのモノクロを使ってみる。
- レンズをつけた重さを実測してみた。
- 使い込んでいきたいPENTAX K-1 MarkⅡ。
PENTAX K-1 Mark IIというカメラについて。
PENTAX K-1 Mark IIの発売は2018年。ベースとなったK-1は2016年の発売という息の長いモデル。Mark IIになってからでも4年が経過しています。同時期に発売されたカメラは、ニコンではD810の発売が2014年で、D850が2017年です。SONYではα7RⅢが2017年の発売となります。
ニコンのD810は画素数もほぼ同じで、使われているセンサーも同じものだと思われます。
D810を長く使ってきたので経験上、この3640万画素センサーが解像度とダイナミックレンジのバランスが取れた扱いやすものだと思っていて、とても好感を持っています。
K-1 Mark IIはK-1のマイナーチェンジモデルになります。外見の違いはほとんどなく、サイズや重量も同じ。また使われているセンサーも3640万画素のフルサイズCOMSセンサーで同じです。
違いとしてはアクセラレーターユニットを装備して画像処理能力を向上、動体追従アルゴリズムを改良してAF-Cの動体予測性能が向上しているそうです。
そのほか多少の違いはあるにせよ、K-1 Mark IIとK-1の基本性能に大きな違いはなさそうです。
他メーカーがミラーレスにシフトし、新システムで性能を向上させている現在では、いまさら感のあるカメラと言っても仕方のないことかもしれません。
PENTAX K-1 MarkⅡの仕様。
個人的に気にしているスペックを書き出してみました。
- 発売日 2018年4月20日
- フルサイズ Kマウント 3640万画素
- ボディ内手ぶれ補正あり
- ダブルスロットのSDカード
- 視野率 約100%
- 質量 約1010g(バッテリー、SDカードを含む)
- 連写(フルサイズ時)4.4コマ/秒
- 測距輝度範囲 -3〜18
- シャッタースピード 1/8000〜30秒
- 防塵、防滴構造、マイナス10℃
- WiFi、GPS装備
このほか、風景写真で役立つと思われるリアルレゾリューションシステムや、星の撮影で天体追尾が可能なアストロトレーサーなどがあります。
何よりも嬉しいのはボディ内に手ぶれ補正が装備されていること。
同じ一眼レフ機のD810ではボディ内手ぶれ補正は装備されておらず、手ぶれ補正機能のない単焦点レンズでは手持ち撮影で不安になることもありました。
HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedを同時購入。
ボディと一緒に購入したレンズはHD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedです。
2021年に発売された新しいモデルになります。
このレンズは、先代のsmc PENTAX-FA 31mmF1.8AL Limitedから、レンズのコーティングを変更、円形絞りを採用して、現代的にリニューアルしたもの。
絞りの形状は開放からF3.5までは絞りが円形(カタログ記載では、F1.8-F3.5が円形絞り)、その後は少し角が出てくるように思えます。
フィルター径は58mm。最短撮影距離は0.3m 、重量341g。
31mmはあまりみない焦点距離ですが、所有するニコンのNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sでは、テレ側がちょうどこの焦点距離(1mm違い)で使いやすい印象です。
描写的なこと、デジタル用にリニューアルされたことなど欲しくなる理由はいろいろありましたが、なにより所有欲が満たされるカッコいい外見が購入の決め手でした。
PENTAXのデジタル一眼レフを今、購入した理由。
過去にPENTAX 6×7、PENTAX 67Ⅱと中判フィルムカメラを使っていたこともあり、ペンタックスのカメラには馴染みがありました。とくに67では、45mm、55mm、90mmのレンズは愛用しており、旅の写真などにはよく使っていたものです。
PENTAX K-1 MarkⅡを見ていると6×7、67Ⅱを思い出します。個人的にはその佇まいが似ているように感じてしまうのです(冷静に見ると実際は似ていないと思う)。
K-1 MarkⅡを漠然といつか使ってみたいと思っていたところ、ニコンの一眼レフ撤退報道とその否定、リコーイメージングHPにあるこれからのブランド姿勢を見て、「あー、今
使っておかないと後悔するな」と感じました。
今はもう、一眼レフ機の市場は衰退していく一方です。そんな中、使ってみたいと思うカメラがあるのなら多少無理をしてでも、手元に置いて撮影に使ってみるべきと判断しました。
リコーイメージングHPでは、「“工房的”ものづくりを実現する」と謳われていますが、これが今後どのように展開されるかは分かりません。ですが、少なくともこの斜陽していく分野に特化すると宣言したリコーのペンタックスブランドを応援して、使っていこうと思い、K-1 MarkⅡを購入してみました。
リコーイメージングは生まれ変わります
~ "デジタル"手法を駆使してお客様とダイレクトにつながり、
"工房的"ものづくりによって、未来に価値あるブランドへ~
(出典:リコーイメージングHPより)
ファーストインプレンションと作例的なもの。
購入したらとにかく撮ってみたくなるもの。
はじめにやった設定は、レンズの周辺光量補正をオフにすること。これは個人的な好みです。それ以外は、初期設定のまま。
ということで、よくわからないまま撮影した夕日です。
測光モードの違いや癖とかはよくわからないので、明るさを変えつつたくさん撮影した中の1枚。f/9まで絞っているのでシャープで繊細な描写。実際の景色はもう少しアンバーで夕日らしい色でしたが、撮って出しはクールな色味です。PEF画像を確認するとシャドー部、ハイライト部共に十分に調整できるキャパもあります。現像ソフトのCaptureOneではペンタックスのRAWデータであるPEFも直接調整できるので、好みの色に調整することもできます。(純正のDigital Camera Utility 5はまだ試していません。)
この記事内の作例写真はすべてjpeg撮って出し。ブログ掲載用にリサイズのみしています。
霧の雰囲気や草や木の葉の色がとてもいい感じに描写されました。
誇張しすぎない31mmの焦点距離、ハイライトからシャドーまでのグラデーションのつながりがともて素敵です。
カスタムイメージはナチュラルに設定しています。
近距離で開放絞りでは柔らかい描写。収差が影響しているようです。とはいえピントがきているところはしっかり解像しています。背景は雰囲気よくボケているので満足です。この写真ではAF-Sを使い、花は風に揺れている状態でした。狙ったピント位置とは少し違うものの、よほど拡大しなければ問題のないレベル。AF-Cに切り替えるべきでした。
PENTAX K-1 MarkⅡのモノクロを使ってみる。
モノクロームを試したくなったので設定を変えようとしたのですが、「あれれ・・・」となってしまい、カスタムイメージではなく、デジタルフィルターでハードモノクロームを選んで撮影したカット。
嫌味のない素直な描写するなと思ったカット。もっとクセがあってもいいかと思いましたが長く定番として使うならこういう自然な描写のレンズの方がいいと思います。
近距離でのAFでも問題なく合焦しますが、ちょっと音が気になる。静かな森の中だとMFに切り替えて撮影してもいいかも。でもまあ、慣れれば気にならないと思います。
拡大すると緻密に木々の枝が描写されていました。
3640万画素もあればA3ノビへの印刷も余裕です。A3ノビへのプリントでは必要解像度は1200万画素〜1600万画素。K-1 MarkⅡはAPS-Cサイズにクロップ撮影しても、1536万画素と十分な画素数を得られるので、トリミングやAPS-C用レンズを使用しても問題ないでしょう。それに、あまりに多い画素数はハンドリングが悪くなり、ハードディスクの容量も圧迫します。
今ではもう3640万画素という数値はとくに驚くことではありませんが、必要にして十分な画素数だと思います。
A3ノビサイズのプリントに必要な画素数の参考にしたURL
- カメラのキタムラ https://support.kitamura.jp/s/article/40
- エプソンよくある質問 https://faq2.epson.jp/web/Detail.aspx?id=1217
レンズをつけた重さを実測してみた。
レンズをつけた重さを実測してみました。
SDカードやバッテリー、ストラップ、そしてHD PENTAX-FA 31mmF1.8 LimitedをK-1 MarkⅡに装備した撮影時の重さを実測してみました。
撮影状態の実測値 1404g。
約1.4kgと軽いとは言えない数値。でも、半日持ち歩いてもそれほど苦ではありませんでした。しっかりと握り込めるグリップや覗いていて楽しいファインダー。触れているだけで満足感を得られるレンズ。そうした充実感がこのカメラにはあると思います。
まぁ、たしかにミラーレスカメラに軽い単焦点レンズの組み合わせに比べれば、重いですよね。
使い込んでいきたいPENTAX K-1 MarkⅡ。
ペンタックスのデジタルを使いはじめたばかりですが、とても楽しい。
スペック的にはもう大したことはないカメラなのに、そのスタイルや持った時の感触がじんわりとその良さを伝えてきます。そして無性にシャッターを切りたくなる。こういう感覚はソニー機やニコンのデジタル機にはあまり感じなかったものだと思います。そのフィーリングの良さが、美しい写真を撮りたい、魅力的な被写体に巡り合いたいと写欲を掻き立てる、心を惹きつけるカメラのような気がします。これは、リアルな世界をファインダーを通して捉えていく一眼レフへのペンタックスのこだわりが、撮影する者に伝わってくるからなのかもしれません。
たくさん写真を撮っていきたい、K-1 MarkⅡを見ているとそう思ました。