PENTAXのカメラで望遠レンズを選ぼうとすると選択肢はあまりありません。悩んでいたところ、手持ちのレフレックスレンズTAMRON SP 500mm F/8のマウント部分、アダプトールマウントを交換してPENTAXのKマウントに変更できることがわかりました。使ったのはK&F Conceptのマウントアダプター KF-TRK。先日訪れた武蔵丘陵森林公園で試してみました。
<目次>
- 焦点工房のK&F Concept レンズマウントアダプター KF-TRKを使ってみた。
- K-1 MarkⅡと500mmのレフレックスレンズで撮る野鳥。
- 武蔵丘陵森林公園では花が綺麗に咲いていました。
- K&F Conceptマウントアダプター KF-TRKを使ってみて。
焦点工房のK&F Concept レンズマウントアダプター KF-TRKを使ってみた。
タムロンのアダプトールマウントのレンズは、マウント部分を対応するカメラボディ用に交換することによって、1本のレンズで様々なボディに装着できるように作られています。所有しているレフレックスレンズのTAMRON SP 500mm F/8(55B)はこのアダプトール2マウントのレンズ。マウント部分はニコンFマウント用になっていたので、焦点工房が扱っているK&F Concept レンズマウントアダプター KF-TRKを購入。アダプトールマウント部分とKF-TRK を交換して、PENTAX K-1 MarkⅡにTAMRON SP 500mm F/8(55B)を取り付けることができました。
TAMRON SP 500mm F/8(55B)は最短撮影距離が1.7m、最大撮影倍率は1:3。被写体からはかなり離れますが、ファインダーでは思ったよりも大きく写されます。
K-1 MarkⅡの重いボディと、やや太めのピントリングを調整してピント合わせをしていますが、マウントアダプターKF-TRKはレンズ、ボディともにしっかりと結合。マウントにガタつきなどはありません。
上のK-1 MarkⅡとSP 500mm F/8の写真の背景は水性植物の池。こちらでは、年によってカワセミが現れるということですが、葉で水面が覆われておりカワセミが魚を捕まえるのは難しい状態でした。水中を覗くと小魚はチラチラと確認できました。白い花のトチカガミが咲いていました。時期が変われば、カワセミは来るのかもしれません。
K-1 MarkⅡと500mmのレフレックスレンズで撮る野鳥。
上空をゆったりと旋回していた猛禽が高度を下げてきたので、見上げて撮影しました。翼の先が5つに分かれており、お腹の色と茶色い模様からノスリだと思います。
ほぼ真上にカメラを向け、逆光ぎみのピント合わせだったのでピンボケしてしまいました。前ピンです。修行が足りません。MF難しい・・・。
カワウがいました。距離があったのでフルサイズ、500mmではそれほど大きく写せません。しかし、ペンタックスの現行のレンズラインナップでもっとも長い焦点距離のレンズは、HD DFA 150-450mm。販売終了製品に560mmf5.6もありますが、こちらはやたらと細長く、手持ち撮影はかなり難しそうな形状です。APS-Cのボディを使ったとしても、やっぱり500mm以上は欲しいところです。
木の葉の奥にメジロがいました。動くし、暗いし、MFだし、jpegではもやっとしてるし。。。
TAMRON SP 500mm F/8(55B)はレフレックスレンズなので小型軽量なレンズ。手持ち撮影もしやすいのですが、f/8固定のマニュアルフォーカスのレンズ。ミラーレスとは違い実像を見る光学ファインダーでは拡大によってピントを追い込めないので、なかなか辛いものがあります。ライブビューを使っての撮影も可能ですが、明るいところでは背面のモニターが見づらくて、結局ファインダーを凝視してピント合わせをしていました。歩留まりは良くないと思います。
K&F Concept レンズマウントアダプター KF-TRKは、電気接点も機械的な連動する機構もない、いうなれば「ただの輪っか」です。取り付けるレンズのSP 500mm F/8の絞りは固定。マニュアルフォーカスなのでそれで特に問題はありません。
マウントアダプターとして求められる、レンズ側、ボディ側マウント部の工作精度は高く、信頼して使うことができます。
*アダプトールマウントには絞りが可変する通常タイプのレンズももちろんたくさんあります。
武蔵丘陵森林公園では花が綺麗に咲いていました。
ISOを10000にしてみました。シャッターが最速の1/8000sです。SP 500mm F/8は絞りがf8の固定絞りです。ピントを合わせた部分以外は前後ともに十分にボケています。
こちらの写真はjpegの撮って出し。この記事内のjpeg画像は全て撮って出し。そのほかRAW、jpegともにブログ掲載用にファイルサイズをリサイズしています。画像のトリミングはしていません。
シクラメンの原種だそうです。
マニュアルフォーカスなので、ピント合わせが難しいです。風が吹いて揺れてしまう場合、AF-Cを使えばカメラがフォーカスを合わせ続けてくれますがマニュアルではそれも難しいです。三脚を使うのが難しい状況であっても、じっくりと被写体と向き合い、風がやむ瞬間を待つことになります。
リコリスの花をアップで撮影してみました。このリコリスは、スプレンゲリアもしくはスプレンゲリーと呼ばれる種類。中国原産のリコリスの原種のひとつだそうです。
リコリスは日本ではヒガンバナと呼ばれるメジャーな花。この花はラッパ状に咲く花ですが、葉もなくスッと地面から伸びる茎は、よく見るヒガンバナと同じでした。
続いてアップで撮影した花。名称がわからず。いろいろ調べたのですが、オオハンゴウソウかルドベキアヒルタあたりかと思います。背景のボケが、太い筆でなぐり書きしたような感じになっています。好みが分かれるところ。個人的にはたまにこういう写真があるのは面白いと思っています。
こちらのきのこは、HD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedでも撮影しています。HDFA31mmのときは背面のモニターを使って低い位置から撮影していますが、こちらは離れた位置から少し屈んで撮影。広角のレンズで撮影するのも面白い表現ができていいのですが、SP 500mm F/8 のような望遠レンズのマクロ域で撮影するのもまた違った写真になるので試してみるのはいい勉強になります。
武蔵丘陵森林公園ではHD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedをメインに撮影しています。途中、気分転換にSP 500mm F/8を使ったりしましたが、極端に焦点距離の違うレンズを組み合わせて撮影するのも楽しいものです。
K&F Conceptマウントアダプター KF-TRKを使ってみて。
帰り際にカワウが羽を広げていました。背中から翼まで光が当たって綺麗です。野鳥を撮るには500mmでは物足りない焦点距離ですがK-1 MarkⅡならAPS-Cサイズにクロップ撮影してもいいですし、K-3 MarkⅢのような新しいAPS-Cボディを使うのもいいでしょう。マニュアルフォーカスの望遠レンズはピント合わせなど難しいこともありますが、それも撮影の醍醐味として楽しみたいところですね。
焦点工房のK&F Concept レンズマウントアダプター KF-TRKを使うことによってTAMRON SP 500mm F/8(55B)をPENTAX K-1 MarkⅡにも使うことができました。
このレンズは過去にSONY α7RⅢ・α7Ⅱ、Nikon Z7・Z6Ⅱ、などにも使ってきたお気に入りのレンズ。マウントアダプターを使うことによってカメラボディを変えても使うことができるのはとても便利で、レンズ資産を楽しむことができます。また望遠系の弱いペンタックスに、他社のレンズが使えるのは撮影を諦めなくてもいいので本当に助かります。
レフレックスレンズの独特な描写や、現代的には不足する解像度ですが、表現としてとても面白いレンズだと思って使っています。
数少ないペンタックスボディ用のマウントアダプター。タムロンのアダプトールマウントのレンズをお持ちなら試してみるのもおすすめ。Kマウント用のアダプトールマウント部分だけを探すのはなかなか大変です。