マクロプラナー(Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50)をニコンのD500につけてスナップ撮影してきました。D500はAPS-Cサイズセンサーなのでフルサイズ換算約75mmの中望遠レンズとなります。マクロレンズという特性を活かし、寄れる中望遠として撮影を楽しんできました。
<目次>
マクロ撮影。
マクロレンズらしく最初から思いっきり寄りの写真です。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50は最大撮影倍率が0.5倍、最短撮影距離は0.24mのハーフマクロ。APS-CサイズのD500につけても最短撮影距離は変わらないので、かなり寄ることができます。
しかし、その分ピント合わせは難しくなるので、手持ち撮影では脇を締めて息を止めての苦しい撮影になります。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50でスナップ撮影してみる。
f/8まで絞って撮影。適度なコントラストがあり、繊細な花のひとつひとつを美しく写し取ってくれます。
jpegの撮って出しでは花びらが白く飛んでしまった箇所があったので、RAWデータをキャプチャーワン(C1)で調整、書き出ししました。jpegの撮って出しも含め、この記事内の写真はトリミングなし、ブログ用にリサイズして載せています。
開放f/2で撮影してもよかったのですが、このカットはf/5.6。なんでもかんでも開放で撮影しなくても、カールツァイスの描写はとても素敵です。なんでもない風景が「なんかいい」と思えるように写ります。
絞っても素敵な描写だとわかったところで、やっぱり開放f/2でも撮影しました。
ボケは輪郭がはっきりわかる感じもしますが、レモン型の玉ボケは暴れるようなことはありません。
全体的に綺麗すぎない溶け方で被写体を浮き立たせる。これがツァイス独特の雰囲気を醸し出しているように思えます。
マクロプラナーは他社のマクロレンズがf2.8が多いなか、大口径のf/2という開放値。ハーフマクロではありますが、その分ボケを使った描写を楽しめます。
遠景での撮影でも解像感は落ちません。最新のレンズのようなカリカリの描写ではありませんが、あまくなるようなことはありません。マクロから遠景まで使えるレンズです。
モノクロ、空気を写すレンズ。
もちろんモノクロでも美しい描写です。諧調が豊な描写なので、モノクロで撮影しても十分に楽しめます。APS-Cサイズでの撮影なので、周辺減光はあまり感じませんが、物足りないのであれば後処理で味付けするのもいいと思います。
マクロプラナーはフルサイズで撮影すると、かなり強い周辺減光があります。周辺減光は雰囲気を盛り上げてくれるのですが、あまりに落ちすぎるのもくどいものです。APS-Cサイズで撮影するとそうしたネガな部分を無くすことになるなので、センサーサイズを変えて使ってみるのも気分転換になっていいものだと思いました。
カリカリではなく優しい描写なので、緑を撮ると写真にマイナスイオンが写ってるのではないかと思えます。よく「ツァイスのレンズは空気を写す」と言われますが、それも納得です。葉の重なりも奥行きのある描写。なんだかどこを撮っても絵になります。
マクロプラナーのまとめ。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50ではやっぱり花を撮りたくなります。
個人的には花や料理など有機的なものを撮影するとよりその美しさが引き出されるように感じています。また、マニュアルフォーカスなのでピント合わせが難しいと思いますが、ポートレートなどの人物撮影でもきっと素敵な写真になるでしょう。
ボカして寄れる50mmという使い勝っての良いレンズなので、これからも手元に置いておきたいレンズです。
*2022年6月頃に撮影しています。
今回はCarl Zeiss Makro-Planar T* 2/50をD500につけてレビューしてみました。フルサイズでの撮影での記事もあるので、よろしければご覧ください。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50は既に販売を終了してしまったレンズになります。中古で探すことになると思いますが、相場は高値傾向のまま。
後継モデルはデザインがモダンなものになっていますが、描写の雰囲気は変わらないようです。新品で購入できるのでこちらも考えてみてはいかがでしょうか。