尾瀬ヶ原は標高約1,400mにある本州最大の湿原。その湿原を縦断するように伸びる木道からは、東に燧ヶ岳、西には至仏山と歩く方向にそれぞれの山を見ることができます。
湿原には可憐な花が咲き、池塘には雲が映ります。爽やかな風が吹く美しい景色が広がっていました。
<目次>
鳩待峠から山ノ鼻へ。
車を戸倉にある駐車場に停めたら、シャトルバスに乗って鳩待峠へ。鳩待峠は尾瀬への玄関口になります。鳩待峠休憩所前の広場で身支度を整え、出発します。
現在建替中の鳩待山荘・鳩待休憩所の営業開始は2025年5月の予定だそうです。鳩待休憩所は建替期間中も利用できます。
しばらく歩くと水芭蕉が咲いていました。
尾瀬といえば水芭蕉。見つけると気分が上がります。この先もっと咲いているところがあるのですが、ついつい足を止めて撮ってしまいます。
鳩待峠から続いた下りの登山道も終わりました。湿原がはじまる山ノ鼻まであと少し。
登山道と並ぶように流れていた川上川。山ノ鼻に出る手前で橋を渡ります。橋の袂にはちょっとしたスペースがあるので、川を見ながら休憩してもいいかも。
山ノ鼻には山小屋、キャンプ場などがあり、植物研究見本園、至仏山への分岐でもあります。(トイレもあります。)
ちなみに至仏山へ続く、ここからの登山道は登り専用です。そのため、鳩待峠から至仏山へ登り、山ノ鼻へと抜けて来ることはできませんので注意が必要です。
植物研究見本園で花をじっくりと。
植物研究見本園へと入ると、目の前には至仏山のたおやかな姿が広がっていました。
入口近くにも水芭蕉がたくさん咲いています。これから咲きそうなものや、もう散りはじめているもの、そして、水芭蕉ってずいぶんと葉が大きくなるんだなって思ったりして。
尾瀬の中では大きい花なんだなって、まじまじと眺めたりしました。
足元ばかりに目がいってしまいますが、すごい開放感のある場所です。
木道のすぐ横で水芭蕉が群生していました。
花言葉が「必ずくる幸福」のリュウキンカ。鮮やかな黄色が目に留まります。これなら小さくても必ず見つけることができますね。
リュウキンカは山菜として食用にもなるそうです。尾瀬で動植物を採ることが禁止されるまでは、山小屋の食事などにも出されていたそう。食べてみたかったですね。
これはニリンソウでいいのかな。
ついつい時間が過ぎてしまいました。
植物研究見本園は大きく一周できるのですが、尾瀬ヶ原湿原の方にも行きたかったので、真ん中にある道を通って戻ってきました。半周した形になるのですが、それでも十分に湿原に咲く花を堪能。ばっちり楽しむことができました。
尾瀬ヶ原は広かった。
山の鼻から尾瀬ヶ原湿原へ歩き出すと、目の前に見えるのは燧ヶ岳。至仏山が優しいイメージなら、こちらは猛々しさを感じさせる山になります。
ふと見た木道横の池塘。
雲が映る水面がこんなにも綺麗なんだと、そう思わずにはいられない場所です。
こちらにもタテヤマリンドウが咲いていました。
タテヤマリンドウの花期は5〜7月。尾瀬では特に6月が見頃だそうです。
雨が降ると、蕾の状態のままで花が開かないというお天気花。あえて雨を凌ぐ姿を見てみたいという気持ちにもなります。
タテヤマリンドウは尾瀬のどの湿原でも見ることができるそうです。
そして、なんとなくで撮ってしまう池塘のある景色。
よく見るとワタスゲの白いフワフワが一面に広がっています。
この状態は果穂といって果実が集まったものだそう。黄色い花が5月初旬あたりに咲いていたのだそうです。
「今年はワタスゲの当たり年ですよ。」
撮影していると、他のツアーに同行していたガイドさんが声をかけてくれました。
引率するツアー客の休憩時間中とはいえ、僕たちのように単独で訪れている観光客に対しても、親切にたくさんのことを教えてくれるなんて、なんだか尾瀬の居心地の良さというのを感じてしまいますね。ありがたいことです。
ワタスゲの当たり年に尾瀬を歩けたというのも、なんだか嬉しいです。ぽわぽわ、ふわふわがお気に入りになりました。
龍宮十字路あたりまで行きたかったのですが、思ったよりも進んでいません。燧ヶ岳は綺麗に見えているのですけどね。
ただ、歩いているだけでも気持ちがいいです。
「逆さ燧」という燧ヶ岳が水面に映って見えるビューポイントに来ました。
期待してみたんですが、なぜか風が出てて「逆さ燧」が見れません。しばらく待っても波はおさまらず・・・。気持ちのいい風だったんですけどね。
レンゲツツジの蕾を一度だけ見かけました。これから咲くようです。
小さなピンクの花の木、ヒメシャクナゲ。壺のような花を下向きに咲かせています。
小さい樹木です。木道の脇で咲いているのを見つけ、膝をつきながら撮影しました。ボケて端っこだけが写ってるので、よくわからないと思いますが至仏山が見えてます。
尾瀬を歩いていて何度か見かけたホオアカ。たまたま近くを歩いていたので撮ってみました。近くっていっても鳥なので、思いっきりトリミングしてて画像が粗いです。望遠が欲しかったですが、ホオアカを2羽くらいしか目視で見れなかったので、そのために望遠レンズを持ってくるのはちょっと無理ですね。
帰り時間は余裕をもって。
牛首分岐と龍宮十字路の中間地点くらいからの燧ヶ岳です。
ということで突然ですがタイムアップです。シャトルバスの時間、それに、戻りは山の鼻から鳩待峠までの間が登りになることを考えると、長居はできません。
*シャトルバスの最終は午後4時30分です。
戻りは至仏山を見ながらの歩き。雲がぐんぐん流れ、時折日が差し込んできます。
あんまりのんびりできないのに、ちょくちょく立ち止まっては写真を撮ってしまいます。
見納めにリュウキンカをパシャリ。このあとは歩くことに専念。
途中、救助ヘリがやってきて隊員の方が降下してきたりといろいろありました(30分くらいは足止めされました)。詳細はわかりませんでしたが、要救助者がいたようです。
なんだかいろいろありましたが、時間までに鳩待峠へ戻ることができました。
やっぱり余裕を持って行動したのが良かったようです。
まとめ。
概要
尾瀬ヶ原(おぜがはら)
基準標高1,404m
6月1日晴れ時々曇り。日帰り。
尾瀬は、福島・群馬・新潟の3県にまたがり、国立公園に指定されています。国の特別天然記念物。ラムサール条約登録湿地でもあり、貴重な自然が溢れる場所です。
至仏山(しぶつさん):標高2,228m。尾瀬ヶ原湿原から見えるのは東側の斜面。日本百名山と花の百名山に選ばれています。山ノ鼻からは登りの一方通行になるので注意が必要です。
燧ヶ岳(ひうちがたけ):標高2,356m。こちらも日本百名山。山頂は柴安嵓(しばやすぐら)のほか、5つピークで構成されています。
コースタイム
10:17 鳩待峠出発/スタート
11:22 山ノ鼻
11:23 植物研究見本園IN
11:58 植物研究見本園OUT
13:00 牛首分岐
13:26 尾瀬ヶ原
13:49 牛首分岐
14:35 山ノ鼻
15:39 鳩待峠到着/ゴール
合計5時間22分
木道にはちょっとした段差があります。周りの花に見惚れたのか、木道を踏み外して下に落ちる人を見ました。大事には至りませんでしたが、自分もやりかねないことと思い、十分に気をつけて歩きました。
*注意:尾瀬では歩道以外への立ち入りが厳しく制限されています。
トイレはポイントごとに設置されています。利用には協力金が必要になりますので小銭を準備しておきました。
下田代十字路まで行きたかったのですが、寄り道ばかりして辿り着けませんでした。
結局、竜宮十字路までも無理だったので途中で引き返すことに。尾瀬は思いのほか広かったです。
初心者の50代夫婦。どちらも高所に弱く怖がり。難所などのクリアには時間がかかります。写真撮影・休憩が多いのでコースタイムは標準よりもかなり遅くなっています。
駐車場
今回の尾瀬ハイクで利用した駐車場は戸倉駐車場(尾瀬第2駐車場)。
6月の土曜日、9時40分くらいで、第2駐車場も満車まで残り数台といったところでした。
鳩待峠では5月中旬~10月上旬までマイカー規制が行なわれます。戸倉にある駐車場に車を停めて、シャトルバス利用で鳩待峠へ向かいます。
尾瀬第1駐車場
(おぜだいいちちゅうしゃじょう)
0278-58-7263
マップコード:735 300 193*51
*ナビの設定用で使ったもの。
駐車場料金は1日1,000円
24時間出入可能。トイレあり。
関越道の沼田インターから一般道で約50km 、1時間弱。
駐車場からはシャトルバスで、約35分で鳩待峠に着きます。
シャトルバスは乗合バスと乗合タクシーが合同で随時運行されています(料金同じで大人片道1,300円)。多客時には増便するということで、ほとんど待たずに乗車できました。
戸倉発の始発時刻は5時30分(5月7日~17日までと10月21日~11月4日までは6時30分です)。
*念の為HP等で確認してください。
今回利用した第2駐車場にも発券窓口があります。トイレもあり。
駐車場は満車になり次第、第1、第2、スノーパーク尾瀬戸倉と案内されるようです。誘導員の方の案内に従いましょう。
カメラと写真
カメラはPENTAX K-1 MarkⅡ、レンズはHD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedです。ズームレンズが欲しいと思うことはよくありますが、でもやっぱりこのレンズを選ぶことが多いです。写真はRAWデータをキャプチャーワンという現像ソフトで調整・書き出ししています。ブログ用にリサイズしています。
本の方ではLightroomを使用していますが、とても参考になります。