DA(APS-C専用)レンズのHD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WRをK-1markⅡのフルフレーム(フルサイズ画角)で撮影、レビューします。
PENTAXのレンズでズームができて防滴構造のLimitedレンズは、フルサイズ用にはありません。ネット情報よると、条件付きでK-1のフルサイズでも使えるDAレンズは多数あるとのこと。ということで、DA20-40mmF2.8-4はAPS-C用のDAレンズですが、K-1markⅡで使えるかどうか、実際にフルフレームで撮影、レビューしてみることにしました。
<目次>
DA20-40mmはフルサイズで使えるのか?
はじめに書いてしまいますが、やっぱり色々と条件が出てくるので、フルフレームでは無理があるように思います。基本的にはAPS-Cで使う方がいいでしょう。
しかし、無理だとわかっていても試してみたくなるものです。なぜなら、DA20-40mmはフルサイズ換算で約30-60mmのズーム。これに条件付きではあっても20-40mm、特に広角側で使えるとなれば、ズーム域が広がっていざというときに役立つと思うからです。
前回の記事でも似たようなテストをしていますが、今回はより詳しくテスト撮影をしてみました。
前回同様、保護フィルターのみ装着しています。フードはケラレ、周辺光量落ちの原因になるので外してあります。
本当なら、どちらも外して何もつけなけない方が良いでしょう。
フォーカス位置(無限遠〜最短撮影距離)によっても、ケラレが出る場合があります。
またフルフレームでの使用が無理でも、少しのトリミングで使えることもあります。
コントロールパネルに焦点距離の表示を設定しておけば、infoボタンを押して焦点距離を確認することができます。
フルフレームの使用では、jpgでもカメラ内のデジタル補正がありません。
jpgはナチュラルを設定しています。
DNGはキャプチャーワンで露出などの軽微な調整をしています(ビネットは未調整)。jpgは撮って出し。どちらの場合もトリミングなし、ブログ掲載用にリサイズのみしています。
個人的なテストで判断する限り以下のような結果となりました。
*撮影の対象や状況、作品性などによって、使えるかどうかの判断が異なると思うので、参考程度に見てください。
焦点距離別の作例。
焦点距離別に撮影したスナップです。
ケラレ、周辺減光の作例として参考にしてください。
20mm(f/ 2.8 - 22)
フルサイズの20mmは使えませんでした。絞り値によって多少変化はしますが、ほぼ同じように四隅がケラレます。
20mmをフルサイズで使うのは、ちょっと無理があるようです。
・・・残念。
K-1ではフルサイズのほか、APS-Cサイズ、正方形へのクロップが可能です。フルサイズではケラレが出てしまう20mmですが、正方形へのクロップではケラレている部分がクロップされるので使えると思います。ただ、カメラ内の補正がされないので、歪曲を強く感じてしまうことがありました。
24mm(f/ 3.5 - 29)
使えたらいいな、と一番期待している焦点距離。実際、使えそう。周辺減光は若干あるものの修正できる程度。また、24mmの画角は単焦点レンズにはないため、使えると嬉しい画角でもあります。
DA20-40mmの軽さとデザイン、描写が好きだというなら、使う価値があるのかもしれません。
24mmは絞れば絞るほど、周辺減光・ケラレがなくなります。個人的な目安はf/8ですが、↑上の写真ではf/5.6。周辺減光が出てますが、これはこれでアリかと思います。
明るい爽やかな空などは、どうしても周辺減光が目立ちます。ただ、この程度なら修正するのも簡単です。
また、最小絞りに近くなると回析の影響も心配ですが、多少の悪化はあるもののブログやSNSで使う程度なら気にならないレベルだと思います。
jpgの画像を並べてスクショしてみました。左上が開放f/3.5。これはちょっと周辺減光が目立ちますね。
24mmですが、周辺減光があるものの、ある程度まで絞り込めば実用できるのではないかと思います。
今回はテストも兼ねているので補正はしていませんが、この程度の周辺減光なら問題なく修正できそうです。
DA20-40mmをフルサイズで使うメリットといえば、この24mmが使えるということになるでしょう。
*最短撮影距離に近くなると、小さいながらも四隅にケラレ(保護フィルターの可能性あり)が出てきます。
28mm(f/ 3.5 - 29)
28mmの開放側では周辺減光が強く、絞り込むとケラレが強く出てきます。
f/5.6あたりがなんとか使えそうではありますが、どうも周辺減光の出方に癖があるような、ないような...。
画面の周辺が暗く落ちるような絵作りなら、使えるのかもしれません。
夜の公園に行ってきました。これなら問題なく使えてます。ちょっとズルい気もしますが・・・。
手持ち撮影で0.4sですが、少しブレているだけで、なんとか見られる写真になっていると思います。なかなか優秀な手ぶれ補正です。
焦点距離が29mmなのは、暗くて合わせるのが難しかったからです。
f/22だと四隅にはっきりとしたケラレが出てしまいます。
これまた焦点距離がズレて、27mmになってしまいました。
コントロールパネルに焦点距離表示を設定してあるので、infoボタンを押して確認するのですが、「表示が大雑把なのでは?」と感じます。
表示された焦点距離が正しいのか疑ってしまいます・・・。
自分でズームリングを触ってずらしてしまうこともあるのですが、あまり信じすぎない方がいいようです。
ケラレが気になったので、正方形でも撮ってみました。
機能ダイヤルをCropに合わせてあるので、フォーマットの変更はすぐにできます。
フルサイズ、正方形、APS-Cを簡単に変更できるので便利です。
31mm(f/ 3.5 - 29)
31mmぐらいからテレ側40mmは、開放もしくはf/4までしか使えません。それもかなり強い周辺減光があります。
周辺減光がある絵作りは好きなのですが、それでもやっぱり強すぎる気もします。修正することで、好みの暗さにできそうではありますが・・・。
では、f/8ぐらいまで絞るとどうなるかというと、↑上の写真です。
正直にいうと、使えるのか使えないのかわからなくなってきました...。
モノクロにしてみたら使えるかも?
もっとコントラストを強くするなど、大胆な表現にすればモノクロ写真で使えるのかもしれません。使い方次第でしょうか。
31mmでも正方形はおすすめ。正方形のフォーマットは、フィルムを使っていた頃(リアル世代です)を思い出させます。 Hasselbladでよく撮影していました。懐かしくて、これはこれで楽しくなってきます。
40mm(f/4 – 32)
ここまでくると、素直にAPS-Cサイズに変更して本来の使い方をした方がいいような気もします。
寄りの撮影では、APS-C画角の外側のボケが荒れ気味で目立ちます。ピントを合わせるメインの被写体は、APS-Cの画角の中にあったほうが良さそうです。
開放f/4では描写が甘く感じられるので、少し絞りたいと思いf/5.6にしましたが、周辺減光が強い。これなら、無理して使わなくても・・・。
思い切って40mmの最小絞りf/32です。めちゃくちゃケラレてます。
これでは開放でも周辺減光が強く出るはずですね。
テレ側は使わない方がいいのかも。
40mmではないのですが、36mmで撮ったもの。28mmのところでお見せした夜の公園の別カットです。こういう作風といえば、周辺減光も演出として使えるものになりそうですね。
まとめ。
DA20-40mmをフルサイズ画角でどうしても使いたいというのであれば、焦点距離は24mmでなるべく絞り込む。具体的にはf/8以上が推奨といったところでしょうか。
懸念される周辺減光ですが、これは絵作りというか、その撮影カットごとに使えるかどうかで判断することになる、というのが答え。
周辺減光が強く出てくるテレ側も絶対に使えないということではなくて、撮影者の判断によるところが大きいと思います。
あえての使い方としては、APS-Cクロップの30-60mmのズーム(本来の画角)として使い、画角が足りない時に24mmをフルサイズで使うというのが良いのかもしれません。
また正方形にクロップするのも、おすすめできると思います。
レンズの使い方に決まりはないと思います。
自分が楽しい、いいなと思うやり方で、写真を撮るのが良いのではないでしょうか。
結果、使えるか使えないかはその人次第、ということになりますね。