塔ノ岳は神奈川県にある標高1491mの山。丹沢山系の主要な山の一つ。展望の良さで知られ、富士山や南アルプス、伊豆半島から相模湾に浮かぶ大島なども見ることができます。
今回の登山では一般的なルートである大倉尾根を往復します。
大倉尾根は全長約7km(往復約14km)、標高差約1200mのよく整備された登山道。難所はありません。また山小屋も多く、難易度は初心者向け。ただし、距離と登り標高差は大きく、大倉バス停からはじまる登山道は、ただひたすら直登していく体力を試されるルートです。
<目次>
駐車場。
塔ノ岳の登山では、秦野戸川公園の大倉駐車場か周辺の民間駐車場を利用すると便利です。
秦野戸川公園 大倉駐車場
〒259-1304 神奈川県秦野市堀山下1292
マップコード:57 860 168*27
秦野戸川公園には大倉駐車場、水無川駐車場、諏訪丸駐車場と3ヶ所の駐車場があります。どの駐車場も利用時間は8:00~21:00。塔ノ岳へは大倉駐車場がビジターセンター、バス停にも近くて便利です。
民間の駐車場も多数ありますが、かなり早い時間に満車になるようです。
*鍋割山への登山でもこちらの駐車場を利用するのが便利です。
大倉駐車場を利用する予定でしたが、道を間違えて諏訪丸駐車場へ着いてしまいました。園内にある風の吊り橋は車で通行できないので、そのまま諏訪丸駐車場を利用。こちらは三ノ塔方面への登山口に近い駐車場です。
また、休日など混雑するときには早く開場するようです。8時よりも少し前に着きましたが、車を停めることができました。
コースタイムなど。
11月23日(土)晴れ
合計時間7時間47分(休憩含む)
歩行距離 14.4km
登り 1264m
<コースタイム>
ビジターセンター[大倉バス停](8:10)→(8:35)観音茶屋→(9:03)大観望[大倉高原テントサイト]→(9:14)見晴茶屋→(9:51)駒止茶屋→(10:17)堀山の家→(11:16)花立山荘→(11:39)金冷シ[鍋割山・塔ノ岳分岐] →(12:05)塔ノ岳山頂・尊仏山荘[休憩](12:35)→(13:25)花立山荘→(14:08)堀山の家→(14:24)駒止茶屋→(14:53)見晴茶屋→(15:04)大観望[大倉高原テントサイト]→(15:30)観音茶屋→(15:57)ビジターセンター[大倉バス停]
*赤が登り。青が下り。下山は同じ道を戻ります。
初心者の50代夫婦。写真撮影・休憩が多いのでコースタイムは標準よりも遅いと思います。
難所はありません。
トイレはビジターセンターや山小屋のトイレが利用できます。整備や休業中などのため利用できない場合があるので、心配な方は登山前に調べておきましょう。山小屋のトイレは有料です。
登山開始。
車を停めた諏訪丸駐車場からビジターセンターへ。登山届けを登山ポストへ入れて出発。歩きはじめてしばらくは舗装路です。
少し歩くと「大倉の清水」という水汲み場があります。
湧水ではなくて水道水になります。近隣に配水しているものと同じだそうで、かなり美味しいと思いました。消毒してある水なので安心して飲めます。
下山時にはカブ飲みしてしまいました。
アスファルトが土に変わり、徐々に山道らしくなってくると観音茶屋に到着です。
登山者の方たちが服装などを整えていました。
「大観望はそれほどでもないので見なくてもいい。」そんな情報を多数見かけたのですが、せっかくなので立ち寄ることにします。ルート的には少し遠回りになる程度です。
大観望の手前にある「丹沢の門」と「塔ノ岳」。
なんだろう。この先、微妙に空気感が違うような気がします。
・・・気のせいでした。
到着してみれば、開けたところにテーブルが設置されており、相模湾方向が見渡せる展望がありました。まだ標高は高くないし、それほど広い範囲が見える場所ではありませんが、地味にいい感じの場所です。
大観望は大倉高原テントサイトにもなっていて、テントエリアとトイレがありました。テントエリアといっても、決められた場所は無く自由に設営できるようです。管理人などは不在のよう。トイレは比較的綺麗でした(100円)。
テント利用にはテントサイト利用者協力金、一人につき500円が必要です。水場はありますが、沢水のため煮沸消毒が必要。秦野市が管理しているそうです。
大倉バス停から1時間弱で見晴茶屋です。ここまではまだまだ余裕です。
見晴茶屋からの景色も相模湾方向。しみじみ系でいい景色です。
そして始まる登り階段。
整備された木道に感謝しつつも、足幅にあってないと微妙に歩きづらかったり・・・。
ちょっと平地があってもまた登ります。
駒止茶屋までくるともう汗だく。この日は営業していませんでした。
汗を拭いて休憩。おやつタイムにしました。
駒止茶屋からも続く登りを歩いていると、鹿に遭遇。
右手には三ノ塔が見えていました。平になった部分が山頂で、写真を拡大すると休憩所の建物が見えていました。
堀山の家の周りには休憩中の人が多くいました。
このあたりが中間地点といった感じ。ここからがキツくなっていきます。
ジグザグの岩場を登っていったり・・・。
前を行く方に振り向かれるほど、息が上がってしまう階段が続きます。
平な場所で落ち着くかと思いきや、長い登り階段が現れます。
階段地獄・・・。
富士山が見えて元気回復!
しかし、雲が出始めたので頂上でも見られるか不安に・・・。頑張らなくては、と自分を奮い立たせます。
同じ場所から撮影。右側に富士山、富士山の裾野に続く山の連なりは、愛鷹山と位牌岳。居合わせたおばさまに教えていただきました。
山頂手前、最後の山小屋、花立山荘につきました。
ここからの景色もなかなかで、富士山、相模湾が見られます。内心、「もうここが山頂でも良くない?」なんて思ってしまいした。
花立山荘から見た富士山。手前から続いているのは鍋割山方向へ伸びる稜線。
登山道を振り返る形で相模湾が見えていました。
塔ノ岳の山頂も見えています。
もちろん山頂までは木道、階段が続きます。
写真を撮るのもやっとの状態です。
塔ノ岳と鍋割山との分岐、金冷シを通過。
最後の階段。もう膝が上がりません・・・。
塔ノ岳山頂。
もう限界・・・。というギリギリのところでなんとか山頂に到着できました。
山頂は大賑わい。人が多かったので、山頂標も並んで記念撮影です。
山頂標の周りにはベンチもたくさんあって人が多かったです。
これが塔ノ岳山頂から見る富士山。美しい。
富士山を眺めながら休憩、昼食としました。
苦労して登った甲斐がありました。
日時計もありました。シチズン製。かなり正確な時間をさしているようでした。
山頂には、三等三角点(基準点名:塔ケ岳)がある筈なのですが、撮り忘れてしまいました……。
こちらは表尾根へ下る道です。烏尾山と烏尾山荘、三ノ塔が見えていました。
山頂標の横にあった仏像さまたち。
標高1491m、塔ノ岳をなんとか登り切りました。嬉しいですね。
ここから下山するのも大変なんですが、やりきった感あります。感動です。
下山します。
そういば、往路でも登りかえしとかあったなと。下山途中にも登る場所は出てきます。足にくる・・・。
下山も当然階段地獄です。ラクといえばラクですが、もう足は笑っちゃってます。
元気な若者、タフな年配、子供たち。それにトレランの人たちとどんどん抜かされていきました。
焦ってもどうしようもないので、マイペースで下っていきました。
下りの花立山荘の手前。登山道が相模湾へと続くような景色はとても綺麗でした。
下山後は、「杜のとうふ工房三河屋」でゴマとさつまいものドーナツをいただきました。三河屋さんは鍋割山の登山でも下山後にドーナツ食べてます。こちらで買った濃厚木綿豆腐も美味しかったですよ。
風の吊り橋を渡って駐車場へと戻りました。
塔ノ岳は本当に筋トレ山。自宅に戻ってからも筋肉痛が酷くて、翌日は何もできませんでした。人並みに体力はあると思っていましが、ぜんぜん駄目ですね。少し鍛えようと思いました。
塔ノ岳は人気の山。とても人が多くて、ちょっと人疲れもしてしまいました。山頂からの景色をみたらそれも納得ですが、もう少し人の少ない時期に登ってみたいと思いました。
スポーツタイツを着用。
ここ数回の登山ではスポーツタイツを着用しています。実際に使ってみた感想ですが、とくに膝の痛みが少なくなりました。膝の無駄な動きを抑制しているようで足取りが確かなものに感じます。とくに登山後の疲れ方に差が出るように思えました。
塔ノ岳のような長い道のりでは、下りで足を痛めてしまうことがあるので、着用していて安心でした。
ただ、デメリットとしては、タイツを着用しているせいで暑い。夏の着用は無理で、秋になって涼しくなった頃から履けるようになりました。
また、慣れないうちは圧着(締め付け)がキツく感じます。しかし緩めだと効果が薄れてしまうので、サイズ選びには慎重になりました。
個人的にはこちらのワコールのCW-Xを選びましたが、他社メーカーのものも含め身体に合ったものを選ぶといいと思います。
撮影機材。
今回の撮影機材はPENTAX K-1 MarkⅡ。レンズはHD PENTAX-FA 43mmF1.9 Limitedです。フルサイズを使いたいけど、レンズは軽くしたい・・・。という理由でフード付きで約 163gのFA43mm Limitedを選びました。
43mmという画角は使いやすく、目の前に見えた富士山をそのままの感覚で画角に収めることができます。山で使うには画角が狭いと感じることもありますが、富士山を撮ったときに、画面の中で小さくしか写せないのはつまらないですからね。
富士山が綺麗に見える山に登るときは、広角ではなく標準のレンズを選ぶことが多いです。