9月を過ぎても猛暑が続く日に、うんざりしている今日この頃。どこか涼しい場所を歩きたいということで、標高2000mにある池の平湿原へ軽めのハイキングへ行ってきました。

<目次>
池の平湿原駐車場

池の平湿原駐車場を利用しました。
湯の丸高原の地蔵峠にある湯の丸スキー場駐車場、その脇にある林道を進むこと約20分で池の平湿原駐車場へ着くことができました。この林道ですが、少し狭いことを除けば特に悪路ではありません。ただ、人が歩いていたりするのでスピードは控えめにした方がいいでしょう。
この湯の丸高峰林道は、5月上旬から11月中旬のみ通行ができるようです。
駐車場にはインフォメーションセンターとトイレがあります。
ちなみに、湯の丸スキー場駐車場は、湯ノ丸山・烏帽子岳の登山で利用した駐車場です。
- 池の平湿原駐車場
- 長野県東御市
- マップコード:85 893 215
- 利用期間:5月1日〜11月3日
- 利用時間:午前7時〜午後4時
- 有料、普通車は600円。
- トイレあり。

駐車場に車を停め、準備ができたら出発です。池の平湿原へは駐車場から伸びる道を0.7kmほど歩けば到着します。
今回のルートは、池の平駐車場 → 池の平湿原 → 鏡池 → 三方ヶ峰 → 放開口 → 池の平駐車場 で約3時間の道のり。湿原の中を通る木道歩きがメインの、緩めのハイキングです。
池の平湿原と鏡池

歩きはじめは、よく整備された木道を下っていきます。

左手方向に小さく富士山が見えました。天気もよくて最高です。

木々の間を避けるように整備された木道。自然なカーブがリズムを作ります。鳥や虫たちの鳴き声も聞こえていました。

木道沿いには、ちょっと草臥れたハンゴンソウが咲いていました。

こちらはハクサンフウロ。淡い紫色が綺麗です。
標高2000m前後でよく見かける花。インフォメーションセンターでもらえたトレッキングマップによれば、開花時期は7〜8月。そろそろ終わりの時期のようです。

秋が来るとそのままドライフラワーのようになる、というヤマハハコ。名前の由来は、平地に生えるハハコグサに似ているから。花が、母親が子供を包み込んでいるように見えることに因んでいるそうです。8〜9月の花。
池の平湿原は高山植物の宝庫として知られ、4月〜9月頃までたくさんの花を見ることができるそうです。

湿原に到着。湿原を越えた先に見えているところが放開口。火口縁が崩落した開口部を放開口といいます。

まずはそのまま木道をまっすぐに進み、鏡池と三方ヶ峰へ向かいます。

草の中に埋もれるように咲いていたリンドウ。これは、オヤマリンドウでしょうか。花の細かい分類は難しいですね。

アザミも咲いていました。

鏡池に到着しました。水面が凪いでいれば、空が湖面に映って綺麗な景色が見られそう。でも、少し風があるくらいが涼やかですね。
池の平湿原は、三方ヶ峰火山の旧火口が湿原化したもの。湿原周辺の大小の山の総称が浅間・烏帽子火山群。これらの火山活動が東へと推移した延長に浅間山があります。
湿原は直径700mほどの広がりを持ち、三方を低い火口縁に囲まれています。東南方向は谷に向かって開いており、これが放開口と呼ばれる場所になります。
湿原には鏡池のような池塘もありますが、乾燥による草原化が進んでいるとのことです。
三方ヶ峰へ登ってみる

鏡池から三方ヶ峰までは約15分の登り。途中までは木道が敷かれていて、特に難所などはありません。

アキノキリンソウも、ちらほら見かけました。

日常から離れて癒しの時間です。

三方ヶ峰の山頂付近はガレ場になっています。木道が途切れてから、それほど距離を歩くわけではないので、スニーカーなどで登ってくる人も多い印象です。
見晴岳と見晴歩道、東歩道を歩くようでしたら、ハイキングシューズなどの登山装備の方がいいかもしれません。

三方ヶ峰の山頂に到着しました。
頂上から大きく見えるのは八ヶ岳。南アルプスの北岳もチラ見えすると聞いていたのですが、雲がかかっているために見ることができませんでした。
周囲の山々の展望も良好です。

三方ヶ峰の山頂の標高は2040m。
車を停めた池の平湿原駐車場の標高は2061m。感覚としては三方ヶ峰の方が高いと思ったのですが、そうではないようです。
池の平湿原の周囲で一番高いのは、村界の丘で2113m。湿原歩きだけでは物足りない場合は、火口縁を歩く見晴歩道を利用して村界の丘へ向かうのも良さそうです。

柵で仕切られたガレ場を覗くとイワインチンが咲いていました。この山頂の南西側、ガレ場周辺は「三方コマクサ園」と呼ばれています。7〜8月にかけてコマクサが見られるそうです。

イワインチンの群生地は少なく、湯の丸山、篭ノ登山でいくらか見ることができるそう。他の高山植物とともに現在保護活動が行われているそうです。
イワインチンを漢字で書くと「岩茵陳」。キク科の植物です。東北地方から南アルプスにかけて分布。亜高山帯~高山帯の日当たりのよい、乾いた草地や岩礫地に生える多年草とのこと。花期は8〜9月。日本固有種だそうです。
放開口からの景色

三方ヶ峰から池の平湿原へ戻ってきました。

休憩エリアでベンチに座りながら湿原を眺めてみたり……。

湿原に流れるゆったりとした時間を楽しみながら歩きます。

放開口からの眺め。放開口は池の平湿原の縁を形成する外輪山の一部が崩れてできたもの。佐久盆地一帯を見渡すことができます。

木道が少し広くなった場所から放開口の景色を楽しめます。案内板は木道の下。ちょっと読みづらい。

マツムシソウも見つけました。

放開口から池の平湿原駐車場までは約30分。とても気持ちの良い湿原歩きができました。
池の平湿原は花の名所。9月に入って秋の気配は感じるものの、まだまだ花を楽しむことができます。写真に撮った他にもたくさんの種類の花が咲いていました。
↓池の平湿原と同じ湯の丸高原にある山の記事です。
撮影機材

池の平湿原で使ったカメラはPENTAX K-3 MarkⅢ。HD PENTAX-FA 35mmF2をつけてフルサイズ換算53.5mmの標準画角で撮影しています。ちょっと画角が狭く感じることもありましたが、慣れれば気になりませんでした。花を撮るのに使いやすいです。
いくつかの写真ではトリミングをしています。K-3Ⅲは有効画素数が約2573万画素なのでトリミング耐性も十分。撮っていて楽しいカメラです。