追われるような日々が続いて迎えた週末。
なんの準備もできていないのに、とにかく山に行きたいと思うときや、ふと自然を感じたくなったときに、散歩のように行きたくなる山というのものがあります。
自分たちにとって三頭山はそんな山の一つ。前日の夜に準備をして、早朝のまだ静かな都内を出発して登山口へと向かいました。

駐車場に車を停め、出発の準備を整えたらまずは三頭大滝を目指します。
ウッドチップが敷かれた道は歩きやすく、柔らかい感触が登山靴を履いていても伝わってきます。
大滝の道に入り、歩いて5、6分もすれば展望の良い休憩スペースが見えてきます。

山モードに気持ちを切り替え、深呼吸をすれば気分も晴れやかになってきます。

都心方向の景色が見られる場所ですが、それよりも近くの山肌に当たる光が綺麗です。
朝は刻々と表情を変えていくのでしばらくの間見入ってしまいました。

山の奥へ入ってゆくにつれ、車の音も聞こえなくなります。
空気に涼しさを感じるようになり、山に来たことを実感。三頭山は自然が豊かです。

三頭大滝まで来ればもう十分に身体も暖まっていて、なんなら息が上がってちょっと辛いです。日頃の運動不足を感じつつ、こんなんじゃ北アルプスの縦走とか何年経っても無理だね、と苦笑い。

滝見橋からは真正面に滝を見ることができます。落差は35mもあるそうで、目の前で見られる滝の流れはとても迫力があります。
まだ少し紅葉には早いようで、日当たりの良い一部の場所だけが黄色くなっていました。

三頭山を歩いたのは10月中旬。三頭大滝周辺の紅葉は、例年10月下旬から11月初旬頃が見頃だそうです。

ここ数日のうちに雨が降ったのかもしれません。落ち葉は少し湿っていました。
「この落ち葉はいつのものなのかな......。」
そんなことを考えながら石段を登ります。

三頭大滝の側には屋根のある大きな東屋とトイレもあります。その先にある分岐を経て山頂へと向かいます。今回は石山・深山の路から山頂へ。下りはブナの路から降りてきます。

自然が好きなので、たわいもない木とかでも「ちょっといいな」と思ったらシャッターを切ります。

山を歩くと目にとまる風景。木々の幹や枝振り、たくさんの葉の重なりから漏れてくる光。そうしたものを撮るが好きです。それらは山の表情のほんの一部。地表に落ちた葉や、瑞々しい苔類、可憐に咲く花。稜線が描く山の姿。雲海やどこまでも続く山並み。そうしたもの全てが被写体です。

蜂指沢ノ頭(ハチザス沢の頭)の分岐に来ました。槇寄山から和馬の方へ下れば温泉があるそうです。

今年は紅葉の当たり年だそうです。
ですが、自分たちは人混みが苦手。混雑する場所へはいきません。気になる場所へは、シーズン前とかシーズン後に行きます。名所と言われる場所は時期を外しても大概が良い雰囲気の場所が多いもので、それでも十分に満足できるのです。
むしろ、人が少ない方がなんだか贅沢な気もするんですよね。

大沢山のベンチ。富士山特等席です。
ですが、・・・今回は雲で覆われ富士山は見えませんでした。そんな天気ですが、雲の流れが早く、光が差したり曇ったり。休憩しながら待ちましたが、富士山を覆った雲は移動する気配を見せなかったので、諦めて先へと進みました。

中を覗いてみるとわかるのですが、とても作りのしっかりしている避難小屋です。なんだか住めそう。

山頂手前の登り。あとひと頑張り。

三頭山山頂に到着です。この立派な山頂碑があるのは西峰で標高は1524.5m。写真では切れてしまいましたが、山頂碑の下の方に書いてありました。
三頭山は山名どおり頂が3つあり、その最高峰は中央峰の1531mです。せっかくだから後からまわります。
西峰は広くて休憩しやすい場所も多いのですが、その分人が多く混雑していました。なので場所を確保するのは大変。景色の良い場所を取れるかは運次第。自分たちはちょっと外れになんとか場所を見つけ、昼食・休憩としました。

もしかしたら見えるんじゃないかと思っていた富士山ですが……。
雲が流れて見えてきたのは、山の形の雲。富士山は雲のベールに包まれたままでした。
まぁ、天気予報などで調べていたので、雲が多くて見えないかもっていうのはわかっていたんですけどね。やっぱりちょっと残念。

自分たちの気分を代弁するかのように日が隠れて暗くなった登山道です。西峰から中央峰、東峰へとまわります。

ときおり日が差してきます。
ここが中央峰。ちょっと狭いので人は少なめ。でも、隅にベンチとテーブルもあります。

東峰にはちょっと狭い展望台があるのですが、人が多くてそそくさと通過しました。なので写真もありません。
結局、富士山は見えませんでした。自分たちは富士山大好き夫婦ですが、そんなこともよくあります。山を歩くこと、そのこと自体が楽しいのでそれほど気にしてはいないのですけどね。
西峰から中央峰、東峰と山頂をまわり、元の道へ合流して下山します。

山で写真を撮るのは楽しいことだと思います。
その時々で変わる光の中で見つけた風景や、誰も気づいていないような一瞬を撮ることができると、それは何か特別なものに出会えたような気がします。
仕事で依頼されたものでもなく、コンテストに応募するようなものでもありません。趣味でただ撮影しているだけなので、これは自己満足的なものだとは思いますが、とても充実した気持ちになるので、僕は飽きることなく写真を撮り続けています。

ムシカリ峠まで戻り、沢に沿って歩くブナの路で下山しました。
お疲れさまでした。