千葉県の山で、名所とも言われる鋸山(のこぎりやま)へ登山に行ってきました。
地獄のぞきと呼ばれる名所があり、千葉県房総半島の有名な観光地です。江戸時代から続く「房州石」の採石場であった場所でもあり、山の南側には1300年以上の歴史をもつ日本寺(にっぽんじ)があります。
今回は石切り場跡、お寺、山頂と見所の多い鋸山を巡ってきました。

<目次>
- 鋸山登山ルートなど
- 海を見てから
- 猫丁場のアート
- 観音洞窟かリーゼントか
- 岩舞台の安全㐧一
- ラピュタの壁とその景色
- 日本寺の百尺観音
- 日本寺、頂上展望台からの展望
- 地獄のぞきは......
- 東京湾を望む展望台
- 山頂は人でいっぱい
- 関東ふれあいの道で下山
- ツリーハウスもありました
- 最後は観月台と階段です
鋸山登山ルートなど
鋸山(のこぎりやま)
標高329.5m・千葉県
1月24日(土)晴れ [日帰り]
合計時間6時間24分(休憩含)
歩行距離 7.2km
累計標高差:700m(登り・下りとも同じ)
<コースタイム>

金谷海浜プール(7:51)→(7:55)浜金谷駅→(8:06)関東ふれあいの道・車力道分岐→(8:59)猫丁場→(9:05)切通し跡→(9:19)石切り場跡→(10:08)百尺観音→(10:13)地獄のぞき→(11:22)東京湾を望む展望台→(11:53)鋸山→(13:35)あじさい広場→(13:54)観月台→(14:14)駐車場
*このコース取りでは重複する箇所があります。切通し跡、石切り場跡よりも先に東京湾を望む展望台と鋸山に行っておくと無駄を防げます。
*百尺観音、地獄のぞきは日本寺の敷地内で拝観料がかかります。
<コース状況・難所など>
場所により急な階段などがあるものの、特に難所などはありません。危険箇所には柵などが設置されています。
<駐車場>

登山口にかなり近い場所にある、現代表現研究所 鋸山コインパーキング という駐車場を利用しました。
- 現代表現研究所 鋸山コインパーキング
- 〒299-1861 千葉県富津市金谷3492-1
- 1日500円で看板の下にお金を入れる箱があります。
駐車スペース手前にある水路を渡る橋があります(上の写真)。これが狭いので大型車などは注意が必要です。トイレはありません。

金谷海浜公園プールの駐車場も利用できるようですが、朝早くから満車になるそうです。また施設利用者のための駐車場なので、シーズン中は登山目的の利用は控えた方が良さそうです。
<トイレ>
金谷海浜公園のトイレを利用。車を停めたあと、遠回りになりますが散歩を兼ねて歩きました。
あじさい広場にもトイレがあります。
また、日本寺内にもトイレがありますが、位置的に遠いので今回は利用していません。
海を見てから

駐車場に車を停めて金谷海浜公園まで歩いてきました。こちらでトイレを借りて身支度を整えます。それなりに遠回りになってしまいますが、間近で海を見ておきたかったんですね。山にばかり登っていると海にはなかなか行かなくなってしまうので。
この日は風が強く波は荒れ気味。遠方に富士山を見ることができるのですが、霞がひどくて写真にはぼんやりとしか写りませんでした。

散歩しながら登山口へ向かいます。立ち寄ったのは浜金谷駅。いいですね、この雰囲気。公共交通機関を利用する場合は、こちらの駅からのスタートになります。

関東ふれあいの道・車力道分岐に到着です。
駅からの道には標識が立てられているのでわかりやすく、迷うようなことはありませんでした。登りは車力道を利用するので左へ。下山の時に降りてくるのが階段の続く関東ふれあいの道です。

車力道というのは、山から切り出した石材を、ねこ車と呼ばれる荷車に乗せて運ぶための道のこと。乗せている石は3本で240kg(1本約80kg)だそうです。これを主に女性が運んだそうですが、なんとも過酷な作業だったのではないでしょうか。江戸時代から機械化される昭和35年頃まで続いたそうです。

切通しや歴史的遺構もある車力道を進みます。車力道は全てが石の敷かれた坂道ではなく、石段の組まれた場所や、いわゆる登山道のような場所もあります。
石が滑ることがあるので、車力道を下りで利用する場合は気をつけたほうがいいかもしれません。
猫丁場のアート

車力道から少し離れ、猫丁場に到着しました。
猫丁場は鋸山復興プロジェクトによって整備された石切り場です。

猫丁場の名前の由来となった猫の彫り物がこちら。写真は猫がわかるようにコントラストなどを強めに調整しています。鋸山にある多数の石切り場には、職人たちが遊び心で文字や絵を彫ったそう。この猫は誰が彫ったのかはわからないとのことですが、新しい観光スポットとして整備されたそうです。

猫の反対側には、ハートのアート作品がありました。
こちらは鴨川市在住のアーティスト・空間開発研究所 飯田善郎ベンヤミンさんによるもの。観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業によるものだそうです。
う〜ん、ちょっと唐突な感じもするのだけど、若者受けがいいのでしょうか。

鬱蒼とした感の強い場所も歩きます。
鋸山は季節によってはヒルが出るそうです。また、暖かい時期はヒルだけでなくハチやアブ、マムシ、ダニなども出るそうなので服装や防虫スプレーなどの対策が必要になります。
この日は1月末ということもあり、虫には会いませんでした。
観音洞窟かリーゼントか

猫丁場のあと分岐を過ぎて、石切り場跡など採石の遺構を見ていくことにしました。

ヤマレコの地図で「切通し跡」とされる場所です。現地の観光案内板では「Y6石切り場跡(観音洞窟)」となっています。
な、なんか大きいぞ……。というのが最初に思った感想。

このブログでは基本的に写真は「横写真」と決めているのですが、画角に入らないので「縦写真」にしました。
案内板では「観音洞窟」とされていますが、ネット界隈では「リーゼントモアイ」などとも呼ばれているそう。たしかにリーゼント・・・、そう言われるとそう見えてしまいますね。

その案内板によると、このような形になったのは、良質な石材を求め地層に沿って奥や横に掘り進めていった結果(かなり要約してます)だそうです。
説明板による解説がなかなか興味深いので、時間があれば読んでみてください。

分岐や見所には道標が整備されているので、とくに迷うようなことはありません。ただ、それぞれのポイントまでは細かなアップダウンを繰り返すので少々疲れます。地味に体力を削ってくるので、軽食などで栄養補給していくのが良いようです。
岩舞台の安全㐧一

石切り場跡(岩舞台)にやってきました。気になるのは巨大な石の壁にある「安全㐧一」。というか「安王㐧一」。全の字の「八」の部分はあるのかないのか、無くなったのかはよくわかりません・・・。
ここは昭和60年まで採石を続けた最後の石切り場跡。石の広い空間は音が良く響くそうで、現在ではコンサートなども開かれるそうです。

安全㐧一の文字の上部はツルハシによる手掘りで、下部がチェーンソーで掘られた跡とのこと。よく見ると、ツルハシのザラっとした掘り跡と、機械による切り出しで平らになった石肌では、その違いがはっきりとわかりました。
でもそれよりも、色々書いてある文字の方が個人的には気になってしまいます。

放置され、元の色もわからない赤く錆びついた重機です。萌えますね。モノクロで撮っても良さそう。

ちょっとした散策路のような道を進むと展望スペースがあります。

岩舞台から見える海。職人さんたちはこの景色を見ながら作業をしていたのでしょう。

切り出された房州石は加工しやすく耐火性があるので、かまどや七輪などに使われたそうです。そのほか、横須賀軍港や靖国神社、早稲田大学などの建築にも使用されたそうです。
ラピュタの壁とその景色

そろそろ石切り場にも飽きてきた頃ですが、次は「ラピュタの壁」と呼ばれる石切り場跡へ向かうことにします。途中では写真のような急な階段も通ります。

ラピュタの壁が見られる石切り場にやってきました。ここはそれほど広い場所ではありません。

ラピュタの壁と呼ばれる鋸山最大の壁。垂直に伸びる壁の高さは96mもあるそうで、ここも石切り場の跡。竦むような高さの壁は、たしかにラピュタの壁のように見えました。

ここからの景色も素晴らしい。
霞んでなければ富士山も見られるそうです。

朝に見た浜金谷駅周辺の街並みや東京湾フェリー、金谷港、浦賀水道を挟んで対岸の三浦半島が見えていました。
日本寺の百尺観音

ここからは日本寺の境内です。拝観料は大人700円。北口管理所から入ると山頂エリアになります。

境内に入るとすぐに見えてくるのが百尺観音。世界大戦犠牲者の供養と世界平和のため、房州石に浮き彫りにされたそうです。昭和41年の春に完成、建立されたそう。百尺ということなので、高さはおおよそ30mでしょうか。
ちなみに、30mはマンションの10階〜11階くらいの高さだそうです。
日本寺、頂上展望台からの展望

次に目指すは地獄のぞき。千葉県の観光名所を検索するとだいたい上位に上がってくる場所です。

地獄のぞきが行列ができるほど混雑していたので、その先にある頂上展望台に来ました。

こちらは人が少なく、待ち時間もなく登れます。
手前から伸びているのは館山自動車道の木更津方向。

こんもりとした森越しに見える建物は、鋸山ロープウェーの山頂駅。
この日は1月中頃から行われる1年検査のためロープウェーは休止中でした。この休止期間は毎年あるようなので、1月頃に行かれる場合はHP等で確認してください。

あまり見ることのできなかった南側、南房総市の方角。

展望台からの眺めが思いのほか素晴らしく、なんなら鋸山の山頂には行かなくてもいいのではないか、と思わせる360度の展望が広がっていました。
地獄のぞきは......

山頂展望台から降りて散歩していると、地獄のぞきの行列がなくなっているのに気がつきました。ということで、ささっと地獄をのぞいてみます。

地獄のぞきは崖に張り出した岩場。しっかりとした手摺りが設置してあります。
ですが、地獄のぞきというネーミングから高くて怖いと思い込まされているので、かなりびびってます。

柵の外へ手を伸ばし真下を撮影・・・、手前の岩にピントがきてました。
確かに怖いけど、落ち着いてみれば「そんなに怖いかな?」って感じます。
ここからの景色は正面に富士山が見えるそうなので、下ばかりではなく周囲の景色を見た方が良さそうです。

北口管理所へ戻る途中、下から見た地獄のぞき。ということは、......ここは地獄なのか。

山頂エリアを楽しんだあと、大仏なども見る予定でしたが、「なんか、もういいか」となって鋸山の山頂を目指すことにしました。
実は、10時を過ぎて人が多くなってきたのと、トイレも大丈夫そうだし、何より大仏まで行くと往復で40分以上かかるので、日本寺は山頂エリアだけでOKということになりました。
東京湾を望む展望台

日本寺から登山道へ戻り、東京湾を望む展望台の分岐につきました。ここまでは狭く急な階段などもありますが、基本的には危険な場所はありません。分岐にはベンチなどががあり、広場のようになっているので多くの登山者で混み合っていました。

東京湾を望む展望台です。
先ほどの分岐から、少し登ったところが展望台です。それほど広い場所ではありませんが、なにより気持ちがいい。

何度か同じような景色を見てきましたが、こういう景色は飽きないものです。

ということで、記念撮影です。カメラはNikon Z5Ⅱ、レンズはNIKKOR Z 40mm f/2。
コンパクトで持ち歩きしやすいサイズですが、もう少し広角の方が石切り場や百尺観音などは撮りやすかったかも。でも、40mmは好きな焦点距離なので、画角の広さはそれほど気になりませんでした。

そう、こんなふうに景色を眺めていたくなる場所でした。

東京湾を望む展望台で景色を堪能したら、次は鋸山の山頂へ向かいます。今までと同様、登山道は整備されているので、難所などはありません。何度かアップダウンを繰り返し山頂へと続きます。
山頂は人でいっぱい

鋸山の山頂に到着しました。
山頂にはこぢんまりとした山頂標があります。
鋸山は、きざきざの山陵が大きな「のこぎり」の歯のように見えることから、その名がついたと言われています。ちなみに正式名称は、乾坤山(けんこんざん)というそう。また、鋸山の標高329.5mは、千葉県内で12番目の高さだそうです。

山頂は木に囲まれていて、景色が見られるのはこの方向のみ。

ちょっとの間に団体さんがやってきて、山頂は満員状態になってしまいました。
山頂は狭いので、そろそろ戻ることにしました。

山頂部分はあれでしたが、途中の登山道は気持ちの良い歩きが楽しめます。木々の隙間から差し込む光が、とても爽やかに感じました。

そして転びました。
写真の木の根に足を引っ掛けて、勢いよく地面にダイブです。
右手に持っていたカメラを地面にぶつけるわけにはいかないので、左手で体を支えようとしましたが、無理で顎を打ちました。
・・・大した怪我ではなく、ほんとに痛みもほとんどなかったんですが、転ぶ瞬間の情けない顔を妻に見られて精神的に深いダメージを受けました。
とほほです。
関東ふれあいの道で下山

それでは下山です。山頂から続く道が関東ふれあいの道です。そのまま道標に沿って、あじさい広場を通り駐車場へと戻ります。

石切り場の雰囲気が残る、休憩場所も通ります。

関東ふれあいの道は尾根伝いに麓から伸びる道です。途中、開けた場所からは周囲の景色を見ることができます。

振り返ると、日本寺の山頂展望台周辺が見えていました。

崖などには柵が設置されています。

登り返しもあります。うぐ。
ツリーハウスもありました

あじさい広場から脇道に入った先にあるツリーハウス。登っても大丈夫そうですが、やめておきました。
公式の地図には載っていないし、誰が作ったのかもよくわかりません。トイレで立ち話をした方が教えてくれたので、ちょっと見てきました。
*あじさい広場にはトイレがあります。
最後は観月台と階段です

あじさい広場のすぐ先にある観月台につきました。もうだいぶ下ってきた場所です。

観月台からの眺めはそれほどでもありません。半円の台のようなものから正面が少し開けているだけです。ちょうど開けた方角に富士山が見られるようですが、相変わらず霞んだままで近場の海と街並みが見えるだけでした。

観月台からは長い階段が続きます。歩幅が合わないと歩きづらいこともありますが下りなので問題なし。関東ふれあいの道で鋸山に登る場合は、はじめにこの登りがあるのでちょっと辛いかもしれないですね。
階段は、車力道との分岐まで続き、あとは来た道を歩いて駐車場へと戻ります。
今回は見どころいっぱいの登山でだいぶお腹いっぱいになりました。
おつかれさまでした。