だいぶ前に購入したレンズです。使用頻度はそれほど高くないのですが、なかなか手放す気になれず、思い出したように使うレンズ。柔らかく自然で情緒ある描写をします。
今回はPENTAX SMC TAKUMAR 35mm F2 のレビューなどを書いてみます。
<目次>
- スペック。
- SMCタクマー。
- アダプターを使って装着する。
- PENTAX K-1 MarkⅡに装着したところ。
- M42レンズでの撮影。
- フィルターとフード。
- ミラーレスカメラに装着。
- 35mmの沼へ。
- 作例のようなもの。
スペック。
PENTAX SMC TAKUMAR 35mm F2
(Super-Multi-Coated TAKUMAR 35mm F2)
- M42マウント
- レンズ構成 7群8枚
- 絞り枚数 6枚
- 最短撮影距離 0.4m
- フィルター径 49mm
- 全長×最大径 54×58mm
- 重量 242g
- 1971年発売
最短撮影距離が0.4mと今時の35mmと比べると寄れないのですが、実際に使っていて不便を感じたことはほとんどありません。フィルター径の49mmは、現行のレンズにも多く採用されている口径なので汎用性が良くていいですね。
SMCタクマー。
「Super-Multi-Coated」で「SMCタクマー」。
「Multi-Coated」のないSuper TAKUMAR の35mm F2もあります。Super TAKUMARの35mm F2はサイズが大きく希少価値があるのか人気で高額。そして滅多に見ません(ネットで画像を見ると凄くかっこいいです)。
PENTAXの古い35mmは他にもあって、調べるとなんだか使ってみたくなります。Nikonのレンズもそうですが、なぜかPENTAXの方が個性豊かな感じがして、ついつい欲しくなってしまうのです。
Auto Takumar 35mm f2.3なんてググると欲しくなって、でも見つかりません。見つかってもやっぱり高そう。なんだかんだ言ってSMC TAKUMAR 35mm F2あたりが無難で、個性のあるレンズだと思います。
このSMC TAKUMAR 35mm F2は、レンズの一部にトリウムレンズが使用されており経年変化によって黄変することがあります。購入したレンズもこの黄変がかなりある個体です。
黄変については、UV照射で解消することも出来るようですが、個人的にはこの黄変を楽しんで使っているのであまり気にしていません。
アダプターを使って装着する。
PENTAX K-1 MarkⅡに装着するために使っているのは、宮本製作のRAYQUAL M42-PK。M42マウントのレンズをペンタックスKマウントのボディに取りつけるアダプターです。黒のクロームメッキで取り外し用のキードライバーが付属しています。
アダプターについてはRICOH PENTAXの純正品「アダプターK」が現在も販売されていて、こちらはシルバーでカメラのマウント部分に馴染みます。
テフロンコーティングがされているとのことで取り付け、取り外しはスムーズ。
M42-PKは、絞り連動ピンの押し壁がついています。
絞り連動ピンについては、簡単に説明ができないので、ネットなどで検索して調べてみてください。M42レンズでは、製造メーカーの絞り連動ピンの仕様によって、アダプターとの相性で問題が起こる場合があるようです。
レンズを捻じ込めば、センターがちゃんと上きます(この写真ではわかりませんが・・・)。
気になったのはこの部分。ボディ側の電子接点が丸出しです。もちろんレンズは奥までちゃんと嵌めた状態。どのメーカーのアダプターでも同じようになるので、仕方のないことではありますが、「電子接点にカバーが付けられたいいのに」と思ってしまいます。
ということで、レンズを装着して電源をONにすると焦点距離の入力を求められます。OKボタンでも、シャッターの半押しでも選ばれている焦点距離が設定されるので、慣れてくると気にならなくなります。ただし、いつの間にか違う焦点距離になってしまっているときがあるので確認した方がいいです。
PENTAX K-1 MarkⅡに装着したところ。
ぱっと見の印象は、なかなかいい感じだと思います。
よく見れば、マウント部分のシルバーが見えていることが気になるのかもしれません。SMC TAKUMAR 35mm F2がPENTAX K-1 MarkⅡに対して少し細いのかなという印象。デジタル一眼レフの中ではK-1 MarkⅡはコンパクトな方だと思うのですけどね。
ミラーレスのカメラにつけるときのように、マウントアダプターの厚みで間延びすることがなく、デザイン的にまとまっているように思います。
M42レンズでの撮影。
M42レンズでは、絞りこみ測光になります。個人的な撮影の手順を書いてみます。
- カメラは絞り優先自動露出(AV)で、あらかじめ絞りリングの使用を「許可」にしておきます。
- またISOは100〜400くらいの間でセット、状況により変えていきます。
- 絞りを開放(一番明るい絞り値)でピントを合わせる。
- ファインダーを見ながら、だいたいの感覚で絞り環を回してセットする。
- シャッターボタンを押して撮影。
絞り値を目視で確認しないので、よく使うf/8なら7クリックと覚えておくようにしています。
状況によりグリーンボタンを押して、ISOもカメラ任せで撮影することもあります。
ミラーレスカメラで使うときの撮影とあまり変わりはありませんが、はじめのうちK-1 MarkⅡの独特な操作系を理解できずにミスを多発していました。慣れれば問題ないのですが・・・。
フィルターとフード。
保護フィルターには、ASAHI PENTAX銘のL39(UV)フィルターを使っています。
フードについては、角形のフードがカッコ良くて欲しいと思うのですが購入していません。しかし、欲しいと思って探すとなかなかない。「まぁ、いいかぁ」なんて思う時に見つけたりして、買わないでいると後で後悔するという、「中古あるある」の定番です。
品名はおそらく「PENTAX Takumar 1:2 35mm 1:3.5 35mm 角型メタルフード (49mm径)」どうしても欲しい場合は、ネットで見つけることもできるので通販するのもいいかもです。
ミラーレスカメラに装着。
ミラーレスカメラのNikon Z7IIにSMC TAKUMAR 35mm F2を装着してみました。
マウントアダプターはK&F ConceptのKF-42Zです。電子接点のない所謂ただの「輪っか」です。マウントアダプターは、そのデザインでカメラとレンズを組み合わせたときの印象が大きく変わります。好みの形のブランドを探すのもいいと思います。
35mmの沼へ。
好きな画角のレンズというのは増えてしまいますね。マニアの間で「レンズは生えてくるもの」とはよく言ったものです。
SMC TAKUMAR 35mm F2はsmc PENTAX-A 35mm F2よりもだいぶ前に購入していたので、35mmを増やす予定はありませんでした。なのにいつのまにか増えていました(笑)。不思議なものです。
作例のようなもの。
開放f/2で撮影しています。Exifには撮影f値が残りません。開放ではふわっとした描写です。
エモい写真を狙ってみました。おじさんにエモいは難しいです。虹リングが出ててオールドレンズらしく緩い写真になりました。こういうの撮りたくて手に入れたレンズでもあるので満足です。
手ぶれ補正もちゃんと効きます。シャッタースピードは1/5sなので、なかなかに強力な効き具合。絞りは深めで、たぶんf/8とかf/11ぐらいだと思います。
都会のビルのスナップです。こちらもf/8かf/11ぐらいかと。開放での柔らかさのままに、絞っても柔らかい印象で、周辺画質は絞り値に伴って向上します。f/16では回析現象で画質は低下するように感じます。繊細さのある描写ではありますが、オールドレンズらしい解像感です。
PENTAXのボディをお持ちなら、RAYQUAL。
もしくはPENTAXの純正。
NikonのZシリーズならこちら。もちろんK&F Conceptなら他メーカーのボディ用マウントアダプターも揃ってます。
そんなわけで、いつまたオールドレンズやM42マウントのレンズを購入してしまうかわかりません。
備えあれば憂いなしということで、マウントアダプターは持っておきましょう。
SMC TAKUMAR 35mm F2で撮影した記事です。