35mmの画角というのは、「なんとなく風景を眺めているときに見えている範囲」のように感じます。ぶらっと散歩しているときに「なんかいいな」と感じた、ふと見た風景。そんな情景を撮るのに向いているように思います。
今回はそんな画角のオールドレンズ SMC TAKUMAR 35mm F2で、洲埼灯台と野島埼灯台をスナップ撮影してきました。
<目次>
親しみある洲埼灯台。
洲埼灯台(すのさきとうだい)にやってきました。大正8年12月に点灯を開始した灯台だそうです。階段を登って見えてくる灯台の姿が印象的で、雰囲気がとてもいい所。現在は登録有形文化財になっているそうです。
灯台手前の広場で、アイドルグループのPV撮影が行われたことはちょっとだけ有名。そのほかアニメやドラマにも登場している、絵になる灯台です。好きな作品に登場しているかもしれないので、調べてみてはいかがでしょうか。
灯台に登ることはできませんが、広場にある眺望台からは富士山や伊豆大島、三浦半島などを眺めることができるそうです。
ですが、この日は雲が厚く、風も強くて眺望は全く望めませんでした。
観光客は他にいませんし、広場や眺望台はほぼ貸切状態。そんな中、荒れた波と曖昧に見える水平線は見ていて飽きませんでした。
洲埼灯台は高さ14.8m。その光は約34km先まで届くとのこと。
広場から見上げると、ちょっと可愛い雰囲気もあります。それほど大きな灯台ではありませんが、なんていうかこのくらいの佇まいが見ていて親しみが湧きますね。
35mmレンズのこと。
先ほどは「なんかいいな」と思う風景を撮るのにちょうど良い画角と言った35mmですが、そんな曖昧な感じで使うだけの焦点距離ではありません。徹底したリアリズムを求め、35mmレンズを使うこととした「絶対非演出の絶対スナップ」の土門拳は35mmレンズの愛用者です。
今でこそ、力を抜いて使っている35mmですが、影響されやすい若い頃は土門拳に習って、35mmレンズを意地になって使っていました。
もちろん、土門拳にはなれませんでしたけど・・・。
土門拳はどの写真もおすすめですが、今回は古寺巡礼のシリーズ。こちらは大判のカメラで撮影されているようなのでレンズの画角はわかりませんが、「平等院鳳凰堂夕焼け」や「室生寺雪の鎧坂金堂見上げ」などの代表作は別格の美しさです。
八角形の白い灯台、野島埼灯台。
野島埼灯台(のじまさきとうだい)は周囲に遊歩道が整備されています。この写真は海側の遊歩道から撮影したもの。
灯台の高さは約29m、光達距離は約32kmとのこと。野島埼灯台は2等レンズを使用しているので、大型の灯台に分類されるそうです。
八角形の白い灯台はとても素敵で、日本の灯台50選に選ばれているのにも納得します。
この野島埼灯台は登れる灯台ですが、朝からの強い風が止まず観覧中止のまま。結局この日は登ることができませんでした。
日本にある登れる灯台は16基。同じ千葉県にある犬吠埼灯台は登れる灯台で、高さ約31m。野島埼灯台よりも大型の灯台で、1等レンズを使用しているそうです。そのうちに訪れてみたい灯台です。
周辺をのんびりスナップ。
都市風景は嫌いではありませんが、生活圏を離れて気分転換をしたい。そんな気持ちがあるからか、山とか海とか、ちょっと人の少ない街とかの方が撮りたくなります。
野島埼灯台にはそれなりに観光客がいましたが、しばらく風景でも眺めていれば、人のいない景色を撮れるようになります。
何か特別なダイナミックな風景を撮りたいワケでもなく、そこにある何気ない風景をのんびりスナップするが気持ちよかったです。
それぞれの灯台へ。
洲埼灯台(すのさきとうだい)
〒294-0316 千葉県館山市洲崎1043
近隣に駐車場あり。
野島埼灯台(のじまさきとうだい)
<開館時間>
10月から2月
平日:9:00~16:00、土日祝日 8:30~16:00
3月から9月
平日:9:00~16:30、土日祝日 8:30~17:00
*8月10日~8月19日は8:30~16:30
<料金>
中学生以上300円。
近隣に無料駐車場あり。
営業時間等が変更される場合があります。詳しくは公式サイト等でご確認ください。