猫ノ目わたるブログ

風景、野鳥、花・山野草。日々、撮影した写真をもとに書いてます。

オールドレンズ、W-NIKKOR・C 3.5cm F2.5 をレビューします。

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今回はお気に入りのオールドレンズの一つ、W-NIKKOR・C 3.5cm F2.5をレビューしてみます。

 目次

 

W-ニッコールC35mmF2.5の基本スペック。 

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W-ニッコールC35mmF2.5(ライカLスクリューマウント、L39)

最大絞り f2.5

最小絞り f22

最短撮影距離 0.9m

重量 153g

フィルター径 34.5mm

 

どんなオールドレンズ?

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W-ニッコールC35mmF2.5には、ニコンレンジファインダーカメラ用のSマウントとライカLスクリューマウント(L39)用があります。

 

このレンズは1952年(昭和27年)に発売。

レンズの構成は4群6枚のガウスタイプ

当時としては最も明るいレンズでした。

 

設計は東秀夫氏。その後に販売されるWニッコールC3.5cmF1.8、WニッコールC2.5cmF4も東氏が設計しています。

WニッコールC3.5cmF1.8は、1956年に発売。

ちなみに、ライカのズマロン35mmがf3.5からf2.8になるのは1958年。ズミクロン35mmf2は1958年になります。

 

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f2.5はあまり使いません。フレアーがちょっと強いので。

 

その優れた設計を証明するように、改良が加えられ水陸両用のカメラ、ニコノスの標準レンズとして長い期間販売されていました。

 

ニコンレンズといえば「ニッコール千夜一夜物語」ですね。

こちらを参考にさせていただきました。

www.nikon-image.com

 

ニコノスは一度は使ってみたいカメラ。

www.nikon-image.com

  

SONYのEマウント、ミラーレスカメラに装着。

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SONY α7Ⅱ、 α7RⅢ(現在所有のボディ)にマウントアダプターを使いライカMマウントに変換。そこに、ケンコーのL/M変換リングを使って、レンズを装着します。

 

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マウントアダプターL/M変換リング付き、保護フィルター、レンズキャップ、レンズ。


 カメラ、マウントアダプター、SDカードにバッテリー、ストラップなどを付けた重量は950g。

レンズ単体の重さは実測で153gです。

小さいレンズですがしっかりと質量を感じるレンズです。

 

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使いやすい 35mmはコンパクトで実用。オールドレンズなら尚いい。

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f2.8で撮影。全体に少しフレア感があります。四隅はピントが甘い感じ。

このレンズのいいところは、コンパクトで目立たない存在でありながら、所有欲を満たしてくれるところ。また、35mmという普段使いしやすい画角なので、気軽に持ち出せることです。

「目立たない」と言いましたが、カメラが好きな人の目線は感じますね。

この柔らかく優しい描写のオールドレンズを、ミラーレスカメラにヘリコイドアダプターを使うことによって実用性あるものにしています。

RAWで撮影して現像すれば、もっと表現の幅は広がります。

もちろん、デジタルでありながらこだわりのモノクロ写真に仕上げることもできます。

 

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W-ニッコールC35mmF2.5はモノクロにしてもいい雰囲気です。

CaptureOne21で現像。

よく使う絞りはf4と絞ってf8かf11。

画面の中に主題があり、背景をボカして浮き立たせたいときには f4。

全体にピントを合わせたい風景の場合は f8か f11を使っています。

 

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絞りはf8。CaptureOne21で現像。

f8で。周辺部も含め全体にシャープな印象に。ですが、現代のレンズのようにコントラストの高い描写ではなく、オールドレンズらしい雰囲気を持っています。

f16やf22では繊細さが崩れてきて、画質の低下を感じます。絞りすぎると回析の影響でシャープネスが失われるからだと思います。

 

絞りの操作とピント合わせについて。

絞りは2.5、2.8とそれ以降は1段ごとにクリックはあるものの、絞りの間隔は狭くなるタイプ。最小絞りは22です。

 

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操作感はいいものの、ピントを合わせてから絞りを操作すると、ピントリングが動いてピント位置がずれてしまいます。

絞りリングはクリックでほどよく止まるのに対し、ピントリングの方が滑らかに動いてしまうのが原因で、もともとの操作(ライカボディにつけての使用)を考えるとこれは仕方のないことなのかもしれません。

ただ、絞りをf8以上に絞っての実絞りでは、ピントの(ピントの合っている範囲が広いため)山がつかみづらく、一度 f4程度でピントを合わせ、ピントリングが動かないように気をつけながら、希望のf値に合わせるという方法をとっています。

 

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レンズの下側にも絞り値の刻印があります。

絞り値はレンズの上側と下側に刻印があります。

ピントリングを最短側に合わせると、絞りリングが180度近く回転するためで、上からでも見ながら絞り値を確認しやすくするための工夫です。

 

最短撮影距離はヘリコイド付きマウントアダプターで対応。

このレンズ単体の最短撮影距離は 0.9mです。テーブルフォトや花の撮影などを考えると使いづらいですね。

ちなみにSONYの現行レンズ、SEL35F28Zの最短撮影距離は0.35mです。

 

マウントアダプターは、フォクトレンダー(Voigtlander)のVM-Eクローズフォーカスアダプターを使っています。

このマウントアダプターは4ミリの繰り出し量のあるヘリコイドを内蔵しているので、最短撮影距離を縮めることができ、L39マウントのレンズのように最短撮影距離が長めのレンズでも一眼レフカメラ用レンズの感覚で寄りの撮影ができるようになります。

 

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レンズのピントリング最短撮影位置とマウントアダプター VM-E CloseFocusAdapter のヘリコイドの最大繰り出し量 4mmの状態。
 

伸ばした最短撮影距離で撮ってみる。

レンズの最短撮影距離0.9mに、マウントアダプターのヘリコイド最大繰り出し量の4ミリでのを合わせた状態で撮影してみます。

実測でレンズの先端から被写体まで約25.5cmまで寄れるようになります。

これなら、カフェでのテーブルフォトも可能です。

ヘリコイドで最短撮影距離を伸ばしても、極端に画質の変化はありません。

 

マウントアダプターのヘリコイドを伸ばした最短撮影距離で撮影した画像はこちら。

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SONY α7Ⅱ + VM-E CloseFocusAdapter + W-NIKKOR・C 3.5cm F2.5

CaptureOne21で現像、トリミングなし。

レンズのみでの最短撮影距離 0.9mでは、撮影しづらいシチュエーションもでてきてしまうため、ヘリコイド付きマウントアダプターの使用をおすすめします。

 

個体差があるので吟味して購入。

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写真ではスカッと抜けて気持ちいいですが、ちゃんと見るとレンズ内に拭き跡があります。ぱっと見クモリなどはないですが、状態としては並といったところです。

 

 70年近く前のレンズになりますので、個体差があるのは仕方のないところ。

レンズ内のくもりやキズ、 絞りリング、ピントリング(ヘリコイド)の状態、外観など、よくチェックしましょう。

自分が気に入った個体を見つけたら、多少の高値でも購入した方がいいと思います。何せ古いものなので、状態の良いものは減り続けていますから。。。

 

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海外に旅立つものも多くなっているそうです。

 

オールドレンズはちょっと、、、という人には。

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フードを社外品に変えています。

35mmの画角で f2.8。AFが使えます。

現在販売中のレンズの中では地味な存在のSEL35F28Z。

スペックには現れませんが、とっても使いやすい。

肩肘張らずに散歩の友として、オールドレンズよりも便利なこちらもおすすめです。 

ボディの方も紹介しておくと、

扱いやすいファイルサイズ、広いダイナミックレンジはこちら。

高画素がよくて、大きくプリントもしたいならこちら。

しかも背面液晶も新しくなってリニューアル。

もっと高画素機もありますが、僕がおすすめできるのはこの2機種です。

 

W-ニッコールC35mmF2.5レビュー記事は他にもあります。

snowvalley.hatenablog.jp

 

snowvalley.hatenablog.jp

 

snowvalley.hatenablog.jp