新しく登場したPENTAXのカスタムイメージの「Gold」。ハイライト部へは黄色味がかかり、シャドー部は青味を帯びるというもの。ノスタルジックなイメージといえばいいのか、哀愁とか黄昏とか、古びたプリントの写真を思い出す色合いです。個人的にとても惹かれるカスタムイメージなので、入笠山の登山で使ってみることにしました。
<目次>
カメラの設定について。
少し前に公開された、PENTAXの新しいカスタムイメージ「Gold」。SNS等で見かけるようになって、興味が湧いてしまい自分でも試してみることにしました。
カメラはK-1 MarkⅡ、レンズはHD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedの組み合わせ。カメラの設定は、絞り優先(AV)モードで絞りの操作以外はカメラ任せ。測光方式はスポットです。
その他の設定は以下のとおりになります。
- ハイライト補正:オート
- シャドー補正:オート
- 長秒時NR:オート
- 高感度NR:オート
- 明瞭コントロール:0
- HDR撮影:オフ
- ディストーション補正:オン
- 周辺光量補正:オフ
- ローパスセレクター:オフ
- Shake Reduction:オン
- ホワイトバランス:オート(AWB)
この記事内の写真はjpeg撮って出しをブログ用にリサイズしています。
「Gold」で撮影開始。
撮影に訪れたのは、入笠山(にゅうかさやま)。長野県の中西部にある山で標高は1,955m 。山頂近くまで、ゴンドラで登れることができるので、体力に自信のない方や初心者でも比較的安心して登れる山になります。
カスタムイメージ「Gold」の第一印象は「黄色だなぁー」。黄変したオールドレンズで撮っているような気になります。しばらく撮っていると、それだけではないことに気がつくのですが、それでも黄色味はかなり強く感じます。
じっくりと写真をみると、「もともとはどんな色だっけ?」なんてことになるので、同時記録でRAWデータも残しておいた方がいいかもしれません。個人的には、Goldの持つ雰囲気は好きなのですが、撮影した写真がすべてこれでいいのかと言われるとちょっと考えてしまいますね。
この日の天気は曇り時々晴れ。雲の多い空で、ときおり晴れ間がのぞきます。光が当たっている緑の部分が黄色くなってしまうので、だいぶ現実の色とは違ってます。
ゴンドラ山頂駅から10分くらいのところにある入笠湿原。木道が敷かれているので歩きやすいです。春から秋にかけていろいろな種類の花が咲くので、山野草が好きならおすすめの撮影スポットです。
ちょっと早めの昼食です。山菜そばですが、これはこれで雰囲気があっていい感じの色に撮れてます。もちろんリアルな色とは違うのですが、イメージとしてはあってるように思えます。
ちょっと古びた山小屋のランチスペース。よく言えばフィルムで撮ったような感じでしょうか。でもやっぱり違いますね。Goldはハイライトとシャドーがある写真だと、より雰囲気のよいものになるような気がします。
ゴールド?、黄色味?、アンバー?、懐かしいと言えばいいのでしょうか。
キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環)はたしかに黄色の花なんですが、Goldで撮るとだいぶ雰囲気が違ってしまいます。
陰影のある写真の場合はとっても好みの色合いです。
山頂にて。
入笠山の山頂です。雲の切れ間を狙ってなんとか撮れました。だいぶ個性的な色になってます。
山頂からは、富士山をはじめ、北アルプス、中央アルプス、南アルプスと広く山岳風景が見られるということですが、この日は雲が多くて視界はまったくダメでした。天気はともかく、たくさんの花を見ることができて、涼しい山歩きが楽しい登山でした。
大阿原湿原へ。
鹿に遭遇しました。
入笠山も鹿の食害が多いらしく金網とゲートがあったのですが、その外側で鹿に会いました。人に慣れているのか、フルサイズで焦点距離31mmのレンズのこの距離で逃げません。危険はないと思いますが、これより近づくのはやめておきました。
大阿原湿原で「Gold」
大阿原湿原(おおあはらしつげん)に到着しました。
それにしても緑が黄色。でもだんだんと慣れてきて、こんな感じだったと思うようになってきます。もちろんRAWデータの写真と並べれば、違いは歴然としているのですが。
ちょっと暗い場所での撮影ではハマる色味だと思います。
期限切れのフィルムで撮ったらこんな感じでしょうか。そんなことないか。森の写真でいうのも変ですが、昭和っぽい色合い。
今回は撮影中に設定を変えませんでしたが、ホワイトバランスを青味の強い「電球色蛍光灯」や「白熱灯」にしたり、マニュアルでK(ケルビン)を設定するのもいいかもしれません。被写体に応じて調整すると、より雰囲気のいい写真になりそうです。
このカットのみ、jpegの画像をキャプチャーワンで明るさを調整しています。手前の湿原の緑から山肌は暗く潰れ気味だったのですが、シャドー部になるのでブルー味が強い。こういう雰囲気は大好物。撮影時にカスタムイメージのパラメータを調整するなど、腰を据えて撮影するのもいいかもしれないですね。
大阿原湿原からゴンドラ駅に戻る途中にある展望台。雲に隠れて見えずらいですが、八ヶ岳です。
なんだか紅葉がはじまった森のようですが、実際はもっと青いです。これはこれで心象風景と言えばいいのではないかと思えてきました。
アンダー目に撮るといい感じ?
黄色の花なら問題ないのかと思えば、そうでもない。やっぱりGoldの世界になってしまいます。
カスタムイメージ「Gold」で撮影した写真を見ていて思い出したのは、自宅の暗室でカラープリントをしていた頃のこと(歳がバレますね)。色味の調整とかを間違うとこんな感じのプリントになったように思います。なんだか懐かしい気分になりました。
入笠山について。
今回のカスタムイメージ「Gold」での撮影で訪れた入笠山へは、富士見パノラマリゾートを利用しました。富士見パノラマリゾートへは車利用で、中央道諏訪南ICから約7分。駐車場は無料。24時間入場可能です。ゴンドラ利用料は往復で2,000円と安くはありませんが、標高を一気に稼ぎ、平地の蒸し暑さから逃れることができる価値はあると思います。
やっぱり楽しいPENTAXのカメラ。
一眼レフデジタルカメラ、PENTAX K-1 MarkⅡ。光学ファインダーで見るリアルな風景や、シャッターを切ったときのメカニカルなフィーリング。撮ること自体が楽しい、そんなカメラです。
ミラーレス全盛の今の時代にこのカメラを選ぶ意味を説明するのは難しいのですが、やっぱり「いい」のです。
レンズのHD PENTAX-FA 31mmF1.8 Limitedは、広角レンズとはいえ、広すぎない31mm。寄りから引きまでオールラウンドに使えます。
カスタムイメージ「Gold」のように個性的な「色」で写真を楽しむのもいいものですね。これからもRICOH PENTAXに期待してます。