ボートが浮かぶ憩いの場、洗足池。
<目次>
- 洗足池の現在も確認できる水源は、清水窪湧水。
- 桜のプロムナードとして案内されています。
- 清水窪湧水までの暗渠道を歩く。
- 東急目黒線で一度、途切れます。
- 清水窪湧水のある清水窪弁財天。
- 参考にしている本。
洗足池の現在も確認できる水源は、清水窪湧水。
ボートハウス内にある案内所で、洗足池の水源となる湧水の場所が書かれているプリントを見ました。このプリントは、岸田勇会長製作の大正8年頃の洗足池付近の記憶図ということで、それによると水源は4箇所。
ムジナ窪の湧水、長原の湧水、千束八幡神社の傍(出穂山[デボヤマ]?)からの湧水路、そして清水窪の湧水となっていました。
その他、長原街道(現在の中原街道)を潜り、洗足駅の南側に流出していく流れが書かれていました。
ということで、現在も湧水として確認のできる、清水窪湧水まで洗足池から歩いてみることにしました。
洗足池に注ぎ込んでいるのがわかる箇所。
洗足池辨財天のある小島に渡る橋の近くにあります。
同じ位置からの逆側で、湧水側の方向。
鯉が大きくて、ちょっと怖い。
桜のプロムナードとして案内されています。
湧水路の柵にある案内板。
この「桜のプロムナード」と名付けられた道をたどり、清水窪湧水まで歩くことにしました。
桜のプロムナードは桜と水をテーマとし、清水窪湧水から、洗足流れ、旧内川などをとおり、大森ふるさとの浜辺公園まで全長、約9kmの散策路です。
右手側は桜山。左は遊具などがある洗足池児童公園です。
公園の出口とともに、湧水は暗渠の中へ。
9月だったので雑草が茂っていて、開口部が見えませんでした。
清水窪湧水までの暗渠道を歩く。
写真の左下部分の緑の部分が、暗渠の開口部。つまり左に行けば洗足池です。
桜のプロムナードは画面の左上方向に行く道でも、公園から出てまっすぐに進む、画面右上方向でも、どちらでも可。
画面右方向の上り坂からも水の流れる音がしています。
まだはじまったばかりなのに、どの方向から来るのが水の本流なのか迷う感じです。
公園の出口から、道なりにまっすぐ進みました。
といっても、この先をすぐに左に曲がり、先ほどの左上方向に行く道(こちらも桜のプロムナードです)と合流します。
(左に曲がって、またすぐを右にいくことになります。)
ちょっと振り返ってみたところ。
茂みの向こうが洗足池。
合流して、桜のプロムナードを歩きます。
ここからは、ほぼ道なり。
手押しポンプのあるお家がありました。
道沿い(ただし個人宅の敷地内)にあるので目立ちます。
手押しポンプも暗渠サインの一つと聞いているので、見つけると嬉しいですね。
道路、歩道、植え込みとなっていますが、暗渠はどのあたりなのでしょうか。
道はあっているので、間違いないのですけどね。
歩道の突き当たりに千束児童遊園が見えています。
千束児童遊園です。
東京「暗渠」散歩、本田創 編著 によれば、この公園は暗渠の上に作られたそうです。
でも、かなり大きなイチョウの木が植えられています。道路側の下が暗渠ということなのでしょうね。
ちょうど道路工事中のため、警備員さんの荷物なども置かれていて騒がしい感じでした。
東急目黒線で一度、途切れます。
線路を迂回するため、清水窪歩道橋をわたりました。
このT字路、画面左方向が清水窪湧水。
奥の方が歩道橋。
反対の、手前方向に進むと大岡山の駅になります。
左右を石垣に挟まれたコンクリート部分。マンホールが3つもある。
もしかしたら、かつてここは開渠になっていて線路の下を通る水路が見えたのでしょうか?
線路の反対側に千束児童遊園があるあたりです。
清水窪湧水側から見た線路。
道的には、このまままっすぐ線路を潜った方が納得できるのだけど、どうなんだろう。
線路を迂回するには、清水窪歩道橋を渡るほか、大岡山駅を超えた先の道もあるようです。
案内板には、
〜道路の下を清水窪湧水の水が洗足池へ流れています〜
と書かれています。
この道路の下に流れがあるというが…
あらためて振り返ってみる。
進行方向の右側の壁が高くなってきました。
この壁は清水窪小学校のものです。
ピンクベージュに塗られた壁が徐々に高くなって、コンクリート打ちっぱなしの高い壁になります。
ここは、環七側から下がった谷筋を歩いていることになります。
交差点で振り返り、高くなった清水窪小学校の擁壁を確認します。
この交差点の四角いマンホールから、水の流れる音が特に大きく聞こえてきました。
アスファルトにも桜のプロムナードの案内プレートがあります。
この突き当たり、T字路を左に曲ります。
T字路から清水窪湧水方向を見たところ。
少し進んだところ、木が茂っているところが清水窪湧水のある清水窪弁財天になります。
そして、T字路を振り返ったところ。
到着です。
写真のちょうど人が歩いているあたりがそうです。
清水窪湧水のある清水窪弁財天。
入り口から階段で下がるようになっていますが、手前の坂の低いところと同じくらいの高さになります。
清水窪湧水は、私有地で所有者の善意によって開放されているそう。
東京の名湧水57選の一つに選ばれています。
清水窪弁財天の後ろ側に当たる道は、目黒区と大田区の県境になっています。
清水窪弁財天は三方を小高い土地に囲まれた窪地になっていて、この場所は武蔵野台地が浸食されてできた窪地であり、洗足池から続く谷の終点になります。
清水窪弁財天は、江戸時代の初期の頃にこの土地の所有者である岸田家の先祖が、この地にこもる霊気を感じとり祀られたそうです。
弁財天の横にある滝は、地下水を汲み上げたものをポンプで循環させているそうです。
演出と分かっていても、滝の音がするのは雰囲気があっていいですね。
弁財天を囲む池には鯉の他に亀もいました。
三社大口真大神と天圀蔵五柱五成大神としてお祀りされているお社。
大きな木の根本から水が染み出していました。
流れているのがわかるので、それなりの水量があるようです。
奥の方にも同じように水が染み出している箇所がありました。
天大圀主之命として祀られているお社もありました。
洗足池から清水窪湧水までの暗渠を、桜のプロムナードに沿って歩いてみました。
場所によっては左右を急な坂道に挟まれているところもあり、歩いているところが谷になっているのがよくわかる箇所もありました。
写真を撮りながらゆっくり歩くと、30分から45分はかかります。
googleマップで調べると約1.1km、13分くらいなので、散歩として歩くならそれほど遠くでもないでしょう。
ちょっと時間のあるときにでも、訪れてみるのはいかがでしょうか。
参考にしている本。
こちらの本ですが、帯に「タモリさん推薦!坂道をブラり歩けば、スリバチに通じる!」とあったので間違いないと信じています。
清水窪弁財天の谷、小池の窪地についてのページは散歩にも訪れる場所なのでとても勉強になりました。