NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sはニコンから発売されている人気の広角ズームレンズです。ワイド側14mmという超広角からはじまり、テレ側は30mmまで。軽量、コンパクトなサイズで全域f/4の開放絞り、円形フィルター装着可と扱いやすい仕様となっています。今回はニコンZ6IIに装着して石神井公園を散歩しながら撮影してきました。
<目次>
気軽に散歩写真。
この日の天気は、雲に覆われてはいるものの光がまわっていて明るい感じがしました。カメラを持っての散歩で、気軽に写真を撮っています。
この写真はRAWデータからの調整で、水面に写る枝や葉などを明るさ、コントラストなどを調整しています。
RAWデータはキャプチャーワン(CaptureOne21Pro)で調整、書き出しをしています。jpegは撮って出し。いずれのデータもトリミングはなし、ブログ用にリサイズのみしています。
東京都立石神井公園(しゃくじいこうえん)は野鳥撮影・バードウオッチングでは有名な公園で1年を通して野鳥を観察することができます。
緑の多い公園には三宝寺池と石神井池の2つの池があり、三宝寺池は湧水池として知られています。石神井池はボート池とも呼ばれ、ボート乗り場と売店があります。
どちらの池にも野鳥は多くみられますが、三宝寺池の方が自然に近い環境が多く、こちらの方が遭遇率は高いと思われます。
上の写真は石神井池にある、中の島にかかる橋になります。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sの使用感。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sの簡単なレビューをしてみたいと思います。
ズームは超広角の14mmはじまり。このワイド側14mmがとても優秀。RAWデータにも解除できないデジタル補正が適用されているそうですが、不自然な感じは全くしません。14mmの強いパース感はあるものの四隅に不自然な流れはなく、画面全てがシャープな線を結びます。
それほどの広角でありながら、フィルター装着可なのも凄いところ。PLフィルターや保護フィルターをつけて撮影ができるのは、さまざまな用途に持ち出しやすい仕様だと思います。ちなみにフィルター径は82mmで珍しいサイズではありません。
また最短撮影距離が28cmで、カフェやレストランなどで席を立たずにテーブルフォトを撮ることができるのも便利です。
レンズは沈胴した状態で全長85mm、最大径は89mm、重量は485g。カメラバックへの収まりもよく、今回のような散歩写真にも気軽に持ち出せます。また防塵・防滴に配慮した設計で、本格的な風景写真にも使いたくなるレンズといえます。
また、Z30やZ 50、Z fcなどのボディと組み合わせれば、フルサイズ換算で21-45mmの準標準レンズになります。
ただ、どうしても気になるといえば、フードの径が大きく、撮影後に逆さに装着しても、カメラバックに収納しづらいところです。たいした手間ではないので、僕はフードを外して収納しています。
せっかくのズームなので、いろいろな焦点距離を使って変化を楽しんでいます。
手軽に使える広角ズームは被写体を選ばず、使い勝手が良く、汎用性が高いと思います。超広角の14mm側が注目されていますが、ズームの中間域も綺麗な描写をするので、積極的に使いたくなります。
こうやって14mmと30mmを撮り比べると画角の差が凄いですね。
レビューサイトなどを読むと、30mm側の画質が良くないと指摘されていますが、実際のところは「ちょっと甘くなってるかもな」ぐらいにしか感じません(というか、ほとんど気にならない)。もともと柔らかい描写の方が好きで、等倍鑑賞には興味がないので、気にならないのかも。
絞り開放からの描写もよく、逆光に強いことの方が利点だと思います。
サジタルコマフレアもよく抑えられているそうで、開放から使える超広角ズームとして、星の撮影にも向いていると思います。
意図的にコントラスト、彩度を強くしてインパクトのある写真にしてみました。
現在は地下水を汲み上げている三宝寺池。
石神井公園の三宝寺池は、かつては涸れることのない池と言われていたそうですが、周辺環境の都市化がすすみ枯渇してしまいます。
昔は地下からの湧水が豊富で真冬でも凍らない池だったそうです。
ISOが1800とちょっと高めなのは、設定を間違えてしまったからです。
で、すぐに気がついたのですが、ISO1800をあらためて見てもとくに画像のノイズなどは見られず気になりません。Z6IIの高感度は本当に優秀で、まだまだISOを上げても常用できると思います。
テレ側30mmでの描写。
テレ側30mmを使ってアジサイの花に寄ってみました。フルサイズではけっこうボケるのでf/11まで絞ってみました。
絞りを深くとったからなのか、ピントの合っている箇所はシャープに描写されています。
こちらは中央部分の拡大ですが、全てにピントが合っているわけではなく、合焦部分からちょっと離れただけで、ボケがはじまっているのがわかります。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sのテレ側30mmの解像力も十分だと思います。
同じくテレ側30mm。日陰の柔らかく、しっとりした光で撮影。
枯れかけた葉先、葉脈の雰囲気が綺麗に撮影できました。
30mmっていう画角もなんだか、いい感じ。28mmよりもちょっとだけ長いっていうのがいいんでしょうね。
NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sの撮って出し、モノクローム。
トーンがなめらかで素敵です。木の根元の草の一本一本も繊細に描写されています。
このレンズ、万能だなと思いました。
水面を滑るように移動していくカモにピントを合わせて撮影。ボディとの組み合わせもあると思いますが、AFは素早く合焦。作動音はほとんどしません。
僕は動画を撮らないのでなんとも言えませんが、動画でも十分に使えるのではないでしょうか。
レビューのまとめ。
ニコンのZマウントの実力を見せつけてくれるレンズです。コストパフォーマンスに優れ、広角側はこれ一本あれば事足ります。
じっくりと三脚に据えて風景と対峙するような撮影にも持ち出したくなるレンズですが、気軽にパシャパシャとスナップ撮影も楽しめる。なんだか欠点のないのが欠点のような気もしてきました。
S-Lineのレンズの名に恥じない素晴らしいレンズだと思います。
中を覗くと、1枚目にある非球面レンズの内側の、独特な形状がわかります。非球面レンズやレンズ構成については語れるほどの知識はありませんが、レンズの中を除いたときの個性的な曲面に色気を感じます。
そんな前玉に保護フィルターをつけるなら、値段はそれなりですが高性能なものをつけた方がいいでしょう。せっかくの逆光耐性も安価な保護フィルターでは台無しです。
僕は奮発して、ニコン純正の保護フィルター、アルクレストをつけてます。
レンズは変わりますが、同じ日に野鳥撮影した記事もあります。