猫ノ目わたるブログ

風景、野鳥、花・山野草。日々、撮影した写真をもとに書いてます。

NIKKOR Z 14-30mm f/4 S ニコンZマウントの広角ズームレンズをレビューしてみました。

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ニコンZマウントの超広角ズームレンズです。ワイド側の焦点距離を14mmとしながらも、フィルター装着を可能とし、これまでの超広角レンズにはない軽量・コンパクトさで使い勝手に優れたレンズです。実際に1年以上使用して、今回あらためてレビューします。

<目次>

 

S-Lineのレンズ。

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは2019年4月19日発売のS-Lineに属した超広角ズームレンズ。ちなみに「S-Line」のSには、「優れた(Superior)」、「特別な(Special)」、「精緻な(Sophisticated)」の意味が込められているそうで、その銘に恥じない高性能なレンズだと思います。

Z マウントレンズの「S-Line」の意味について | Q&A・よくあるご質問 | サポート | ニコンイメージング

 

主なスペック。

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sの主なスペックを書いてみます。

  • 大きさ:太さ(最大径)約89mm。長さ(沈胴時)85mm。
  • 質量:約485g。
  • フィルターサイズ:82mm。
  • 絞り:f/4〜f/22、7枚(円形絞り)、電磁絞り。
  • 最短撮影距離:ズーム全域で0.28m。
  • 最大撮影倍率:0.16倍。
  • インターナルフォーカスを採用しているので、撮影時のAFによる全長変化はありません。

これだけの超広角域をカバーしているのに、驚きのサイズだと思います。重さも485gと軽く、しかもフィルターが使用できる。開放絞り値を4と抑えているとはいえ、Fマウント時代には考えられないものです。

 

フィルター系は82mm、防塵・防滴に配慮。

フィルター径は82mm。焦点距離14mmでもフィルターが使用できるのは、風景写真で多用されるPLフィルターやNDフィルターなどを手軽に使えるので嬉しいですね。

僕はそこまでガチの風景を撮ることはありませんが、普段使いがメインだからこそ保護フィルターを付けておきたいと思っています。

レンズはもちろん出目金ではありませんが、かなり前の方にあり、径も大きいので、心配な方は保護フィルターを付けておいた方がいいかもしれません。

またシーリングを各所に施した防塵・防滴に配慮した設計ですが、繰り出し式のズームなので、過信はしないほうがいいと思っています。

 

フードにはロック機構はありませんが、節度があるバヨネット式。取り外しはスムーズで、横には滑り止めにもなるギザギザがデザインされています。

 

左:フード+レンズキャップ。右:フード装着状態からレンズキャップを外したところ。
左:フードなし+フィルターあり。右:フード、フィルターなし。

フード、フィルターの取り外しは三脚に固定しているのであればスムーズにできると思います。

 

シンプルながら、わかりやすいように白いポイントの指標がデザインされています。迫力のあるフードはデザイン的にもカッコいいと思うのですが、カメラバックなどに収納するときには邪魔になるので、外してから入れるようにしています。逆さ付けすることも可能。

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sのフードの型番は、バヨネットフードHB-86です。

 

撮影状態とズームリングについて。

左から収納状態、14mm、30mmで、14mmの位置が一番長くなります。

ズームでの伸縮では、沈胴時は約85mm。ワイド側14mmの撮影時に約112.9mmとなります。それほど長くなるわけではないので、伸縮によって重量バランスが悪くなるようなことはなく、手持ち撮影でも問題ありません。沈胴時には固めのクリックストップが効いていて、何かの拍子にズームが伸びてしまうようなことはありません。焦点距離目盛は、上から見て左から30、24、20、16、14mmです。

 

沈胴時にカメラ側のメインスイッチをONにしても、警告メッセージが表示されシャッターは切れません。そこからズームリングを回し、14mmのワイド側で撮影可能。そのまま回して30mmまでズームします。

沈胴時のクリックストップのほか、14mm位置にもクリックストップがあるので焦点距離目盛を確認しなくても指の感触でわかります。14mmから30mmの間には、他にクリックストップはありません。

個人的には、沈胴状態からズームリングを回してすぐが30mmだったらよかったと思いました。これは好みの問題ですが、いきなり14mmはそうそう使わないので、使用頻度の高い30mm側が回してすぐに欲しかったです。

 

沈胴状態からズームリングを回さないと撮影できないという仕様も、慣れてしまえば気になりません。ボディのスイッチONと同時にズームリングをガッと勢いよく回しても、作りのよい鏡筒のおかげでガタは出ていません。もちろん程度にもよりますが、耐久性も十分あり長く使える安心感があります。

 

Nikon Z6IIにNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sを装着したところ。

レンズ購入の動機は描写やスペックのほか、見た目も大事だと思います。好みのデザインかどうかは実際ボディに付けてみないとわからない。ということで、Nikon Z6IIに装着した画像をアップしてみます。

 

なかなかカッコいいと思うのですがいかがでしょうか。

 

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sで花を撮影してきた。

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sで撮影した花の写真。

Nikon Z6II + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
ISO100 , 1/640s , f/4 , 14mm , RAW

本当はもっと、山とか川とか海とかのダイナミックな写真をお見せするべきかと思いましたが、普段使いではそんな風景写真はそうそう撮ることはありません。ということで、ここでは花の撮影をしてきました。(ダイナミックな風景写真は他のレビューサイトやブロガーさんのところを検索していただけると幸いです。)

 

Nikon Z6II + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
ISO100 , 1/160s , f/8 , 22.5mm , RAW

RAWデータはキャプチャーワンで調整して書き出し、jpegは撮って出しです。それぞれ、ブログ用にリサイズしています。トリミングはしていません。

Nikon Z6IIはダイナミックレンジが広いので調整しやすく、逆光で撮影したものでも自然な雰囲気のまま調整できるのがいいですね。

 

Nikon Z6II + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
ISO100 , 1/320s , f/4 , 30mm , RAW

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは最短撮影距離が0.28m。思ったよりも寄れるレンズで、かなり小さい花でない限りは不満はありません。開放f/4でもピント面はそれなりにシャープです。描写で気が付いたのは、30mm側だとちょっと甘くなるのかと思う程度。光の状態やISO、シャッタースピードでも印象は変わるので、よほどのことがない限り気になるようなことはないと思います。

 

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sで撮影した花の写真。

Nikon Z6II + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
ISO100 , 1/400s , f/4 , 30mm , RAW

開放f/4の超広角ズームレンズなのでボケ味に期待はしていなかったのですが、なかなか綺麗なボケで、スッキリとした印象があります。花以外にもいろいろ撮影していますが、特に不満があったことはありません。

 

Nikon Z6II + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
ISO100 , 1/640s , f/4 , RAW

ワイド側の14mmで撮影。パース感が強くでていますが、変な歪みなどは見当たりません。

 

Nikon Z6II + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
ISO100 , 1/200s , f/8 , 14mm , jpeg

ここからjpegの撮って出しです。広角側14mmでも、f/8で背景は少しボケています。左上のすみがちょっと引っ張られてるかな。どうでしょう。僕はほとんど気になりません。ピントが合っている部分はかなりシャープでサボテンの棘が痛そうです。

 

Nikon Z6II + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
ISO100 , 1/800s , f/4 , 30mm , jpeg

今度はテレ側の30mmで開放f/4。ピント面はそれなりに薄くなります。ちゃんとカメラを保持してシャッターを切らないとピントが狙った位置からズレてしまいます。ピント面はもちろんシャープで、やっぱり棘が痛そうに写ります。

 

Nikon Z6II + NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
ISO100 , 1/320s , f/8 , 14mm , jpeg

はじめのうちは戸惑う14mmの超広角。慣れると楽しくなってきます。

14mmにもなる超広角は人の自然な視界以上に広い範囲を写します。なので、日常的に使う焦点距離ではないかもしれません。でもちょっとした時に欲しくなる画角で、それは絵的な変化や、強く感動したときのような心象風景を表現したいとき、視界の全てを画面いっぱいに写したいと思うときなど。これは僕だけでなく多くの人が思うことではないでしょうか。

また30mm付近という画角は人間の視界に近いので、ナチュラルな描写で写真を撮ることもできる。そんな14mm〜30mmまでをズーム域に収めたNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは何とも贅沢なレンズだと思いました。

 

14mm〜30mmの画角を見てみる。

14mm

19mm

23.5mm

30mm

歪曲収差や周辺減光が気になると思うのですが、Z6IIでNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sを使用すると、自動ゆがみ補正がONになりOFFにすることは出来ません。

RAWデータも同様で、ニコンの現像ソフトであるNX-StudioやアドビLightroom、キャプチャーワンでも自動ゆがみ補正は設定をオフには出来ません。(一部の現像ソフトなどでは自動ゆがみ補正をオフにできるようです。)

ヴィネットコントロールは設定が可能です。この記事の写真ではビネットコントロールは標準。アクティブDライティングも標準で撮影しています。

 

まとめ。

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは超広角14mmmはじまりのズームで電子補正前提のレンズです。しかし、それがわかるような画像劣化は、僕の使い方では見当たりませんでした。そして、そんなことよりもむしろ、とても使い勝手がよく、描写も素晴らしい魅力のあるレンズだと思っています。

今回はZ6IIでの撮影レビューでしたが、高画素機のZ7で使用しても画質は良好だと思います。NIKKOR Z 14-30mm f/4 SはZマウントユーザーなら誰でもお勧めすることができる、コストパフォーマンスの良い高性能なレンズだと思います。

 

 

超広角ズームということで、保護フィルターに求められる性能は高くなります。ここは是非、純正の保護フィルターを選びたいところです。

 

NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sで撮ってきた過去記事。

snowvalley.hatenablog.jp

 

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