DA 20-40mmF2.8-4はAPS-Cセンサーサイズ用のDAレンズですが、K-1/K-1mkⅡのフルサイズ画角でも使うことができるらしい。ただし焦点距離や絞り値によってはケラレがでて使えない場合もある。
という情報があったので、実際にDA 20-40mmF2.8-4をK-1mkⅡにつけて、フルサイズの画角でスナップ撮影をしてきました。
<目次>
DA 20-40mmF2.8-4をK-1mkⅡのフルサイズで使う。
HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WRをフルサイズ画角(フルフレーム)で使うにあたり、何度かテストしてみると次のようなことがわかりました。
- 使えるのは24mm付近の広角で、絞った方がいい。
- テレ側の31mm〜40mmは絞り開放で使えそう。
- 20mmは、ファインダーで見てもケラレがわかるので使えない。
以上のことを踏まえて撮影してみました。
レンズには、保護フィルターのみを装着しています。フードはケラレの原因になるので外してあります。
保護フィルターとフードは、どちらも外して何もつけなけない方がケラレ、周辺光量落ちは少なくなると思われます(未確認)。
この記事に載せている写真は、DA 20-40mmF2.8-4をK-1mkⅡに装着、フルサイズで撮影、jpgは撮って出しのトリミングなし、DNGデータはキャプチャーワンで明るさなどを微調整、トリミングなし。どちらの場合もブログ掲載用にリサイズのみしてあります。
ビネットは調整していません。
カスタムイメージはナチュラルです。
*使える、使えない、の判断には個人差があると思います。参考程度に読んでいただけると幸いです。
スナップ撮影してみた。
↑上の写真は24mmで撮影しています。f/22まで絞り込んでいますが、屋根や葉の質感までしっかり描写されていました。
DA 20-40mmF2.8-4は、2倍という控えめな倍率のズームレンズ。そのおかげか画質が良く、柔らかいながらも精細な描写。他のリミテッドシリーズとも相性がいいと思います。
24mmではf/8くらいまで絞ってあれば問題なく使えます。開放寄りでは周辺減光が強く出てきます。
ちなみに、フルサイズでの使用では、周辺減光や歪曲などのレンズ補正が適用されないようです。
↑上の写真は31mmで絞りf/4。31mmの開放値はf/3.5なので少しだけ絞っています。
テレ側は、絞り込むとその分、周辺減光が強くなっていきます。
白い被写体で背景を暗く落とせているので、周辺減光はほとんど気にならないのではないでしょうか。
f/4でも近距離での撮影なら、背景は十分にボケてくれますね。
40mmで絞り開放f/4。細かいところまでよく見ると、ボケが周辺へ行くほど回っているように感じます。背景にもよりますが、ボケが荒れてしまうかもしれません。絞り込むと減光が強くなるので、絞り値で改善させるのも難しいところだと思います。
はじめのうちは、いろいろと条件があるので面倒だと思っていましたが、コツを掴むと気にせず使えます。
24mmでパンフォーカス、31mmから40mmでは開放絞りというルールを覚えてしまえば問題ないでしょう。
ズームという利便性はあまり感じられませんが、24mmと40mmの単焦点レンズを2本使っているようにも思えてきました。
ケラレ、周辺減光が出てしまうとき。
テレ側の40mmですが、f/8まで絞り込むと周辺減光が強く出ます。これは開放絞りから徐々に強くなってくるので、表現方法や個人の好みで絞れる範囲が変わってくると思います。個人的には開放絞りだけが許容範囲でした。
↑上の写真は24mmでf/22まで絞り込んでいますが、四隅に小さくケラレが出てしまいました。
24mmは絞り込めば無条件に使えると思っていましたが、最短撮影距離に近づくにつれケラレが出てしまいます。ただこれは保護フィルターの枠が映り込んだ可能性があります。個人的に保護フィルターはつける派で、心配性なのでフィルターはどうしても外せません。
ケラレが気になる場合は、少しだけトリミングするか、撮り方を工夫して目立たなくすればいいでしょう。
20mmでのケラレの状態です。撮影時の絞りはf/8ですが、ファインダーを覗いたときからケラレが目視できてしまいます。20mmのケラレは絞り値に関係なく出てしまうので、フルサイズで使うのは無理があるように思います。
同じ場所で、20mmをAPS-Cサイズにクロップして(本来のDAの画角で)撮影しました。フルサイズ換算では約30.5mmです。
この写真はDNGですが、jpgではカメラ内のデジタル補正を使うことができます。
K-1mkⅡのAPS-Cクロップは1,536万画素。ブログやSNSで使う分には十分な画素数です。なんだかんだと面倒に思うなら、無理せず、DA 20-40mmF2.8-4本来のDA画角で使うのがいいように思います。
フルサイズでDA 20-40mmF2.8-4を無理なく使う方法が、正方形にクロップです。20mmでも問題なし。多少、周辺減光が出る場合もありますが、通常使用の範疇だと思います。
Instagramへの投稿が多い方や、正方形の画角で撮るのもアリならば、こうした使いかたも楽しめると思います。
便利な使い方。
鏡筒にも焦点距離は刻印されているのですが、24mmや31mmなど細かい数字は合わせづらいと思います。
細かい焦点距離を合わせるには、コントロールパネルに焦点距離の表示を設定しておくと便利です。必要に応じて、infoボタンを押して焦点距離を確認することができます。
上記のやり方で、焦点距離による開放f値と最小絞り値の変化を調べてみました。
- 20-23mm : f/2.8 - f/22
- 24-33mm : f/3.5 - f/29
- 34-40mm : f/4 - f/32
その他、機能ダイヤルをCropに合わせておけば、設定ダイヤルでAPS-C、正方形、フルサイズを切り替えることができます。
まとめ。
DA 20-40mmF2.8-4をK-1mkⅡにつけ、フルサイズの画角でスナップ撮影をしてきました。焦点距離や絞り値によってはケラレたり周辺減光が強く出る場合もありますが、条件次第では実用になるかもしれません。
Limitedのレンズで、ズームで防滴なのはDA 20-40mmF2.8-4だけなので、使い方の幅が広がるかもしれません。参考になれば幸いです。