Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50です。
ZF.2はニコンFマウント用で電子接点のついたレンズとなります。
開放F2、ハーフマクロの持ち味を活かすべく、多摩川台公園のアジサイを撮影してきました。
<目次>
- マクロプラナーのf/11と開放f/2。
- アジサイの開花時期。
- 花や料理など、「生」物には、マクロプラナー。
- 引きの風景写真にも使えます。
- マクロプラナーでアジサイを撮影。
- マクロプラナーのデメリット。
- アジサイだけじゃない、多摩川台公園。
- 多摩川台公園について。
- Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50について。
マクロプラナーのf/11と開放f/2。
最初の1枚なのに、あえてのf/11と絞った写真です。立体感あります。
マクロプラナー50mmf2の開放でのボケは、よく言われるようにとても綺麗ですが、絞ったときも味のある写りをします。「レンズなんて絞ればみんな同じ」と言う方も多いと思いますが、このレンズは例外だと思います。
もちろん開放f/2も綺麗です。
この記事内の写真は全てトリミングなし。jpegは撮って出しでブログ用にリサイズのみしています。
RAWはニコンのNX Studioもしくはキャプチャーワンで現像、こちらもブログ用にリサイズしています。
アジサイの開花時期。
この写真は5月28日の朝の様子。昨年よりも少し開花が遅れているようです。
同じようにアジサイの花目当てで来たカメラマンも複数名いましたが、皆さん咲いている花を探してウロウロ状態でした。
朝7時をちょっと過ぎ頃。日の出は早いですが、日差しの角度は急なので明暗差が強いです。朝早くだと、光がまわりきらない場所も多めです。
そして日をあらためて6月4日。
多摩川駅を降りてすぐにある多摩川台公園。入口からあじさい園が広がっていて、この季節にはアジサイの花を楽しめます。
ISOが5000なのは意図したものではなく、カメラの設定(と自分の頭)が野鳥撮影用のままで切り替えできていませんでした。
絞りが8でも、50mmでこの距離ではパンフォーカスにはなりません。
手前のアジサイの花は少しボケているので、もう2〜3段は、絞りを深くしたいところです。
花や料理など、「生」物には、マクロプラナー。
花の撮影ということで、マクロプラナーを持ち出しています。
このレンズは花や料理、物撮り、スナップ撮影と様々な用途に使います。
特に花と料理には、ハーフマクロという寄りやすさ、開放F2という明るいファインダー像、表現力、また綺麗だけじゃない深みのあるボケ味などで、このレンズを使わない理由がありません。
マニュアルフォーカスは、その滑らかで適度なトルクのあるヘリコイドが心地よく、使う楽しみの一つでもあります。
ほぼ最短撮影距離(0.24m)で撮影したアジサイです。
素敵ですね。綺麗なボケ。適度な柔らかさを持つピントピーク。
マクロプラナーは、0.5倍まで寄れるハーフマクロ。ハーフと言ってもここまで寄れるので、特殊な撮影でなければ問題ないでしょう。等倍マクロでなくてはダメということはそうそうないと思います。
ほぼ最短撮影距離でのレンズの伸び具合です。
レンズの後ろに写ってる花を、寄って撮りました。
繰り出し式の鏡胴ですが、太い部分で伸びるので華奢な感じはしません。
ヘリコイドには適度な抵抗感があり、勝手に伸びてしまうこともありません。
引きの風景写真にも使えます。
狙ったわけではないのですが、ISO16000でもノイズはあまり目立ちません。
高感度ノイズ低減はOFFにしています。以前はONにしていましたが、かえってのっぺりとした描写になってしまったことがあり、Z6ⅡではOFFの方が綺麗であると判断しています。
こちらは日が沈む側なので開花時期が遅くなりますが、その分花を楽しめる期間が長くなります。
マクロプラナーでアジサイを撮影。
ニコンから「ViewNX-2」「ViewNX-i」「Capture NX2」「Capture NX-D」の提供を終了するというアナウンスがありました。これからは「NX Studio」を利用するようにとのことです。個人的には、使い勝手に優れるキャプチャーワンを使用することの方が多いのですが、色味に関してはNX Studioの方が好みです。
自然で階調重視な色再現であると思います。(もちろん、好みで彩度やコントラストを高くすることは可能です。)
前日が雨だったので、しっとりとした園内です。
葉の上にもところどころに水滴がありますね。
開放f/2での撮影で、背景に少しグルグルが出かかっています。
あまりうるさく出るようなことはありませんが、気になる人はちょっと嫌かも。
濃い色で再現されるので、逆光でも際立つ存在感。
ピント合わせは立ち上がりのはっきりとしたピントピークのおかげで、EVF(電子ビューファインダー)使用でも合わせやすく感じます。
Z6IIのEVFはかなり優れていますので、老眼の目でもなんとかマニュアルフォーカスできます。
マクロレンズといえばf/2.8あたりが普通ですね。
マクロプラナーはハーフマクロということですが、f/2 はじゅうぶん大口径。
寄りの撮影以外でも、f/2から描写は安定しており、さらに雰囲気ある写りをするというレンズ。
50mmの単焦点で同じようなコンセプトのレンズは他には見当たらないので、なかなか手放すようなことはありません。
マクロプラナーのデメリット。
開放からf5.6くらいまでは周辺減光がかなりあります。つまり画面周辺が暗くなる。でもこれはレンズの味なので人にもよると思います。周辺減光はソフトやアプリでも作り出せますが、レンズが持つ周辺減光はやっぱり自然に感じます。
マクロプラナーはマニュアルフォーカスです。「マクロレンズなのだから当たり前」というのはもう古い考えなのかもしれません。AFは欲しいです。いくらファインダーが見やすいとはいえ、老眼にはツライ。長時間は疲れてしまいます。
いくら描写が良いとはいえ、寄りの撮影だからこそ、オートフォーカスに頼りたくなるのが本音です。
少ないカットでじっくりと丁寧に撮影したいレンズですね。
クラシックなデザインで重いです。
実際には510gあり、FTZも付けていますのでそれなりに重量感があります。寄りの撮影では安定につながりますが、手持ち撮影ではジワジワ疲れが溜まってきます。
マクロプラナー質量を感じるデザインは好みではありますが、撮影の現場では古臭いと感じることもなくはないです。
ミラーレスでの使用に恩恵を感じますが、一眼レフと組み合わせる方がバランスが良いと思うこともあります。
アジサイだけじゃない、多摩川台公園。
「マクロ」とついていますが、引きの風景写真もキリッと写します。絞りをf/11にすれば解像度も上がりシャープな描写に。万能ですね。
コントラストが高いので、直線の多い被写体でもシャープに描き切ります。
画角が合えば、建築の撮影でも使えると思います。
身を乗り出し、かなり不安定な状態で撮影しています。
ニコンZ6IIはボディ内手ブレ補正が強力で、手持ち撮影でのファインダー像のブレを軽減してくれます。時間のかかるマニュアルフォーカス時の構図調整・ピント合わせに集中できます。
この撮影ではシャッタースピードが速いので手ブレの心配はありませんが、撮影時のファインダー内の像が安定していて助かりました。
いつも綺麗に手入れをされている多摩川台公園の花壇。
花に囲まれるウサギの置物にも愛情を注いでいるようで、いつも可愛くて親しみを感じます。ありがたいですね。
色乗りが良く、存在感のある写りで花を際立たせています。
このタイプのマクロプラナーは生産、販売を終了しています。リニューアルしたモデルはMilvus(ミルバス)というシリーズでニコンFマウントにも対応。
基本のコンセプトおよびレンズ構成はそのままで、デジタルに合わせたコーティングなどにより、描写性能を向上させているそうです。
多摩川台公園について。
散歩でよく訪れる多摩川台公園で撮影してみました。
多摩川台公園は、多摩川に沿って伸びる丘陵地に約750メートルにわたって続く公園です。アジサイ園のほか、水生植物園、古墳群、フラワーガーデンや遊具のある広場などが整備されています。
Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50について。
マクロプラナー50mmf2、カッコいいですね。
描写も折り紙つき。デメリットも全て味。あとは使い手次第。
正直にいうと一眼レフでの使用では、年齢的に限界だなと感じていました。
しかしミラーレスにしてからは手ブレ補正や、フォーカスアシストによるピント位置の拡大、高感度域の実用度などの恩恵で、「もう少しの間は、この描写のために頑張るぞ。」と思うことができました。
撮影で使っていると、しみじみ「いい描写だなぁ」と思えるレンズです。
去年はZEISS Loxia 2.8/21で多摩川台公園のサジサイを撮影していました。