D810Aを購入しました。D810の「A」付きです。
D810Aはセンサー前に装着されている、光学フィルターの透過特性を天体撮影用に変更したモデルです。
ベースはD810で、見た目はロゴ以外D810。中身の基本的な部分もD810と共通です。
本来は天体専用モデルなので、普段使いではD810などの通常機とは異なる色再現になるということです。
しかし、いくら天体撮影専用と言われても、そうそう何台も高額なカメラを所有はできません。そこで、少しくらい色再現が変でも、「普段使いもする」と割り切って購入してみました。
今回は、天体撮影専用モデルであるD810Aを普段使いで撮影、作例を入れながらレビューします。
<目次>
- 公園でテスト撮影。
- カメラの設定とレンズ。
- NX Studioで現像。
- D810Aで花を撮影、撮って出し。
- CaptureOne 21で現像。
- 空からの光と空の色。
- 基本性能はD810で、まだまだ使える。
- 遊具はどうか?
- 紫色の花。
- さらに、パープルフリンジが出た場合。
- D810Aのセンサーのこと。
- 普段使いで問題なし(かも)。
- 東高根森林公園へのアクセス。
公園でテスト撮影。
東高根森林公園は、神奈川県川崎市にある東京からもアクセスしやすい自然豊かな公園です。
多摩丘陵の東端近くにあり、弥生時代から古墳時代にかけての竪穴住居跡が発見されています。そのほか、天然記念物のシラカシ林や湿性植物園などがあります。
こちらの写真は撮って出しのJPEG画像で、ブログ用にリサイズのみしてあります。
カメラの設定とレンズ。
D810Aのカメラ設定とレンズはこんな感じです。
- ホワイトバランスを色温度5220、色味を0。
- ピクチャーコントロールは[SD]スタンダード。
- アクティブD-ライティングは標準。
- RAWとJPEGで撮影。
- レンズはCarl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 ZF.2です。
まだ、クセとかわかりませんから、カスタマイズとかはしていません。
NX Studioで現像。
今年3月に公開されたニコンの純正ソフトウェア「NX Studio」で現像してみました。
MacBook Proの2015年モデルで使っています。
表示速度は少し時間がかかりますが、ストレスにはならない程度です。PCのパワー次第なところもあると思います。
主にキャプチャーワンを使っているのですが、違和感なく使えます。
「基本的な調整」から、それぞれの値を好みに合わせて変えていくのですが、プレビュー画像へ反映される速度がイマイチ。
枚数が少ないうちはいいのですが、これが数十枚となってくるとストレスになるかもしれません。
撮影時との変更点は、
- ピクチャーコントロールを、[SD]スタンダードから[LS]風景に変更。
- 露出補正を、−0.25
- 明るさと色の調整>シャドーを、10
として、JPEGで書き出し、リサイズしています。
Capture One 21での現像とは、色味が違います。
このカットでは、NX Studioの方が好みです。
D810Aで花を撮影、撮って出し。
撮って出し、JPEG画像のリサイズのみです。
天体専用モデルでも、普通に撮れました。花の撮影では多少の影響があるかと思っていましたが問題ないようです。
とはいえ、赤い花とか果実だと影響が出るのかもしれません。
D810と同じものを撮影しての比較でないかぎりは、違いがある、なしはわからないのかもしれません。
CaptureOne 21で現像。
CaptureOne 21でも問題なく、思った感じに現像できました。
キャプチャーワンでも、D810Aのプロファイルは用意されています。
- 基本特性>プロファイル>Nikon D810A Generic
その他、ニコンのピクチャーコントロールに相当するプロファイルも用意されています。
しかし、それぞれのプロファイルを当ててみても、NX Studioのようにカメラで生成した画像と同じにはなりません。
とはいえ、CaptureOne 21のユーザーインターフェースは使いやすく、調整の幅も広い。
できることが多いので、仕事での写真や、無理な状況で撮影した写真の救済、自由な色再現などという使い方をするのであれば、キャプチャーワンは強力な武器になります。
空からの光と空の色。
下の2枚は撮って出しのJPEGでリサイズのみ。
こちらもとくに赤いとは感じません。
7月すぎて8月とかのギラつく太陽だと、変わって見えるのかもしれませんね。
もしくは空気の澄んだ冬とかだと、違う色合いになるのかも。
普通に使えて良いのですが、ちょっと変わった色になるのを期待していた自分がいます...。
基本性能はD810で、まだまだ使える。
こちらも撮って出しのリサイズ。樹の表皮もリアルに再現されてます。
「今更、一眼レフかぁ。」というのが正直な気持ち。
ただ、購入に踏み切ったのは、D810を仕事で使い込んでいるから。
自分の身体に染み込んでいるので、信頼や安心があります。
現役で使っているD810と基本性能が同じなら、これからも十分に期待に答えてくれると信じれたので購入しました。
遊具はどうか?
遊具があったので撮影してみました。
[SD]スタンダードの撮って出しJPEG画像では色がちょっと薄めなので、ピクチャーコントロールを、 [VI]ビビッドに変更して現像してみました。
参考までにキャプチャーワンの画面画像も貼っておきます。
キャプチャーワンでのストレート表示。まだ未調整。
この状態ではNX Studioの方が自然な色に感じました。
紫色の花。
紫色の花は2回目ですが、こちらも普通に撮れてます。
NX Studioで書き出ししましたが、ピクチャーコントロールの設定を変えただけです。
- [SD]から[VI]ビビッドに変更。
緑の多い自然を撮影するなら、[LS]風景か、[VI]ビビッドで撮影するのがオススメできる感じです。
さらに、パープルフリンジが出た場合。
暗い背景に白シャツの人物。
肩付近の背景との境界に紫色の偽色が出ています。
これがパープルフリンジ。コントラストの差が激しい部分に出てくる「偽色」です。
風景写真では川の波部分とかにも出てきます。
パープルフリンジが出た場合、キャプチャーワンで消しています。
ツールの「パープルフリンジ」から「フリンジ軽減」のスライダーで調整するだけ。
このカットでは「74」で消えました。
必要以上に数値を増やすと、偽色以外のディテールを損なう可能性もあります。
全体とのバランスを見て調整してください。
パープルフリンジの出かたは、D810でもD810Aでも違いはないようです。
おそらくレンズの性能だと思います。
D810Aのセンサーのこと。
天文、星座などを撮影している人たちのブログを見ると、とんでもなく凄い人たちがいます。この方々は、独自の方法でセンサーのノイズなどを回析してしまうような人たち。そちらで気になるD810Aのセンサーの話を拾ってみました。
- 810Aに使われるセンサーは、センサーの個体差を調べ、ノイズの少ないセンサーをセレクトして搭載している。
- 天体撮影でHα線に影響する、Rチャンネルのノイズを少なく滑らかに写るようにチューニングしている。
- IRカットフィルタの違いだけでなく、さまざまなチューニング、アルゴリズムを用いて、天体撮影に特化した性能にしていると思われる。
本当のところはわかりません・・・。
でも、D810に比べてノイズが少ないような気もします。
同一条件で撮り比べないとわからないと思いますが、その違いを自分レベルでわかるかどうかも疑問です...。
普段使いで問題なし(かも)。
天体撮影専用モデルとされているD810Aですが、緑の多い東高根森林公園で撮影したところでは、とくに問題なく撮影できました。
色再現について気になるところは今のところありません。
D810Aの唯一、気になっているのは背面モニターがチルトしないこと。カメラアングルに不自由します。
しばらくは普通に使っていきたいと思います。
レンズについては書きませんでしたが、使ったのは Carl Zeiss Makro-Planar T* 2/50 です。
ニコンでは、「一般撮影におけるD810Aの色再現」という特設サイトページを用意しています。そちらも参考にしてみてください。
Nikon D810A - 一般撮影におけるD810Aの色再現
東高根森林公園へのアクセス。
東高根森林公園(ひがしたかねしんりんこうえん)
神奈川県川崎市宮前区神木本町2-10-1
入園料は無料です。
112台が停められる広い駐車場があります。
3月1日~11月30日の土日祝日は有料(大型車880円、普通車550円、二輪車110円)
平日であれば、駐車料金は無料になります。
利用時間は午前8時30分~午後7時、までで、時間外は閉鎖施錠されるので車の出し入れができなくなります。
カメラを持って散歩するのがオススメです。